シリーズ
元気です

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気高を芸術の
まちにしたい!

写真:部員メンバー

代表 荒尾 極(あらお きわむ)さん
荒尾 純子(あらお じゅんこ)さん

芸術活動に適した環境


短編映画「ようこそ浜村へ」の撮影風景

一昨年8月、気高町を舞台にした短編映画の撮影が行われました。この撮影は、若手芸術家の有志で設立した「気高芸術のまちづくり委員会」が気高町総合支所や観光協会、商工会などと連携しながらロケ地誘致活動を行い、多くの地元住民もエキストラや炊き出しボランティアとして協力し実現しました。

気高芸術のまちづくり委員会は平成24年8月に設立。委員会立ち上げの中心となったのは、大阪からIターンした荒尾極さんと妻の純子さんです。極さんはシナリオ作りや映像プロデュース、純子さんは立体アニメーション制作と、映像関係の活動を大阪で行っていました。

極さんの父が気高町出身で、夏休みなどには帰省することもあり、「日本海や鷲峰山、温泉街など、映像を撮るのに恵まれた場所が周りにたくさんある」と感じた極さん。「ここにアーティストが集まる空間を作りたい」と考え、実家が空いていたこともあって、平成23年、ここ気高町に移り住みました。

ことるり舎の創設


芸術活動の拠点となる「ことるり舎」

芸術活動の拠点を作るため、委員会は、市の「輝く中山間地域創出モデル事業」を活用して浜村温泉街の中心にある空き家を改修し、昨年3月に「ことるり舎」をオープンさせました。これに併せて、団体名も「気高芸術のまちづくり委員会」から「ことるり舎」に改名しました。

「ことるり」は純子さんの大学時代の同級生でもあるメンバーが考えた造語で、核や心臓を意味するラテン語の「こる」と鳥取の「とり」を組み合わせました。「鳥取市の鳥が『オオルリ』で韻もいい!」と極さんは話します。。

映画の地産地消

昨年5月には「浜村温泉湯けむり映画塾」を開塾。塾には映画の勉強をしたい人や映画作りの素人が集まり、映画を1本作ることを目標に、映画監督や作家を講師として招き、映画づくりを学びました。


浜村温泉映画祭には地元の人も多く参加しました

塾の中で受講生が一から企画した短編映画「ようこそ浜村へ」は、学生や地元の協力もあり、試行錯誤を繰り返しながら半年かけて制作しました。「全くの素人が初めて一から作ったものなので、出来としては人に見せられるかどうか」と話す極さんですが、「作ることが第一歩という意味で成功、とてもいい作品だった」と映画が完成したことを喜びました。映画は昨年11月2日・3日に開催された「浜村温泉映画祭」で上映され、協力した地元の人も観覧し、映画祭は大いに盛り上がりました。

映画祭に出席した塾のメイン講師、中島貞夫さんからは「日本一小さい映画祭だ」と評価されました。小さいながらも和気あいあいとした映画祭に、純子さんも「地域の人が喜んでくれたのが良かったし、地元で作って地元で上映したからこそ、作る側も見る側も楽しいっていう関係ができた」と語ってくれました。

映画祭はこれからも続けていきたいと極さんは考えていて、「2、3年後くらいには、今のメンバーでプロに負けないくらいの作品を作りたい」と高い目標を掲げます。

地域の人が集まる場所に

これまでの3年間、駆け足で進んできた2人、極さんは「ベースとなる形はできつつあるし、自分たちのできることを余裕をもって集中してやっていく」と考えています。

アートスペース「ことるり舎」も芸術活動が発表できる場として改修が進められています。「芸術家も集まるけど、地域の人が顔を出してくれることが増えたので、気楽に寄れる地域のコミュニティスペースになればいい」と話すのは極さん。「物を作る場所としてことるり舎をもっと使ってもらいたいし、高校生くらいまでの若い人たちにここでの楽しみを見つけてもらい、それをここでやってほしい」と、純子さんは夢を語ります。

ことるり舎の活動はまだ始まったばかり。今後が楽しみです。