ヒストリーロードマップ(部分)

シリーズ
元気です 140

歴史と文化薫るまち
「霞の里 湖山」
湖山地区自治会
(まちづくり協議会)

ヒストリーロードマップ完成

写真

「全国都市緑化とっとりフェア」の主会場、湖山池公園の周辺には、多くの貴重な歴史と豊かな自然がある。今年春、その歴史スポットをルート化したマップが完成した。その名も「ヒストリーロードマップ」。このマップを作成した湖山地区自治会は、平成21年、鳥取市の協働のまちづくり推進計画に基づき、これまでの組織を改訂してまちづくり協議会を湖山地区自治会に一元化し設立。地区公民館を拠点として地域の歴史と文化を広める活動を中心に、さまざまな取り組みを積極的に行っている。

コミュニティ計画「歴史・風土をふまえたまちづくり」の一環として、3年前、地域の歴史を学ぼうと「湖山学講座」を開いた。その内容を小冊子にまとめ、地元の各家庭に配布。マップはそれをもとに作られた。会長の村山洋一(むらやまよういち)(75)さんは、「平安時代の歌人、和泉式部が故郷の湖山を「霞の里」と詠んだ。霞の里・湖山は地元の誇り、天神山城跡や湖山池などの歴史、文化を広くアピールしたい」と、力が入る。

湖山を知って!

歴史スポットを散策するルートを「ヒストリーロード」と名付け、清掃や案内板の設置など整備を進めている。湖山の史跡を巡るヒストリーロードマップは、天神山城跡や平安時代の歌人・和泉式部の胞衣塚(えなづか)と産水の井戸、相撲の尾車部屋ゆかりの地など9つのスポットを結ぶ3キロ弱の散策コースを紹介。緑化フェア来場者に湖山をPRしようとフェア会場近くにヒストリーロード案内所を設け、要望があれば湖山文化研究会の協力のもとガイドも行っている。

今年9月には、広島の旅行会社が緑化フェアツアーにこのヒストリーロード散策を組み込んだツアーを企画。湖山の自然も歴史も満喫できたと好評だった。

会長代行の山名恒雄(やまなつねお)さん(64)は、「地元の人も湖山がどういう所か知らない人が多い。地元の人はもちろん、よそから来た人にも湖山ってこういう所ですよということを伝えていきたい」と話す。

ヒストリーロードの看板作りなどをしているのは、地元の子どもたちに「徳さん」の愛称で親しまれている徳重重則(とくしげしげのり)さん(72)。徳重さんは、登校時の子どもたちの信号横断を毎朝見守っている。「子どもは地域の宝、地元を好きになってもらいたい」と柔らかい表情で話す。

地元に愛着と誇りを

天神山城は、15世紀から16世紀にかけておよそ100年間、久松山鳥取城に本拠を移すまで因幡の国の守護所、政治経済の中心だった。歴史的価値が高い天神山城跡を多くの人に知ってもらおうと、毎年祭りや集いを開催。今年は、緑化フェア期間中の10月12日に「天神山城跡フェスティバル」として盛大に行った。天神山城最後の城主は後に兵庫県香美町村岡区に移った藩主、山名豊国。この歴史的なつながりを地域間交流につなげようと2年前から村岡区と湖山地区の交流を図っている。

副会長でフェスティバルの実行委員長、田村薫司(たむらくんじ)さん(49)は、「湖山の歴史を子どもたちに伝えていきたい、黙っていても歴史文化の継承はできない、努力が必要です」と声高に話す。フェスティバルでは、村岡藩山名子供大名行列と湖山しゃんしゃん傘踊りクラブの子どもたち総勢100人ほどが金龍寺から天神山下の緑風高校までのおよそ1キロのコースを1時間ほど練り歩いた。「小さいころから地元の歴史文化を大切にし、愛着をもってもらう。子どもが故郷に帰ってきたくなるようなまちにしたい」自治会メンバーの願いだ。

事務局長で公民館の山根一美(やまねかずみ)館長(61)は、「ヒストリーロードを中心とした息の長い宣伝をしていきたい」と笑む。村山会長は、「活動の目的は地区民の幸せ。これからもみんなが笑顔で元気に暮らせるまちをめざした取り組みを行っていきたい」と決意を固める。

日本一の広さを誇る湖山池の伝説や天神山城跡の歴史など、霞の里・湖山の魅力の発信はこれからも続く。

天神山城跡の清掃
標高25メートルの天神山から緑化フェア会場と湖山池を展望