天文セミナー 第76回
『中秋の名月と十三夜』『月の距離(レーザー測距)II』
今年の中秋の名月は9月11日でした。もう過ぎてしまったのに、何を今更と思わないでください。日本人の繊細な感覚は、中秋の名月だけに止まらないのですから。
さて、名月も過ぎましたが満月の別名を調べてみると「望月(もちづき)」、「三五月(もちづき、3x5=15)」。三五月と読ませているのは柿本人麻呂。「万葉集」巻2、挽歌196番に |
前回書きましたように、レーザー光線を使って月までの距離を詳しく観測しようという試みが先ず実行に移されたのは、アメリカのアリゾナにあるマクドナルド天文台でした。
日本でも、この計画に当時の東京天文台が1970年代に月レーザー測距儀を開発し参加しました。埼玉県にあった堂平観測所で日夜観測のための努力が積み重ねられ、この結果月に向かって発射されたレーザー光線が月面に置かれた反射器によって反射された光を捉えることに成功したのです。光の粒子、つまりホトンの数で数えるほどの証拠でしたが観測は成功し、以後反射器が機能しなくなるまで続けられ、さらに人工衛星の軌道決定にも使われてきました。
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次回も、お楽しみに |