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元気です 141

丹精込めた
自慢の菊 開花!
鳥取秋芳会(とっとりしゅうほうかい)

喜寿を迎えた菊花展

今年で77回を数える伝統ある『鳥取大菊花展』。10月30日~11月5日まで樗谿(おうちだに)公園で開催された。主催の鳥取秋芳会の会員などが丹精込めて育てた見事な作品が会場いっぱいに並んだ。「人間だと77歳は喜寿。今年は特に力を入れて準備してきました」と熱く語るのは、菊作り歴50年の水田 允(みずたまこと)会長。今年は例年の1.5倍の600点近くが展示された。菊の種類も40種類以上で数え切れないほどという。色とりどりの菊の美しさに多くの人が魅了された。

今年の夏は猛暑で菊も熱中症のようにぐったりしたため、会員は毎日暑さ対策に奔走した。水やり、鉢カバー、それぞれ色々な工夫で乗り越えてきた。水田会長は「おかげで例年以上にいい仕上がりで菊花展を開催することができました」と安堵する。

水車小屋のある風景会員6人の作品を集めた初の合同作品
『水車小屋のある風景』

展示会は菊花展のメインの大菊花壇部門、崖から垂れ下がった木の枝をイメージした懸崖部門、造形部門など13部門あり、それぞれの部門ごとに優勝者を決めている。

仕立て方もさまざまで、『厚物3本仕立て』『ダルマ』『福助』、珍しいものでは、『盆栽仕立て』『杉仕立て』『ろうそく仕立て』、また1本の茎から130以上の大輪を咲かせる『千輪仕立て』などがある。

審査の基準は、花の色の冴え、葉の色つや、茎の太さなど。

総合優勝部門の鳥取県知事賞は、五重塔を中心にした大型作品を出品した田中昭男(たなかあきお)さん。「人生で最高の花を咲かせたと思っている」と喜ぶ。

大菊花壇部門の鳥取市長賞を受賞した森本幸也(もりもとゆきや)さんは、「1年間愛情込めて育ててきたかいがあった、手がかかるから飽きがこない」と朗らかに話す。

スタートは戦前

スタートは戦前前からスタート。平成16年の市町村合併で鳥取市のエリアが広がり仲間が増えたが、最近は会員の年齢も60~80歳代と高齢化が進み、会員数も減少。現在会員は14人だ。

大菊花壇菊花展のメイン「大菊花壇」

「菊作りに関心をもつ若い人がなかなかいないことが残念」と水田会長は去年から瑞穂小学校へ指導に出かけ、子どもたちに菊作りの楽しさを伝えている。また、宝木公民館でも福助クラブを8年前に立ち上げ、菊栽培の指導を行っている。目標は菊花展を毎年開催すること。そのためには会員の増加が必要だ。「まずは菊花展会場に来てもらい、菊の可愛さや美しさ、香りも実感して、1つでも作ってみようかなと思ってもらえたらうれしいです」と水田会長は切に願う。

秋芳会は年間を通じて会員相互の親睦や勉強会を行い、夏に栽培研修、秋に他県の菊花展の観賞に出かけている。

写真:ムードメーカーの俊ちゃん「菊作りは子どもを育てるようなもの!」

花の世話に夢中

「私は古株なんです」と話すのは、菊作り歴40年の佐伯博子(さえきひろこ)さん。「花が咲いた時もうれしいですが、育てる過程が一番楽しいです。挿し芽の時に、これからどういう風に作っていこうか構想を練るのが好き」と笑顔だ。

毎年土作りから行っている水田会長は、「菊づくりは土づくり!」と確信している。自分の思い通りに作ろうと思えば秋に落ち葉を集めてよい腐葉土を作るところから始めなければならない。土がよくないといい花はできない。「菊の魅力は美しさ、香り、成長していく喜び、何より自分が作って咲いたという喜び、菊花展でたくさんの人に喜んでいただくのも喜び。育てるのは大変ですが、喜びのほうが大きいです」と実感している。菊花展が終わると、会員はもう来年の作品を考え始める。土作りなど冬の間の作業も欠かさない。

今年の鳥取大菊花展には去年より多い来場者が訪れ、好評のうちに幕を閉じた。期間中に何度も足を運んでくれる人がいることや、「来年も楽しみにしています」というお客さんの声が会員の励みになっている。

「これからも人々に喜んでもらえるような菊花展を開催していきたい」と水田会長は思いを語る。会員一人ひとりの愛情がたっぷり注がれた菊たち、来年もまた秋空のもと輝く。