鳥取市

鳥取環境大学の公立大学法人化への取組について登録日:

 鳥取環境大学では開学以来年々学生数が減少し、平成22年度の入学者は149人と、定員充足率は54%に留まっています。環境大学の保有資産も、平成20年度より減少に転じているのが現状です。

1 鳥取環境大学における検討

 鳥取環境大学では、このような状況に鑑み、理事会の下に改革検討委員会を設置し、市民、県民の視点での幅広い見地から、環境大学の今後の在り方を検討されました。

 改革検討委員会は、平成20年5月19日の第1回委員会開催以来、8回の委員会及び4回の勉強会を開催し、「環境大学の学生確保対策」、「授業料の額」、「学生定員及び学科編成」、「設置形態を含む環境大学の在り方」の4項目からなる対策案を取りまとめられました。

鳥取環境大学改革検討委員会報告書の概要

  1. 学生確保について

 高校生のみでなく留学生や社会人なども含め様々な層にターゲットを拡大する必要がある。

  1. 授業料について

 授業料の減額については、建物改修等のための減価償却額の積立の問題や不足財源の確保策についても勘案しながら検討する必要がある。

  1. 学生定員・学科編成について

 全国にアピールできる学科の編成(例:環境をより深化・高度化させた学科、経済・経営系の学部学科など)を検討する必要がある。

  1. 設置形態を含む大学のあり方について

 公立大学という設置形態は、学生確保、経営の安定の両面から非常に大きな効果が期待できるものであり、早急に鳥取県及び鳥取市と協議を進める必要がある。

《参考》鳥取環境大学における改革に向けた検討

◆鳥取環境大学改革検討委員会における検討(H20.5/19~H22.1/28)

2 鳥取環境大学からの県・市への要望

 鳥取環境大学では、この改革検討委員会の報告書を受け、2学部2学科への学部・学科改編、経営改善、大学運営改革の3つの柱からなる大学改革案を理事会で決定され、併せて、鳥取環境大学の公立大学化の検討についての要望書を県と市に提出されました。

《参考》鳥取環境大学からの要望書

3 県・市における検討

 県と市では、それを受け、共同で「鳥取環境大学改革案評価・検討委員会」を設置し、県民アンケートなどを行いながら、各分野の専門家を交えて、鳥取環境大学改革案の検証、今後の大学のあり方等について検討を行いました。

 この委員会は、8月23日の第5回委員会において、委員会報告書を取りまとめられ、8月26日に鳥取県知事へ、8月30日に鳥取市長へ委員会報告書を提出されました。

《参考》

鳥取環境大学改革案評価・検討委員会報告書の概要

  1. 鳥取環境大学の学部・学科改編の基本構想についての検証
  • 2学部2学科体制への改編は、社会情勢、鳥取県の地域課題、地域貢献、進学動向、近隣大学の学部設置状況、学部名から教育内容が理解しやすいといった観点から、理解できる。
  • 今後、学生、企業のニーズを踏まえ、近隣大学の教育内容等との差別化を図り、鳥取県らしい学部として対外的にアピールできるような特徴をもつ学部学科となるよう更に検討を進めることが必要である。
  1. 鳥取環境大学の経営改善への取組及び運営の改革についての検証
  • 学生や地域のニーズを汲み取った大学の魅力づくり、大学運営の改革、経営改善について絶えず不断に取り組むことが不可欠である。
  • 大学運営にあたっては、経済社会情勢の変化に応じて柔軟で機動的な運営がなされるような体制を確保すべき。
  • 権限と責任を明確にして、強力なリーダーシップを発揮し、組織的な運営を行い、教職員が一丸となって目的達成のために行動するといった体制を築く必要がある。
  1. 設置形態を含めた、今後の鳥取環境大学のあり方の検討
  • 環境大学の体力が残っている今のうちに、魅力ある学部学科の改編等と併せて、公立大学法人制度を活用する公立化に向けた検討を速やかに開始すべきである。
  • 県及び鳥取市が共同で鳥取環境大学を設立した経緯から、今後も県・鳥取市が共に大学を支えるという体制を確保すべきである。
  1. 委員会報告のまとめ
  • 公立大学は、県民及び市民の理解が得られなければ成り立たない。そのため、鳥取環境大学は今後、教育、研究、地域貢献活動を通じて、東部のみならず、中西部の幅広い県民、自治体、企業等から支持され、支えられる大学へと成長していかなければならない。そして、大学の知の資源を地域へと還元し、鳥取県全体の発展に大きく寄与していかなければならない。
  • 鳥取環境大学が地域の発展に欠かせない存在として、県民及び市民の理解のもと再生していけるよう、大学の改革に向けて県及び鳥取市の一層の取組を期待する。

《参考》鳥取環境大学改革案評価・検討委員会(H22.6/28~H22.8/23)

4 公立大学法人化のメリット

  • 公立大学の運営に当たっては、国から大学運営に要する費用が交付されます。この金額は、平成22年度で、私立大学の運営補助金に比べて約5倍の額であるため、学費は、他の国公立大学同様のレベル(53万5千円程度)にまで引き下げることが可能となります。
  • 大学運営の根幹となる中期目標の設定などに県・市が関与することで、大学運営のチェックが可能となります。さらに、地域が必要とする人材育成や地域課題に密着した教育・研究活動を行うことができることで、より一層の地域貢献が可能となります。

5 公立大学法人化に係る課題

 市は、国から交付される大学運営費を上回って大学に運営資金を交付することは、基本的に考えておりません。

 したがって、公立大学は、国の運営費や授業料などの収入の中で、効率的に大学運営を行うことが必要となります。

 今後の大学運営に当たって財政推計をした結果では、公立化した場合、最低でも74%の学生を確保する必要があります。

 大学としては、持続的な大学運営を行っていくために、学生や地域ニーズをくみ取った更なる大学の魅力づくり、一層の大学運営改革、経営改善など、更なる努力が必要となります。

《参考》鳥取環境大学改革案評価・検討委員会における財政シミュレート結果

6 今後の取組

 鳥取環境大学は、大学が地域に及ぼす経済的効果、学術・文化的効果、若者定住、地域経済活性化など様々な観点から本市にとって大きな財産であると考えています。

 鳥取環境大学改革案評価・検討委員会からの報告は、深い検討の結果であり、本市としては、この検討結果を踏まえ、公立大学法人化により大学が持続的に発展するよう、鳥取県とともに、鳥取環境大学の公立大学法人化を含めた、更なる大学改革への取組を進めていきたいと考えています。

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