天文セミナー 第68回
『人工衛星』『名付け親の楽しみ』
先月述べたように、人工衛星が夜空を過ぎるようになると、多くの人々の関心が高まります。世間の関心とは別に、科学的な観測も重要な要素です。何しろ、人類史上初めての人工天体誕生なのですから。その軌道を詳しく解析し、地球の物理学をより発展させなくてはなりません。これが、国際地球観測年のもっとも重要なテーマなのですから。
ところが、この観測がとても大変でした。何しろ、予報は可能だといっても、予報の基礎になる観測の精度が良くないのです。そこで、世界中のアマチュア天文家に呼びかけて、人工衛星観測網、いわゆるネット・ワークが作られたのです。ネット・ワークを組織した班組織の構成員の数はおよそ10から15名。この人たちの観測から、人工衛星の軌道がある程度の精度で決められるようになったのでした。 |
英語の「God Father」。辞書を見ると、「名付け親。キリスト教で男の子の洗礼式でクリスチャン名をつける時、その子の将来の信仰に対しての保証をする役目を負う、男の名付け親。教父。そして、さらにはアメリカのマフィアの首領」と書かれています。キリストに対する信仰の保証人とマフィアの首領。なんとも不思議な組み合わせですね。
佐治天文台は、すでに5個の小惑星の名付け親であり、さらに候補が3個。そして、今この文章を書いている私は87個の小惑星の名付け親であると同時に金星の2個のクレーターにも「奇稲田姫」と「カムイフチ」という名前を付けた名付け親です。
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2003年2月の星空 |
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次回も、お楽しみに |