天文セミナー 第109回
『てんびん座』『冥王星』
日本の7月は、ちょうど梅雨時。毎日、うっとうしい日が続きます。それでも、梅雨の晴れ間の夜空に見る星々の光は、一時の気持ちの安らぎをもたらします。降雨によって空気中の埃が洗い流され、星の光を妨げるものがなくなり、透明度が増したからです。 |
水金地火木土天海冥。小学校の高学年で習う太陽系の惑星を、太陽に近い順に並べたものですね。そして、毎日、何気なく使っている曜日、つまり七曜はこの惑星の名前に由来することは一目でわかりますね。そうです、昔の人は地球は動かないと感じていて、天球が1日に1回回転すると考えました。天動説です。そして、太陽、月、火星、水星、木星、金星、土星、を並べて曜日に当てはめたのでした。そして、その時までは土星が太陽系の最も遠くにあると考えられていました。1781年にイギリスの天文学者、ウイリアム・ハーシェルが土星の外側に天王星を発見、1846年には海王星がルベリエ、アダムス、ガルレの3人の天文学者によって発見されました。こうして、太陽系がどんどん大きく広がって来たのでした。そして、1930年に海王星の外側にも1個の天体が、アメリカのフラッグスタッフにあるローエル天文台のトンボウによって発見され、黄泉の国の王”PLUTOにちなんでPLUTOと名づけられました。この名前はローエル天文台の創始者、パーシバル・ローエルの頭文字でもあったのです。この天体の和名を提案したのは星の文学者として有名な故・野尻抱影氏でした。こうして、新しい惑星に”冥王星”と言う和名がつけられたのです。そして、この冥王星という名前は日本だけではなく中国や韓国などの漢字の国でも使われています。 |
次回も、お楽しみに |