鳥取市を語るvol.16 -市政への提言-

神話研究の拠点を鳥取市に

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場所:白兎の丘(気多ノ前展望広場)
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場所:お城山展望台「河原城」

日本一有名な兎がいるまち

市長
先生は、古事記の「因幡の白うさぎ」のどの点に注目されていますか。
門田
この神話は、動物がおもしろいんですが、医療技術の高さを語っているようです。兎に海水を浴びるように言った八十神(やそがみ)は、見方によれば、兎を助ける力がなかった。海水は塩水だから殺菌作用があるというくらいの知識しか持ち得なかった。ところが、大国主命(おおくにぬしのみこと)は、医療行為の知識があったということになります。
市長
兎はトリックスター(物語をかき回す役割)のようですね。
門田
ずるがしこいんだけれど、どこかでしくじる。それが世界の多くの地域の神話にあります。大山の麓の甲川(きのえがわ)にも同様の話があります。古事記の中で動物が主役で出てくることと、後に国の支配者となる大国主命との関わりがおもしろいと思いますね。
市長
小学校の教科書にも復活したようですね。
門田
そのようです。ただ、内容がまちまちのようです。それをきちんと整理する必要がありますね。また、日本固有の兎は夏は茶色だけれど、冬は白くなるのもいた。でも、がまの穂綿ができるのは夏なので、矛盾があります。

神話の存在価値を高める役割を

市長
科学的、考古学的、比較文化といったところからも研究したらいいですね。
門田
民俗学的なことも。総合的に何かしらまとめて、きちんと整理する。それは、鳥取市の役割だと思います。神話の内容を確立するための拠点を作るべきです。河原町に八上姫(やかみひめ)の話があって、南部町には赤いイノシシの話があります。でも単発的で皆さんの中でつながっていない。それをグローバルな視点からこの神話の存在価値をきちんと整理して発信する。八上姫はもしかしたら曳田川(ひけたがわ)で産出されるヒスイに関係があるかもしれないとかね。
市長
いろんなことを語っている人がいます。白兎(はくと)や、八上姫の売沼(めぬま(神社、さらに各地ともつながりながら学術的な研究と連携をとって蓄積をしていく中で、情報発信を的確にやっていく。鳥取学という講座や講演もありますが、その中で、因幡の白うさぎは重要な一コマだと思います。今は、道の駅や展望台・広場もできました。段階的にグレードアップしつつあります。因幡の白うさぎ神話についての、研究や情報発信の拠点となる因幡の白うさぎの館があってもいい。
門田
ここには、日本一有名な兎がいるということを打ち出した方がいいですね。是非実現してください。
市長
鳥取学の新たな拠点になると思います。ありがとうございました。
写真:対談の様子
※対談内容を抜粋・要約して掲載しています。
対談者
鳥取大学名誉教授
門田 真知子(かどたまちこ) さん
場所
道の駅「神話の里白うさぎ」
対談日
平成25年5月28日(火)