差別のない社会へ人権啓発メッセージ:インターネットを悪用した人権侵害をやめよう!
シリーズ @じんけん Vol.391

アイヌの人々の人権問題

〜鳥取市人権施策基本方針 さまざまな人権問題から〜
問い合わせ先 本庁舎人権推進課 電話0857-20-3143

日本国憲法では、すべての国民は個人として尊重され、また、差別されないとされています。しかし実際には今もさまざまな差別が残っています。

今回はその中でも鳥取市人権施策基本方針において取り上げられているアイヌの人々の人権問題について考えます。

アイヌの歴史

アイヌの人々は、古くから北海道を中心とした地域に住んでいた先住民族で、自然の豊かな恵みを受けて、固有の言語や伝統的な生活習慣など、独自の生活と文化を築きあげてきました。

鎌倉時代以降、和人(アイヌの立場から見たアイヌ以外の日本人)が北海道との交易を盛んに行なうようになり、江戸時代には松前藩が蝦夷地(現在の北海道)をいくつかに分割ました。主だった家臣にアイヌとの交易を認め、それを商人に委たことにより、アイヌの人々は商人の横暴と搾取による苦しい生活を余儀なくされました。

明治に入り、政府は蝦夷地を統治下に置き、北海道と改称し、大規模な移住による開拓を進めました。近代的な土地所有制度の導入により、アイヌの人々は狩猟などの場を失っていき、さらには民族独自の文化の制限・禁止が、アイヌ語を話す機会の減少につながり、その文化は失われる寸前になりました。多数の和人の移住はアイヌの人々を被支配的立場に追い込み、さまざまな局面で差別の対象になっていきました。

明治半ばになると、政府はアイヌの人々の厳しい生活状況の改善を目的として、明治32(1899)年に「北海道旧土人保護法」を施行しましたが、あらゆる面で十分な改善に至りませんでした。

※その後の動きについては下表を参照ください。

現状と課題

現在、アイヌの人々は、北海道を中心に日本中で暮らしています。近年ではアイヌの人々の生活状況は徐々に改善されてきていますが、道民・国民全体との格差は依然として大きいままです。また、「アイヌであると指摘され馬鹿にされた」「アイヌを理由に交際、結婚を断られた」など、今なお差別や人権侵害が存在している実態があります。

本市では人権施策基本方針において、アイヌの人々に対する偏見や差別意識の解消を図るとしており関係機関と協力し、教育啓発をする必要があるとしています。

アイヌの人々の人権問題は、北海道に住む人たちだけの問題ではありません。市民一人ひとりに関わることとして考えていきたいと思います。



特徴的な文様の衣服の製作風景

儀式や祭りで身につけた装飾品

近年におけるアイヌに関わる動き

  • 昭和63(1988)年
    • ウタリ問題懇話会が「北海道旧土人保護法」の廃止と「アイヌ新法( 仮称)」制定の必要性を答申
    • 知事・道議会・ウタリ協会の三者が一致して国に要請
  • 平成 9(1997)年
    • 「アイヌ文化の振興並びにアイヌの伝統等に関する知識の普及及び啓発に関する法律」制定
    • 「北海道旧土人保護法」、「旭川市旧土人保護地処分法」廃止
  • 平成20(2008)年
    • 「アイヌ民族を先住民とすることを求める決議」衆参両院で採択
  • 平成21(2009)年
    • アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会」が内閣官房長官に報告書を提出
  • 平成22(2010)年
    • 「アイヌ政策推進会議」開催

出典:「アイヌ民族を理解するために」
北海道環境生活部アイヌ政策推進室より一部抜粋