平成17年度鳥取市政懇話会 第1回「地域づくり部会」議事録

日時:平成17年6月1日(水)午後3時〜5時

場所:鳥取市福祉文化会館3階会議室

出席者

1.開会

2.報告事項

○委員 前回、17年度のテーマを「新市一体化の方策について」と決め、委員から意見を募集した。資料に意見が列記してあるが、なかなか多様な意見で整理がつかない。今日は、新市の一体化について整理したい。一体化の阻害要因について課題、意見を出して頂き整理できたらと思う。フリートークでいきたい。

3.議事

意見交換抜粋(一部加筆修正しています。)

○委員 一体化の阻害要因として、(1)地域間で行政サービスに格差が存在している。(2)合併項目で一体化が先送りになっている。項目の整理がついていない。(3)旧町村は行政主導での合併をしてきたので、市民が無関心になっている。住民参加ができていない。という状況がある。

○委員 一体化と均一は別物である。何をもって一体化というのかわかりにくい。均一にする部分と意識的に一体化しない部分がある。制度として一体化する部分と、住民の参加意識、達成感により一体化していくことが大きな要因である。

○委員 一体化=平準化になる。平準化すべきものとしないものがある。合併した市民が同じ思いにならなければならない。そのつながり方を整理しなければならない。先進合併区域(いわき市)の例があるが、そこは「祭り」を取り上げた。合併が多くなるにつれて、一体化は重要な課題になった。今までは平準化優先で、地域の個性がなくなった。そこで最近は地域の個性を認め一体性を出すよう変わった。

○委員 旧町村部の個性、特性を知らせることが課題。「祭り」がキーワードになるのでは。地域の祭りとの連携を図り一体化する。自分たちも参加するという意識が必要。旧鳥取市の課題としては、合併したという意識が希薄である。合併しても違いがわからない。市報で旧町村部を紹介しているがそれだけでは足りない。「市民にわかりやすいものから入っていく。」例えば市民図書館、移動図書館車は合併してよかった部分である。

○委員 旧市は、教育施設が低下しないか心配。新市民は税負担の心配があるかもしれない。「祭り」は旧鳥取市に重点が置かれていないか。連帯感が心配。一体化は、経済界を含め共通認識を持って、元気ある都市づくり、アイデンティティとして捉える。さらに、「キャッチフレーズ」が必要である。私は、交流人口を増やすことに着目した。(1)鳥取は四季の変化と、農産物、海産物に恵まれている。(2)国の伝統工芸品産地が2カ所ある。(3)温泉地を4ヵ所持っている。(4)因幡の人々は本来優しい気質を持っているはず。「癒しの場」の環境が備わっている。ホットな自然と特産品、ホットな温泉、ホットな鳥取市民のもてなしのある理想郷とっとりの意味を込めて「ほっとピアとっとり」をアイデンティティとすることを提唱する。

○委員 合併後、学校間の交流、旧鳥取市と新鳥取市の学校交流がない。交流バス(マイクロバス)を運行して頂きたい。

○委員 子どもから見た一体化がない。周辺町村の子には合併の意識が希薄。

○委員 職員間の講習を一緒にやってもらいたい。新鳥取市の職員のマナー、態度が悪いというアンケートがあった。

○委員 職員交流は旧市から町村へ行っているのか。職員を混ぜるのが基本だと思う。

○竹内市長 合併後2度の異動で交流は深まった。昨年11月の異動で旧町村職員の4割が本庁舎へ異動した。市からは1割(4〜5人)が支所へ異動した。さらに6月の異動で2〜3人が支所へ異動した。したがって総合支所には約40人の2割程度が本庁から異動している。職員研修はごく最近行なった。従来の市職員と、旧町村職員では、接遇研修などの研修内容に差があった。これからは同じレベルになると思う。

○委員 ワンストップサービスを市は行なっているが、旧町村部もやっていただきたい。

○竹内市長 すでに総合支所でもしているがなれていない部分もある。この件は、投書も来ているので承知している。研修で一体化を図る。

○委員 旧鳥取市の市民にとって合併の実感がない。旧町村部は編入されたというわだかまりがある。だからそうでないという情報の徹底が必要。町村も地域エゴに陥りやすい。新しい鳥取全体で取り組む必要がある。また、一方で「一体化」を焦っているのではないか。施策が充実すれば一体化すると思う。時間をかけることも必要。

○委員 施策として何かないと、旗が見えないといけない。一体化の定義をとらえようがない。義務教育面で、新鳥取市は「人の命を大事にする」「人を大切にする」ことも必要。また、市民経済界一体となって、アイデンティティをとらえる。

○委員 「人づくり」の分野から一体化を阻害しているものは何か。地域文化が合併で薄れるという懸念がある。合併は行政主導で行なってきたので、住民サイドの議論がない。しかし、住民自らの文化は合併しても残る。行政主導で育てた文化が薄まる心配がある。

○委員 自治連に加入するという問題がある。自治会長のあり方で難航している。「田舎」は行政にお任せで、自治が成り立っていないところもある。組織を作りたいが立ち上げにくい。住民活動が少ない。

○竹内市長 合併時に青谷貝殻節を立ち上げられる。気高の貝殻節と歌詞が違うようだ。会を立ち上げて中心となる人は旧鳥取市におられる。合併が刺激となって地元を掘り下げる動きが出ることは合併効果であると思う。旧町村部にも余力がなくはない。「よしやろう」という原動力が地方を元気にする。また、一体化は均質化ではない。議論の整理が必要である。一体化は何かを考えれば、方策が整理できる。

○委員 具体的なものが「祭り」。しゃんしゃん祭りであり、地域の出し物である。

○竹内市長 祭りは一体化の舞台であると思う。

○委員 旧町村の人には、しゃんしゃん祭りは、入れられるという思いがあるのでは。やはりキャッチフレーズが必要。新市の将来像にある「快適・環境都市」を強調した全国に誇れるものが必要ではないか。

○委員 「郷土愛を育てよう」を提唱する。子どもにとっても郷土愛が必要。道徳心のある子どもに育てるため何か必要。鳥取は環境に恵まれている。自然環境に着目して全ての子どもたちに何か響くものはないか。

○竹内市長 合併記念として、11月1日に文化祭を開催するが、郷土芸能や合唱をする。この合唱を盛んにしてはどうか。大人から子どもまでやれば盛り上がるのでは。

○委員 「合唱のまち鳥取」

○委員 合唱はわらべ館でもしている。

○委員 わらべ館は大人向けが多い。

○委員 合併記念日をいつまでもしてはいけない。

○委員 「公民館祭り」を大々的にしてはどうか。

○竹内市長 統一の公民館祭り。旧鳥取市は毎年実施している。一極集中より、テーマごとに会場を分散して行なう。

○委員 「傘踊りの祭典」はどうか。傘踊りは実は横枕と国府町が家元でもめている。調査して整理する必要がある。

○竹内市長 布勢総合運動公園を使って。

○委員 鳥取はやはり砂丘という認識であり、砂丘をメインとした「祭り」を行なうのがよい。先日も「サンドボード全国大会」を砂丘でやっていた。砂丘で何かイベントをやるべきだ。

○委員 砂丘は、昔は見るだけのものであったが、今は利用するものに変わった。

○委員 一体化の定義がはっきりしない。逆の方向に重点を置いて地域の人が地域のエネルギーをどう引き出せるかが鍵。地域の発展が市全体の発展につながる。

○委員 一体化とは、地域、地域を理解する、認め合うことである。

○委員 地域の個性を認めたうえで、一つになるものを見つけ出す。

○委員 まちづくりには時間がかかる。なかなか目に見えてできない。

○委員 会社にも支社があるが、一方で社是もある。地域、地域には特色もありそれを認めるが、一つになるものも必要ではないか。

○竹内市長 やはり相互理解が必要。おらがまちのいいものを他に知らせ理解されることも大事。地域がお互いに共通認識に立って、いわゆる「郷土愛」を持つ必要があるのでは。

○委員 地域の一体化がない。新しいイベントを作ってはどうか。経済界が一緒になれと言われるが、一番簡単なのは文化団体が一緒になること。「合唱祭」がよい。

○委員 いろいろな分野で交流の輪を作っていく。新鳥取市として全体で何か交流するものを。

○委員 住民主導でしていく。実行委員会を組織する。

○委員 住民は強い。ボランティアを作り交流する。住民は動きます。8次総のアンケートで「鳥取市をよくするためにどのように関わりたいか」に7割の人が何かに参加したいと回答していた。きっかけ作りをすると市民は動くと思う。

○竹内市長 今までは、行政丸がかえというイメージがあった。

○委員 一体化の認識が必要。自主活動をしているところもある。だいぶ意見も出てきた。まとめると、一体化に向けて「人づくり」は大きなテーマ。その中で一体感を作るため「祭り」をやってはどうか。「環境都市」にテーマを絞る。

○委員 ゴミで画期的なアイデアは出ないか。

○竹内市長 現在環境基本計画策定に向けて審議会に諮問した。市政懇話会は、高度な機関と位置づけているので、環境だけに踏み込まないで、一体化を巡る意見交換をしていただきたい。9市町村が未だに1つの市として連携をとるシステムが形成されていない。合併した鳥取市で何かメカニズムが出てほしい。「仕掛け」を考える必要がある。そういうことを市政懇話会で練り上げて欲しい。

○委員 何のための合併か。合併してプラスにならなければ意味がない。まずは、地域、地域が特色を持つべき。そして一人ひとりがどこまで近所の課題に取り組めるのか。それが一体化になる。いいことをそこで終わらせないで、全市に広める。具体的に組織団体が交流を進める。交流によりお互いが共通認識を持ち、いいところをお互いが取り入れる。それが一体化につながるのでは。

○委員 市長アワーは苦情処理が多いと思うが続けるのか。

○竹内市長 苦情処理の中から、建設的な意見をみつけることが重要。今まで埋もれていた意見を掘り起こすこともできる。直接話を聞く機会を持つことが私の政治信念である。

○委員 市長の顔を見て言ったことで不満の解消につながることもある。できた、できないという結果だけではない。直接市長に言えたことで満足する人もいる。

○委員 善良な人ばかりではない。言えば何でもしてもらえると思う人もいる。部長が困る。組織上は問題がる。市長アワーはこれからも続けるのか。

○竹内市長 就任早々やったが、自分が直接話を聞くことに意味がある。しかし安請け合いはしない。できることできないことの説明責任は果たす。

○委員 「快適・環境都市とっとり」を全国にアピールするときには、柔らかい表現がいい。

○竹内市長 キャラクターという話も出ている。

○委員 キャラクターはよい。いろいろなイベントに使える。

○委員 そろそろ時間も来たので、事務局で話をまとめてもらい次回議論をしたい。

○事務局 今日議論して頂いたことをまとめ、いろいろ「キーワード」になるものが出てきましたので整理し、次回議論して頂く材料を提供します。またそれまでにご意見をいただきますのでよろしくお願いします。

4.閉会

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