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天文セミナー第230回(2016年8月)「名付け親の楽しみ。」第14回 日本のあけぼの

天文セミナー 第230回

『名付け親の楽しみ。』



第14回 日本のあけぼの

No.27
(5082) Nihonsyoki=日本書紀=1977DN4
     発見日:1977 Feb.18

命名の由来:日本の正史

No.28
(5454) Kojiki=古事記=1977EW5
     発見日:1977 Mar.12

命名の由来:古事記

 命名の由来は読んで頂いた通りです。いずれも日本誕生から記述が始まります。日本の正史と言われる「日本書紀」。神代から持統天皇まで、朝廷に伝わった神話・伝説・記録などを記述して、養老4(720)年に完成したものです。そして「古事記」は、現存する我が国最古の歴史・文学書。数多い口伝えを天武天皇が稗田阿礼(ひえだのあれ)に命じて覚えさせ、元明天皇が太安万侶(おおのやすまろ)に書き留めさせたものです。天地開闢に始まりイザナギ、イザナミの国産みの神話、スサノオの大蛇退治など、神代から推古天皇に至る皇室の系図を示しながら古代の神話・伝説などが広く記載されています。
 私が、この両書の名前を星に付ける際、古事記は日本の正史ではないよ!と助言してくれた友人がいました。正史ではなくても、古事記ほど日本人に深く浸透している古典はないでしょう。馴染み深い物語、童謡唱歌に歌われた記述。いずれもが突然現れたものではないはず。神話・伝説が架空のものであってはならないのです。何故ならば、神話や伝説は必ずと言っても良いほど、当時の社会を物語っているからです。シリューマンによるトロイ遺跡の発見と発掘。此も発見までは神話・伝説と考えられていたのです。
 正史には正史としての役割と精確さが求められるでしょうが、正史ではない記述には土着の語り部に依って語り継がれてきた歴史があります。このような考えを元に、この二つの名前を付けたのです。
 正史と言われる日本書紀には、「一書に曰く」、などと記して他にも関連した記述がある事が示されています。此などは、現在も使われている「参考文献」に相当し、研究者には大いに役立っていることでしょう。この「参考文献」が古事記には見つかりません。また、記述もあれこれと不統一です。此こそ、語り部が語り継いできた物語なのだ、と私には感じられます。
 古事記の物語は、出雲地方に広がります。当時、出雲は強大な勢力を持っていたことが示され、その現れが出雲大社ではないでしょうか。江戸時代の国学者・本居宣長の「古事記伝」。全44巻のこの書物は、以後の国語学に大きな影響を与えたのです。
 私の書架にも、この両書が並び、古代の有り様を思わせて呉れます。この二つ本の名前を持つ2個の小惑星もきっと古代日本の姿を見て(?)いて呉れたことでしょう。
 私は、ある時この太安万侶の墓と言われる場所を訪れたことがあります。奈良市の南、天理市の東の丘にその場所はありました。出土品から判明したそうですが、このお墓に詣でて佇みしばし当時を思い起こしていました。


2016年8月の星空

(ここをクリックすると大きな画像になります)
2016年8月の星空です

 8月になると夏真っ盛り。星空は夏の星たちでいっぱいです。頭の真上あたり、少し東寄りには「夏の大三角」が見えています。3つの1等星の内で一番明るい星が「ベガ」、ベガに近い1等星が「デネブ」、そして遠い方が「アルタイル」です。南西の低いところには「さそり座」が見えています。夏の星座ですが沈む時刻が早くなっていますので、早めに見ておきましょう。火星と土星があってにぎやかです。


次回も、お楽しみに



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