鳥取市の発展と商工業の振興に向けて

新年明けましておめでとうございます。

昨年11月、鳥取商工会議所の会頭に就任された藤縄匡伸(ふじなわまさのぶ)さんと竹内功鳥取市長が、鳥取市の発展のために取り組むべき課題について語り合いました。雇用確保や若者定住、観光振興などの施策について、それぞれの持論を展開。お互いの連携を強化することを確認しました。

問い合わせ第二庁舎経済・雇用戦略課  電話0857-20-3249
対談の様子
対談場所:鳥取商工会議所(本町三丁目)応接室

雇用を確保し、鳥取の元気を支える

竹内

新年明けましておめでとうございます。まず、会頭から鳥取市の発展に関するお考えをお話しいただけませんか。

藤縄

商工会議所の会員である会社のみなさんが元気になってもらうことを前提に、「鳥取の元気」をめざして頑張っていきたいと思います。我々のミッションは、「政策提言」「中小企業の活力強化」「地域経済の活性化」の3つです。

行政とも一緒になり「鳥取の元気」という目的に進んでいきたいです。抽象的かもしれませんが、産学官連携をさらに深めて、実効性のある形で進めていきたいと思います。

竹内

産学官連携をぜひよろしくお願いします。

さて、共通の関心事は、やはり経済・雇用です。県内の有効求人倍率は昨年10月時点で0.94まで向上しましたが、これからも地元の雇用を最重要課題として力を入れていきたいと思います。商工会議所の取り組みや、市に対する期待などはいかがでしょうか

藤縄会頭
藤縄

商工会議所が、150社を対象に行った、昨年7~9月の景気動向調査では、売上高が全業種で7年ぶりに高い前年比を示しました。その勢いが今年につながれば、かなり期待が持てる年になると思います。

ただ、一番心配しているのは少子高齢化です。30年後の県内人口が44万人になるという推計が出ています。そうなると就業人口が減り、購買力も減る。ますます鳥取の元気とは逆行する可能性があります。人口減にどう歯止めをかけるのか。流入人口と定住者を増やすことを考えないといけません。

流入人口を増やすのは、具体的には観光、そして学生です。定住者を増やすには、企業誘致とU・J・Iターンを促進する。その方法を公と連携しながら考えていくべきです。

竹内市長
竹内

企業誘致は新たに雇用を生み出すのに非常に有効です。昨年は、三洋電機の工場跡地に源吉兆庵の進出が決まりました。予定されている雇用は330人と、製造業としては平成以降で最も大きい規模です。

藤縄

商工会議所としては、大型小売店の進出を防いでいただき、大変ありがたく思います。一番の理想は、下請けに波及できるような製造業に来ていただくことですね。そこにもお気をとめていただくことをお願いします。

竹内

その点は十分留意しています。誘致企業については、永続的・持続的な発展が見込めるのかも重要です。地域の産業構造への波及効果を考えながら取り組みたいと思います。商工会議所の会員企業のみなさんにも地元雇用を増やすような大活躍を期待していますが、見通しはいかがでしょう。

藤縄

景気回復の兆しは出ています。雇用面でもよい結果につながると思いますが、例えば起業される方へのサポート体制も考えていただきたいとも思います。

竹内

市も補助や融資を含め、起業の支援を実施したいです。

同時に、政府がベースアップを促しており、我々も個人消費が地域の活力の大部分を占めると思います。経済界のみなさんにはぜひ賃金水準を上げていただく努力をお願いしたいです。

藤縄

従業員は大切なので、何とか給料を増やしてあげたい。景気がよくなり、売り上げや利益が伸びれば、給料は上げられる環境になります。ただ、定期昇給やベースアップを行いますと、下げるのが難しくなります。年間の従業員の所得を増やす手だてとしてボーナス、一時金がありますので、成績に応じてボーナスで対応していくという動きがまず出るでしょう。鳥取は今年あたりから改善に向かうのではないでしょうか。

竹内

なるほど。期待を寄せているみなさんも多いと思いますし、それが商業、小売の分野での大きなプラスにもなると思います。

藤縄

そうですね。個人消費が上向くのは、景気の支えになりますので、総論は賛成です。竹内 雇用を増やす努力が、若者定住や人口増につながります。そこに力を入れていこうという考えは一致していますね。

しゃんしゃん一斉踊り
鳥取しゃんしゃん祭は、今年で記念すべき50回目を迎える

交通網を整備し、流入人口を増やす

竹内

会頭は、以前から山陰海岸ジオパークの推進に力を入れておられます。観光は非常に可能性の高い産業分野なので、滞在型観光も含め、市全体の観光資源をもっと活かす必要があると思います。

藤縄

発信が不十分で、宝の持ち腐れになっているところがたくさんあります。また、県と市、そして民間も頑張っていますが、どこかバラバラだと感じます。連携を深めながら、効率的に観光の振興に取り組めないでしょうか。

また、「煮えたら食わあ」をやめて、市民一人ひとりが「自分で取り組んでいく」という気概を持ってほしいと思います。

竹内

観光については、山陰海岸ジオパークなどで県境を越えた連携も深めております。全体の資源を上手につなぎ合わせて、地域全体の魅力をアップしていかなければならないと思います。

藤縄

例えば、岩美町はジオパークの取り組みにすごく熱心ですし、智頭町の試みも面白いものがたくさんあります。どんどん広がっていけば、鳥取の観光をもう一段飛躍できる気がします。

賑わう砂の美術館
山陰海岸ジオパークの拠点施設『砂の美術館』
竹内

今年3月30日からの東京便5便化という、とてもうれしいニュースがありました。これは、商工会議所をはじめ、県、市を挙げて取り組んできたテーマです。これから、積極的な利用促進運動により、利用者を増やしていかなければいけませんね。

藤縄

そうですね。2年というのが気がかりです。できるだけ商工会議所も努力したいと思います。

昨年、京都府宮津市に行きましたが、宮津道路が開通すれば、宮津の人は鳥取空港まで来るとおっしゃっています。2時間程度かかりますが、関西の空港よりも便利だそうです。道路をもっと早く整備していただければ、効果が出てくるのではないでしょうか。

竹内

道路整備は急速に進んでいます。高速道路のネットワークを広げ、鳥取から短時間で広範囲に到達できるようにしていくことが、経済・文化交流の発展になります。

他にも、鳥取港から隠岐島への就航や、クルーズ客船の寄港を増やすことなども課題です。鉄道では山陰新幹線構想があり、私は会長として強くお願いをしています。観光の取り組みには、交通基盤の整備が不可欠です。

藤縄

新幹線は本当に夢ですね。

空港と港がこれだけ近いというのは全国にもないと思います。観光面でもタイアップできるし、物流面でもかなり有利です。鳥取港は、水深や堤防、金銭面の問題もありますが、鳥取港のあり方を、経済、観光の両面からご検討いただきたいですね。

竹内

利用を拡大したいのですが、鳥取港の管理運営は県なので、整備には国や県の取り組みが必要です。

写真
昨年9月4日に避難勧告が発令された福部町内

安全・安心な暮らしを支える施策を

竹内

市民の安全・安心の確保は今年の大きなテーマです。医療・福祉分野の人材育成のため、大阪滋慶学園の医療・看護専門学校を鳥取駅の近くに誘致しました。学校は平成27年4月に開校する予定です。後期高齢者の人口は、2025年以降大きく増えると言われており、現在および将来のために医療・福祉の体制の整備が重要です。

藤縄

医療・看護専門学校は大歓迎です。流入人口、学生を増やすことはすごくいいことですし、医療体制の充実は今後必要だと思います。環境大学も、公立化によってかなり学生が増えましたね。

写真
鳥取市消防出初式で活躍する地域のみなさん
竹内

環境大学では、公立化後、あと2年間は学生が増えていきます。加えて、1学年の定員が200人になる医療・看護の専門学校が開校すれば、若者の定住や地元就職の可能性が大きく広がると喜んでいます。

一方で、昨年本市は、大雨による水害に見舞われました。また、全国的に地震対策が求められています。安全・安心な暮らしのために、防災体制を一層引き締めていく必要がありますね。

藤縄

安全・安心と言いますと、鳥取は台風が来そうで来ない。一説では、かなりの期間、大地震が起きないと言われています。企業もこのことは意識しておられるので、民間のレベルでも発信したらどうかと思っています。

竹内

地震の確率は数値で出ています。しかし、これはあくまで確率であり、大地震の可能性はゼロではありません。台風以外にもゲリラ豪雨などがあり、備えは必要です。その中で、市庁舎整備は緊急に実施すべき重要な事案です。また、各地域の消防団や自主防災会など、地域の組織がもっと活動しやすいようにしたいと思います。

鳥取市の発展に向け、夢を語ろう

藤縄匡伸(ふじなわまさのぶ)さん (71)

昭和17年1月3日生まれ。河原町出身。

平成8年6月に三菱石油株式会社取締役販売担当就任。

平成11年4月には、日石三菱株式会社(現JX日鉱日石エネルギー(株))取締役東京支店長に就任。

平成15年に鳥取市にUターン。平成17年9月に日ノ丸産業株式会社代表取締役社長に就任。

平成25年11月、鳥取商工会議所会頭に就任。

竹内

鳥取市が持つさまざまな可能性を花開かせるようにしたいものですが、会頭の夢は何ですか。

藤縄

鳥取駅前に砂時計を作りたいです。砂丘の砂で世界一の砂時計を作れば、観光客に喜んでいただけるのではないでしょうか。技術的に難しい面もありますが、駅前の花時計にらっきょうの花を植えてもらえると、観光面ではよいPRになります。映画館や美術館などについても、夢を実現してほしいですね。何年か後には、鳥取市が人でごった返しているようなまちになってほしいと思います。

竹内

今後は、県内に限らず、中四国や近畿などにネットワークを広げながら、本市の魅力を高め、人を呼び込むことが重要です。また、ロシアや中国、韓国など、世界の国々に開かれた地域であることにより、多くの外国人を受け入れたり、本市の文化を世界に発信をしたりして、新しいチャンスを見つけていく。そのような展開を考えていきたいものです。

市民のみなさんがもっと地域に自信と誇りを持って、鳥取市を拠点に国内外へ羽ばたく。そのような時代を早く実現したいものです。

※対談内容は要約しています。
対談の模様は、いなばぴょんぴょんネット(12ch)で放送。
日時:1月1日(水)~4日(土)10:00~、14:00~、17:00~

※1日のみ12:00~、20:00~も放送

シリーズ第1回

鳥取市の誘致企業を紹介します!!

問い合わせ第二庁舎企業立地・支援課  電話0857-20-3223

シティコンピュータ株式会社 鳥取支社


代表取締役
川原 純行(かわはらすみゆき) さん

平成25年7月に鳥取市で業務を開始しました。国内では4拠点目(国外3拠点)となります。進出の決め手となったのは、鳥取市は地震発生の可能性が低い地域であることや同業種の求人が少ないため優秀な人材の確保が期待できることがありました。また、交通面でも、鳥取自動車道の全線開通により、他拠点からもアクセスが便利になったところにも魅力を感じました。実際に働かれている社員は優秀な人材も多く、今後ますますの発展を期待できると感じております。現在はデータ入力、事務処理代行、書類の電子化業務等を鳥取で行っておりますが、今後は、政府が進める子育て世代の女性の就業や障がい者就労支援として、在宅での業務にも力をいれていきたいと思っております。


社内のようす
所在地鳥取市千代水1-100 10階
従業員数33人(全体880人)
業務内容データ入力、事務処理代行、翻訳作業、書類の電子化、人材派遣、システム運用・保守、医科調剤システムの販売・サポート

アロイ工業株会社 鳥取工場


代表取締役会長
下井谷 良信(しもいたによしのぶ) さん

平成25年11月1日に河原町布袋に当社のリチウムイオン二次電池の生産拠点を構える事となりました。これからのスマートエネルギーの中核を支える事の出来る可能性を秘めた電池産業をこの鳥取の地で鳥取市と共に成長を続けて行きたいと願っています。

鳥取工場を構成する社員は、鳥取市及び周辺町村から人材を採用させていただき、約50人体制でスタートしました。3~5年後には120人体制で事業を展開していくことを目指しています。

他社にはない、高出力 低価格の商品づくりと小回りのきく生産体制で事業を成功させ、鳥取を“リチウムイオン電池の街”とする大きな夢を現実のものとしたいと思います。


鳥取工場社屋
所在地鳥取市河原町布袋525-2
従業員数50人(全体90人)
業務内容リチウムイオン二次電池製造販売

リチウムイオン二次電池

大容量、薄くて軽いリチウムイオン二次電池です。色々な商品への搭載が可能です。