写真:対談のようす
対談場所:ホテルニューオータニ鳥取13階

特集
「人材」に光を当て、「食材」のPRを

エンジン02(ゼロツー)鳥取が、8月24日(土)、25日(日)の2日間にわたって開催されました。2日目には、豊かな自然に恵まれた鳥取市の食資源の可能性について、料理評論家の山本益博(やまもとますひろ)さんと竹内市長が語り合いました。

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美味い食材は全国どこにでもある

市長
昨年3月のエンジン01に続き、02で、「鳥取の食文化」は大きなテーマとして位置づけられました。松葉ガニや二十世紀梨、らっきょうをはじめ、しいたけや白ネギなど、鳥取には豊富な食資源がありますが、これらをどう評価しておられますか。
山本
鳥取には5回来させていただいていますが、「何で今まで来なかったかな」というくらいに来てみると、おいしいものが豊富にありますね。今年は蟹だけを食べに、仲間を8人くらい連れてきました。妻も「次は必ず行く」と申しています。
市長
これからの鳥取市の発展のために、鳥取の食資源や食文化を積極的に発信していく必要があると思います。そのためにどんなことをしていけばよいのでしょうか。
山本
実を言うと、日本中どこにでも優れた食材はあります。私もあちこちで「我が県はPR下手で、いいものがたくさんあるのにどうやって発信していいのかわからない。何かいい作戦を知らないか」と言われます。

食材を活かす人材のアピールを

山本
足りないのは人です。私は、料理から食材を活かす料理人の哲学が伝わってくると、その人が作っている場所へ飛んでいきたくなります。
 みなさんは、食材ばかりを発信したいと言われるのですが、おいしい料理には「食材」と「人材」の2つの「材」が必要だと思います。だから、人が関わっているということをもっとアピールしないと。「特産品があります」と言っても「日本中どこにでもあるじゃないか」と東京の人は考えます。
市長
食材と人材が組み合わさることで地域の本当の魅力が生まれるのですね。
山本
そうです。もう一つ、鳥取が近いというアピールをもっとしないと。私も鳥取は関西よりずっと遠いと思っていましたが、飛行機に乗ったら1時間15分。しかも、空港から短時間で鳥取市の中心に行けます。私がブログなどで鳥取のことを書くと、「行きたいけど遠い」というメッセージが返ってきます。関西の人が車で鳥取に来るよりも、羽田から飛行機で来る方がはるかに近いということを、まずPRすることが大切です。

料理人の「学会」をつくろう

市長
人材を育て、アピールするため、これからどんな取り組みが必要でしょうか。
山本
若い料理人たちは、やる気があるのにやり方がよく分からないまま、毎日一生懸命料理を作っています。なので、料理人も地域のネットワークを作るべきだと考えています。それも料理のジャンルを超えて。30~40代くらいまでの料理人が集い「自分はこの食材でこんな料理を考え出した、どう思う?」というような情報交換をする、いわば料理人の学会ですね。東京には、人材がたくさんいますがネットワークがありません。鳥取だからこそできると思います。そこで生まれた成果を東京の料理人に教えるくらいの気持ちでやってほしいです。
 そのネットワークづくりを行政が支援する。地元の食材を地元で消費する「地産地消」でなく、食材と人材を活かして外にアピールする「地産地活」を提案します。
市長
ものと人とが組み合わされて、本当に発展でき、よいものがアピールできる。だから「地産地活」なのですね。大変重要な示唆を与えていただいたと思います。

「文化的衝撃」を共有したい

市長
エンジン01文化戦略会議の活動を通じて市民とふれあうことについて、どのようにお考えですか。
山本
初めての場所で、地元のみなさんと非常に密接なコンタクトがとれる。我々にとってここが、この取り組みの醍醐味です。僕らは、ボランティアや実行委員会のみなさんなど、地域のまとまりが生み出すパワーに接し、「地方だって凄いじゃないか」と学びます。本当に素晴らしい機会をいただいています。
 一方、メディアでしか知りえない人が、目の前にやってきて交流を深めてくれる。著名人に会って直に話を聞くと、生の言葉がグサリとハートに突き刺さる「文化的衝撃」をみなさんに与えると思います。お互いにとってこんな贅沢なことはないのではないでしょうか。一度味わってしまうと、「また来てほしい」と言ってくだされば「こちらもぜひ伺いたい」となります。
市長
大変うれしいお言葉です。エンジン03もぜひ計画したいと思います。
山本
そうですね。同じ「食」でも「職」をテーマにされたら、人がもっと前面に出て、とてもバラエティがあるのではないかなと思います。鳥取の人の魅力が、エンジン01の活動を通じて、東京からやってくる我々とぶつかると面白いと思います。
市長
確かに料理は人が作るもの、人材の重要性を位置づけ、鳥取の食文化を発信する取り組みを鳥取市も大いに進めてていきたいと思います。

※対談内容は要約しています

山本益博 氏
料理評論家

東京都台東区元浅草生まれ。1982年「東京・味のグランプリ200」を講談社より出版し、「料理評論家」という職業を確立。長年にわたるフランス料理を紹介する仕事が評価され、2001年にはフランス政府より「農事功労勲章シュヴァリエ」を受勲した。「美味しいものを食べるより、ものを美味しく食べる」をモットーに、食卓をともにする時間を楽しむ「食事会」や生産者を講師に招いての「食材塾」を開催。

エンジン02鳥取は、昨年3月に行われたエンジン01オープンカレッジin鳥取の成功を受け、エンジン02鳥取実行委員会を主催として行いました。