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「新年度の学級(学校)経営とかけて、水鉄砲と解く」その3

 

集団の現在地「あ・い・う・え・お」

あ:「りがとう」が子どもたち同士で自然に言い合えるように、その言い方を教える。

い:「つも」すること(ルーティンワークや学習・生活のルールなど)を教える。

う:「なずき」(聞き方、意思表示、「へーえ、なるほど」等反応の仕方)を教える。

え:「がお」など本音の表情を出すための方法を教える。

お:「と」や声の出し方を教える。

 

<「えがお」を教える>

 笑顔にはたくさんの種類がありますが、求めたい笑顔は、子どもらしい屈託のない笑顔であり、達成感のあるさわやかな笑顔、分かったときの知的な笑顔、友達を励ます笑顔等です。

 不思議なことに、こうした笑顔が多い学級(学校)には、幾つかの共通点があります。

 

声が大きい ・男女仲が良い ・給食を残さない ・反応がよい

本音の話合いができる ・いじめがない、早く発見できる

カメラを向けると逃げないでポーズをとる ・進んで授業に取り組む

 

 どうも、笑顔には人を元気にする力や、心と心をつなぐ力や、集団をまとめる力があるようです。こうした笑顔を、学級経営に使わない手はありません。しかし、一時の笑顔は出せても、年間を通すことは大変難しいことです。年間通してこうした笑顔あふれる学級づくりができて初めて「プロの教師」と呼ばれるのではないかと思います。

笑顔を増やすには、ちょっとした工夫が必要です。以下、年度当初から使える3つの技術を示します

 

その1:毎日ポケットに物を入れていく

 この技術は、ハトが出てくるマジックを見た時の笑顔を目指します。もちろんマジックをするわけではありません。子どもの前に立ったとき、いきなり話し始めるのではなく、しばらく黙ってポケットをごそごそして、いきなり「物を取り出す」のです。取り出す物は文書でも本でも何でも構いませんが、その日伝えたい内容に関連する物がベストです。大切なのは、聞くことから始めるのではなく、見ることから始めることです。

 この技術は、毎日1回は行うことを心がけたいものです。それは、教師の心がけを敏感に感じ取る子どもたちにとって、「自分たちのために工夫してくれる教師の思い」が伝わるささやかな技術だからです。「プロの教師」はこの技術を様々に応用し、例えば持ってきた物を袋や箱や風呂敷から取り出したり、実物投影機を使ったり、黒板に資料や写真を貼ったりと、授業場面にも使います。もちろん、そこで出てくる子どもたちの笑顔が素敵なのは言うまでもありません。

 

その2:「ほめる」より「驚く」

 「ほめる」ことは、子どもを伸ばすためには当然必要なことです。しかし、「ほめる」より「驚く」と、子どもたちの笑顔はもっと増えます。そして何より、教師の「驚く」姿を真似て、子どもたち同士笑顔で「驚き合う」ようになります。

いいねー!」「すごいねー!」は、相手の目を見て、あらゆる場面で連発する。

ありがとう!」は、物のやり取りだけでなく、用事をしてくれた後、発言や行為が他者へ良い影響を及ぼした場合(時には間違った発言や行為も含む)に大げさに、ジェスチャーつきで言う。

 さすがAさん。自分から進んでやるんだから、本当に大したものだねー!」「よく頑張ったねー!Aさんの頑張っている姿を見ると勇気が出るよ!」「よくこんなことを考えたねー!とても○年生には思えないよ!」など、臨機応変に工夫して、周囲にも届くように大きい声で言う。

 

 自然な笑顔がどの子にも見られるようになるという状況は、年度当初に最低限クリアしなければならないことです。そうしておくと、各自の目標や学級の目標達成に向けた次の段階にスムーズに入れるだけでなく、個々の学力や学級のまとまりは加速度的についてくるでしょう。

 

 

<「おと」を教える>

 「おと」とは、文字通り音のことです。年度当初だからこそ「教室に必要な音」を教え、使い分けを学ばせることが、学級づくりを進めていく上で重要なポイントになります。無秩序な教室には、無秩序な音があふれています。鉛筆や筆箱、教科書を落とす音。「ハイ、ハイ」と指名を請う声。バタバタと廊下を走る音。まさか今からあるとは思えませんが、授業中の私語。やはり、学び合う環境には、学び合う環境にふさわしい音があり、担任教師だけがその指導を担えるのです。

 

給食の食器を片づける音

案外おろそかにされる音です。アルミ食器が多いので、大きな音を立て、投げるようにして置く子どもが多いようです。「もしこの皿が家族からプレゼントされた皿だったら、どうやって置くかな。」「皿にも多分命があるよ。乱暴に扱われたらケガをするだろうな。ひょっとしたら罰が当たるかもしれないぞ。『ありがとう』と語りかけながら置いてごらん。」などと話しながら、実際に食器かごの前に立って指導をする必要があります。騒音測定器がある学校であれば、ビフォーアフターの数値を比べてみることとよいでしょう。

 

音がほとんどない状態の心地よさを経験させる

「音がほとんどしない状態」とは、例えば「習字の授業で、筆を運ぶ音だけが聞こえる状態」であるとか、「無言そうじの時間」「数学の授業で、全員が問題を解くためにひたすら鉛筆でノートに書いている音しかしない状態」「体育の跳び箱の授業で、踏切板の音の違いで使い方の良しあしを見分けるために耳を澄ましている状態」のことです。こうした状態がわずかな時間でもできれば、目一杯「驚く」べきです。なぜなら、ほぼ無音の状態の学習場面であるため、周囲の音が聞こえないほど集中のレベルが高く、脳が活発に活動している高次元の学習状態だからです。いわばスポーツ選手が経験するという「ゾーン」と言われる状態ではないかと思います。ぜひ「みんな凄いぞ!授業のオリンピックがあるのなら、それに出場できるぐらいの集中力だ!」と「驚いて」みてください。ただし「次は入賞レベル、つまり集中時間を、あと2分伸ばしてみよう。」などと付け加え、次の目標を示すことをお忘れなく。

 

音がそろう状態の心地よさを経験させる

「音がそろう状態」については、イメージがしやすいため、授業中に限らず様々な場面で利用されます。例えば次のような場面でも「音がそろう状態」の心地よさを経験させておくと、「協力」だとか「思いやり」などの意識はすんなり入っていきます。

 全員で「一丁じめ(拍手を1回だけパチンと力強くする)」の音をそろえる。「本当にぴしゃりとそろうと、反響の音が何度もこだまで返ってくるんだよ。」と説明する。

 試合前にチーム全員で声をそろえてコールをするように、学級独自のコールや合言葉を叫ぶ。できれば手拍子や足拍子、ボディパーカッションの音を組み込むと、さらに意欲的になる。

 

 

 

 ここまで、集団の現在地「あ・い・う・え・お」について、数多くの実践例を織り交ぜながら紹介してきました。なぜここまでこだわってきたかと言うと、

(1)    学級開きの前後が、いかに大切かを意識するため

(2)    集団の現在地「あ・い・う・え・お」が、今後の集団づくりのために必要な取り組みであることを意識するため

(3)    集団の現在地「あ・い・う・え・お」は学級経営の評価指標として活用することを意識する

ためです。

 今年度のスタート時点で、小学校実学級数514 中学校実学級数207 合計721学級あります。当然一つとして同じ学級はありません。しかし、鳥取市すべての教職員の願いは、すべての学級の子どもたちが、一人残らず「元気に登校し、満足して下校」することで一致しているはずです。どうぞ、ここで採りあげた数々の実践例を各学級の実態に合わせて様々にアレンジし、発展させながらご活用ください。そうして、鳥取市内の全教職員の力を合わせて「ふるさとを思い 志をもつ子」を育てていきたいと思います。

 



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