天文セミナー 第113回
『朔旦冬至』『日照権』
11月に入ったばかりなのに冬至とは、気の早いものと思われるでしょうね。そうです、冬至は現在では12月の21日頃に決まっていて、今年2006年は12月22日です。この日は、太陽の地平線からの高度が最も低く、したがって昼間の時間が最も短い日として知られていますね。現在ほど高度な精密観測ができなかった昔。昔と言っても明治以前の頃のことですが、当時使われていた暦は太陰太陽暦。月の満ち欠けを基準にして、太陽の位置関係を考えに入れた暦でした。この暦の作成に当たっていたのが、幕府天文方。当時の天文学の権威でした。幕末になると、当時の江戸浅草に天文台を設けて、日夜天体の観測に励んだのでした。その天文方の中で最も傑出した人物が高橋至時。この高橋至時の門下で活躍したのが9月に登場した伊能忠敬でした。 |
日照権。何となく聞いたことがあるような言葉ですね。1972(昭和47)年6月27日違法建築の隣家によって日照を奪われた問題で、最高裁は「日照権と通風権が法的に保護するのに値する」という初めての判決を行いました。それ以来、日照権が確立し、法的な保護が与えられるようになりったとの事です。そして、この判決が出された日、6月27日を日照権の日として、憲法25条で保証する健康で文化的な生活を営む為に太陽の光を享受する権利を守ろうと決められたのでした。 |
次回も、お楽しみに |