天文セミナー 第60回
『金環日食』『五月雨と夏至』
毎日お世話になるのがカレンダー。このカレンダーには、何曜日かを示す曜日が記載されています。数えて見るまでもなく日、月、火、水、木、金、土の七日毎の繰り返しです。この曜日は言うまでもなく、太古の昔から慣れ親しんできた太陽と月、そして5個の惑星たちが当てられています。これが七曜。そしてこの七曜に羅喉(らご)と計都(けと)の二つを加えて九曜と呼ばれていることはご存知でしょうか。
さらに、月も地球の周りの楕円形の軌道を運動していますので、見かけの大きさも変わります。この2つの天体の距離の差が、見かけの大きさの変化となって皆既や金環の日食を起こすのです。大雑把なことを言いますと、7月前後に起きる日食は皆既食が多く、1月前後の日食は金環食が多いことになります。ところが、今月の日食は金環食です。詳しく調べると、日食の中心では太陽の99%が隠されるのです。もしかすると、太陽の縁から噴出すようにプロミネンスが見えるかもしれませんね。 |
五月雨を 集めて早し 最上川 松尾芭蕉
ところで、ヨーロッパなどには梅雨はありません。特に北欧では、燦燦と降り注ぐ日光を全身に受け、太陽を満喫します。そして、夏至祭。森の中では、ロビンフッドや妖精たちが思う存分動き回ります。日本とヨーロッパの森を比べると、面白いことに気づきます。日本の森は尾根続きで、尾根を下ると谷川に出ます。谷川を下っていくと必ず人家があります。つまり、森は川に向かって下るようになっているのです。ところが、ヨーロッパの森はほぼ平坦で、わずかな上下が続きます。一度迷うと、大変です。森の外に出られなくなる心配があるのです。 |
次回も、お楽しみに |