このページではJavaScriptを使用しています。

自治力を高めていくために

 前回は初回ということもあり、4月当初離陸時のあわただしい状況もふまえ、「自治力をつけていくために、参画と言葉かけをセットにして雰囲気づくりをしていく」という、主に管理職・担任教師サイドの指導のアイデアについてお届けしました。
 そこで今回は、学校・学級が離陸時の急上昇から水平飛行に移る場面を想定して、教育を受ける教職員・児童生徒サイドに軸足をおき、「どうしたら自治力をつけていけるか」について話をすすめてみたいと思います。

 

 結論を先に言うと、

  教職員・児童生徒が自治力をつけ高めていくためには、これまで以上に自己決定の場面を

  増やすことが必要

だということです。
 「子供を不幸にするいちばん確実な方法はなにか。それはいつでもなんでも手に入れられるようにしてやることだ」とは、ルソーの教育論「エミール」の一節だそうです。確かに教師がよかれと思って手(口)を出せば出すほど、子供たちは自分で考えたり判断したり解決したりする時間や場面を奪ってしまいますから、結果いつまでたっても力がつかないということになります。授業も同じです。そもそも授業は子供たちが力をつけるためにあるはずなのに、教師が一方的にしゃべり続ける授業が延々と行われるのであれば、子供たちにとってこれほど不幸なことはありません。つまり、子供たちに力を付けるためには、これまで以上に自己決定(自らの意志と責任で主体的に思考・判断・決定・解決する)場面を経験させるとともに、教師は子供たちに任せ、見守り、待つ姿勢が必要だということです。そうしなければ、自治力はもちろんのこと本市の教育課題「学力向上」と「不適応の解消」はかなり手強いものになるでしょう。
 ここまで示してきて、そういえば、ずいぶん以前から、こうした自己決定の必要性を採り上げた名文があることを思い出しました。今や教育の目的にもなりつつある、「生きる力」を定義づけた中央教育審議会答申です。 

  我々はこれからの子供たちに必要となるのは、いかに社会が変化しようと、自分で課題を見つ

 け、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、行動し、よりよく問題を解決する資質や能力であり、

 また、自らを律しつつ、他人とともに協調し、他人を思いやる心や感動する心など、豊かな人間性

 であると考えた。たくましく生きるための健康や体力が不可欠であることは言うまでもない。我々

 は、こうした資質や能力を、変化の激しいこれからの社会を[生きる力]と称することとし、これらを

 バランスよくはぐくんでいくことが重要であると考えた。

               1996年中央教育審議会答申「21世紀を展望した我が国の教育の在り方について」より抜粋

この「生きる力」が打ち出されてから、実に20年近くが経過しています。この間我々教師は、子供たちに「生きる力」をつけようと必死になってきました。その結果ある程度の達成感はあるものの、満足いく成果が現れているとは言い難いと思っています。それは、一つには「自ら」を繰り返し用い、教えられる(子供)側に立った表現に、教師の意識が転換していかなかっからではないかと思います。そしてもう一つは、「生きる力」を身につけていく過程で決して欠かすことのできない「集団の力を利用する視点」が十分ではなかったからだと思います。
 自治力はそう簡単につく力ではありません。一人でつける力ではないからです。しかも、集団づくりの結構高いハードルを乗り越えなくてはつかない力です。しかし「自己決定の場面を増やし」つつ、同時進行で集団づくりにも取り組んでいくと、相乗作用で集団づくりのハードルは下がり、案外簡単に自治力の芽生えと高まりにつなげていけるのではないかと思います。決して今からでも遅くはありません。学校生活(授業、給食、掃除、委員会、部活等)はもとより、家庭生活(寝起き、食事、手伝い等)を含めた生活全般のあらゆる場面で、「自己決定の場面を増やす」取り組みをしていただけたら、子供(教師)たちはきっと「自ら」伸びていくことでしょう。
 

 次回は、「集団づくり」の具体的方略についてお届けします。



質問:このページの内容は参考になりましたか?
質問:このページの内容はわかりやすかったですか?
質問:このページは見つけやすかったですか?
質問:このページはどのようにしてたどり着きましたか?
-お問い合わせ-
教育委員会 学校教育課
電話0857-20-3366
FAX0857-29-0824
メールアドレスkyo-gakkou@city.tottori.tottori.jp
アクセスカウンタ