平成28年度の河川と池の水質について

水質の状況

　国と鳥取県及び本市は、鳥取県が毎年作成する「公共用水域及び地下水の水質測定計画」に基づき、平成28年度の公共用水域の汚濁の状況を調査しました。その結果、健康項目について、塩見川の細川でホウ素が環境基準を超過しましたが、これは海水の影響によるものと考えられます。それ以外の項目では、全ての地点で環境基準に適合していました。河川、池の汚れの指標となっていますBOD、CODで、各河川及び池の水質を比較すると次のとおりでした。

【千代川】

　千代川は、有富川との合流点から上流は類型AA（BOD1mg/L以下）、下流は類型A（BOD2mg/L以下）の環境基準があてはめられています。市内の6地点のBOD(75%値)は、 0.9～1.2mg/Lとなっており一部で環境基準を超過しましたが、経年的にみると、同程度の水質で推移しています。

【袋川と新袋川】

　袋川は、4地点でBOD 0.8～1.6mg/L、新袋川は、3地点でBOD 0.9～1.0mg/Lとなっており、経年的にみると、同程度の水質で推移しています。袋川の流入河川は、天神川でBOD 0.9mg/L、山白川でBOD 1.0mg/L、狐川でBOD 1.4mg/Lとなっており、経年的にみると、同程度の水質で推移しています。

【湖山池周辺河川】

　湖山池に流入する主な河川のうち、湖山川（金沢橋）でBOD 0.7mg/L、枝川（松原橋）でBOD 0.7mg/L、三山口川（高住）でBOD 1.1mg/L、福井川（福井）でBOD 0.7mg/となっており、経年的にみると、同程度の水質で推移しています。湖山池からの流出河川は湖山川だけであり、その水質は、湖山川（賀露南大橋、湖山橋）でBOD 2.3～4.4mg/Lとなっており、流入河川に比べて高くなっています。これは、湖山池の水質が汚濁していることや、湖山川流域の下水道未接続の家庭や事業所からの排水がこの河川に流れ込んでいる影響と考えられます。

【塩見川】

　塩見川は、3地点でBOD 0.9～2.0mg/Lとなっており、経年的にみても、同程度の水質で推移しています。

【河内川】

　河内川は、3地点でBOD 0.9～1.1mg/Lとなっており、経年的にみても、同程度の水質で推移しています。

【勝部川、日置川】

　勝部川は、2地点でBOD 0.7～1.2mg/Lとなっており、経年的にみると、同程度の水質で推移しています。日置川は、1地点でBOD 6.3mg/Lとなっており、勝部川に比べ数値が高くなっています。これは、上流に製紙工場が立地していることが大きな原因と考えられます。

【千代川の流入河川】

　流入河川のうち、佐治川でBOD 0.7mg/L、八東川でBOD 0.7mg/L、砂見川でBOD 0.7mg/L、有富川でBOD 0.7mg/L、大路川でBOD 1.2mg/L、野坂川でBOD 1.0mg/Lとなっており、経年的にみても、同程度の水質で推移しています。

【湖山池】

　湖山池は、湖沼類型A（COD3mg/L以下）及び湖沼類型（窒素 0.4mg/L、リン0.03mg/L以下）の環境基準が定められています。第3期湖山池水質管理計画において、目標値（平成33年度までにCOD5.5mg/L以下、全窒素0.60mg/L以下、全リン0.066mg/L以下）を定め、段階的な水質の改善に向けて取り組みを進めています。

　4地点の水質は、COD（75％値）4.9～5.9mg/Lとなっており、目標値の達成まであと少しというレベルまで水質が改善しています。また、赤潮等の発生の因子である全窒素、全リンについては、全窒素の上層の年平均値が0.65～0.68mg/L、全リンの上層の年平均値が0.088～0.093mg/Lとなっており、目標値達成に向けて改善が見られています。

塩化物イオン濃度（Cl-）の全層の年平均値については、湖山池将来ビジョンに基づく目標値（2000～5000mg/L）の範囲内である2,800～3,100mg/Lとなっています。