鳥取市

天文セミナー第225回(2016年3月)「名付け親の楽しみ。」第9回 多島美登録日:

天文セミナー 第225回 『名付け親の楽しみ。』

第9回 多島美

No.12

(3392) Setouchi=瀬戸内=1979YB     発見日:1979 Dec.17

 命名の由来:筆者の郷里を含む”瀬戸内海国立公園”にちなみ命名。

よく知られて居る瀬戸内海。改めて紹介するまでもないとは思いますが、日本最初の国立公園で最大の面積を持ちます。20世紀の終わる頃、トルコを訪問しました。皆既日食を見るためです。日食が終わると、気の早い人は此で終わり、とばかり早々にトルコを離れ帰国につきます。私は、何としても少しでもトルコを知りたいと各地を尋ねることにしました。先ずはシルクロード。シルクロードは中国の西安から砂漠を
経ながら西に向かいます。その終点がトルコのイスタンブールです。途中の景色に触れたい、さらにシルクロードを歩いてみたいと、仲間と一緒にシルクロードを車で走りました。何処までも続くように感じる砂漠。ヒマワリ畑が続きます。途中に隊商宿が点在し、らくだを連ねた隊商が一休み。此所で、車のドライバーが聞かせてくれた音楽が、喜多郎作曲の「シルクロード」。トルコでも大流行でした。さらに、新約聖書の記事にある、聖パウロの足跡。当時を偲びながら、洞窟に描かれた聖画に見とれます。

 トルコの西側はエーゲ海。多島美の海でクルージングのメッカ。横目で見ながら聖書時代の遺跡を尋ねます。トロイには、シュリーマンが発掘したトロイ遺跡が残ります。前出のトロイ戦争の遺跡。シュリーマンの執念が見事に花を開いた場所。巨大なトロイの木馬が復元(?)されて目を見晴らせます。

 日本に帰って、自宅近くから眺める瀬戸内海。岡山県の牛窓は、目の前の瀬戸内海を「日本のエーゲ海」と称して売り出していました。よく考えると、牛窓は港町として昔から栄え、特に朝鮮通信使が来朝したときには必ず立ち寄る港町。当時の記録や、行事に使われた山車などが残されています。そして、牛窓港に接するヨットハーバーには多くのヨットが帆を下ろし、沖には白帆が波間を快走しています。そして、エーゲ海岸と同じように、オリーブの林が付近の山肌を覆います。なるほど、本物のエーゲ海を知らぬ人はきっと同じようだ、と考えるだろうな、と思ったのです。

 地中海のギリシャとトルコの間に広がるエーゲ海、日本の瀬戸内海。いずれも多くの島々が点在し、多くの文化を育ててきました。エーゲ海で見た夕日、瀬戸内で見る入り日。多くの島がシルエットで浮かびます。背景には、神話や物語があり、また東西交易の交通路として長く栄えてきた故事があります。 

 今でも、このエーゲ海と瀬戸内海、いずれも陸地に囲まれた内海。これらがオーバーラップして、脳裏を駆け巡ります。命名者の、気ままな独り言でした。

2016年3月の星空

(ここをクリックすると大きな画像になります)

2016年3月の星空です

 3月になりました。にぎやかだった冬の星たちが、いつの間にか真南から西の空に見られるようになりました。春も近いですね。冬の星たちが沈んでしまう前に、オリオン座を目印として冬の大三角などをたどっておきましょう。東の空に目をやると、ひときわ明るく輝く星が見つかります。この星は私たちの太陽系で最大の惑星・木星です。木星のあるあたりがしし座。いよいよ春の星たちの登場です。

次回も、お楽しみに

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