鳥取市

天文セミナー第218回(2015年8月)「名付け親の楽しみ。」第2回 ONTAKE登録日:

天文セミナー 第218回 『名付け親の楽しみ。』

第2回 ONTAKE

 (2330)Ontake=御岳=1977DS3     発見日:1977 Feb.18

 命名の由来:木曽御岳は、木曽観測所に近い標高3063mの円錘型火山で、,1979年10月に有史以来初めて噴火、さらに2014年(平成26年)再度噴火し多数の死者、負傷者を出した。また、山岳信仰の対象であると共に、登山やスキーを楽しむことのできる山岳として、広く一般に親しまれている。この木曽御岳にちなんで命名。尚、1979年の噴火までは死火山として扱われていたが、この時の噴火以来死火山、休火山の名称が無くされた。

 木曽御岳は、観測所の北西10数km程のところに有る火山で、観測に明け暮れしているときには朝な夕なその姿に接するのです。観測所を北側に下がる、つまり前回の樽沢の集落の方に下ると木曽ダム。そこに架かる橋を渡ると三岳村。三岳村の役場近くの黒沢の集落を左折すると御岳湖の岸に出ます。この道を辿ると御岳への登り口に至ります。御岳登山の基地とも言うべき場所が、田の原。山麓からのロープウエイの終点で大きな駐車場があります。この左方にあるのが御岳スキー場。

 冬の晴れた夜、観測室を出て御岳を見ると、そこには一際明るく光る燈火が見えます。御岳スキー場のナイター設備の燈火。それを、御岳一番星と称して、親しんだものでした。

 この御岳の麓に銀河村と称するロッジや自治体の休暇村があります。この中に、名古屋市の休暇村があり、名古屋市科学館主催の天文教室が毎年開催され、そこには館の山田卓さん、北原さんなどを始め館員の皆さんが講師として出席していました。話は遡りますが、この名古屋科学館が改築され望遠鏡も新調されることになり、ある日山田卓氏の訪問を受けました。望遠鏡の予算が付いたので新調しようと思うが・・・、とのこと。大きさ、タイプ、そして設置場所などです。即座に、私としては場所は現在地、望遠鏡はニュートン式で接眼部を筒の後部に向けて斜めに設置、場所を現在地にするのだから口径はできるだけ大きく、と。これらの総てが了承されて現在の(現在は、さらに改装されましたが)姿になったのです。大都会の中央にある大きなメリットを存分に生かして欲しいと言うのが私の願い。下駄履きで、一寸散歩に、という気分で市民に科学館に足を運んで貰いたい、との願いで、此は大成功。多くの市民に親しまれています。ところが、こんなに大きい望遠鏡でも何故よく見えないの、との疑問が発生、環境問題として市民に大きなインパクトが与えられたのです。もっと詳しくハッキリ見たい、との市民の希望で御岳山麓の休暇村に口径40cmの望遠鏡が新設されたのでした。

 御岳の名古屋の休暇村でのこと。夏のよく晴れた夜、屋外で星座教室が開かれ私も参加していました。頭上にはこと座のヴェガ、はくちょう座の十字架、そしてわし座のアルタイル。大きな三角形が見えます。目が暗闇に馴染むと、はくちょう座のデネブの近くにボンヤリとした光る物があります。さらによく見ると何と北アメリカ星雲。始めて肉眼で北アメリカ星雲を見たのです。この感激を、参加者の皆さんに伝え、みんなで感激したのでした。

 当時、流行っていたのが喜多郎に依って作曲された「シルクロード(しちゅうの道)」。この喜多郎のコンサートが河原で開かれ、故・山田卓氏と共に喜多郎氏と星空対談をしたのも忘れられません。この豊かな自然が、今回の噴火でどうなったか、気がかりです。

2015年8月の星空

(ここをクリックすると大きな画像になります)

2015年8月の星空です

 8月になりました。宵の明星として1月から夕方西空に見えていた金星が、8月16日に内合(太陽と地球の間を通過)し、以後は明け方東の空に見えるようになります。夕方が少しさびしくなりますね。星空の方は、頭の真上あたりに夏の大三角がやってきて、ずいぶんと賑やかになりました。中旬ごろは月明かりもなく、天の川を見るチャンスです。さそり座は沈むのが早くなりましたので、お早目に。

次回も、お楽しみに

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