このページではJavaScriptを使用しています。

「自治力を備えた学級づくり」その3

改善の視点(4)「メーター

 

 多くの自転車には「メーター」はついていません。スピードやタイヤの回転数・走行距離の表示などについての必要感があまりないからです。

 しかし、学級づくりにおける「メーター」の存在は、大変大きな意味をもちます。なぜなら、「メーター」に表示する内容を工夫すること、いわゆる

「見える化」の工夫は、学級集団をグループからチームに成長させるために有効な手段

だからです。

 

 ただし、クリアすべき問題が2つあります。「何のために見える化するか」と「どうやって見える化するか」です。実はこの2つについて子どもたちを巻き込みながら、一緒に試行錯誤し、クリアしていく過程こそが、グループをチームに成長させる最大のポイントです。言わば、「見える化」の工夫は練習試合の経過報告のようなものですから、ねらいを絞って意図的計画的に取り組むと予想以上の成果も出てきます。使わない手はないでしょう。

 以下に、「何のために見える化するか」と「どうやって見える化するか」について、目的別のポイントと対応する「見える化」のアイデアをまとめてみました。

 

「何のために見える化するか」

「どうやって見える化するか」についてのアイデア

学級経営上の

ねらい

子供に対する

ねらい

ポイント

集団の中での居場所を確保し確認するため

自分の存在を

客観視させる

一人残らず、

継続的に

ポートフォリオ(日々の出来事を時系列に集積したもの)→ 写真集、学級の歴史、本日のMVP、日々の一言、リレー文集、カレンダー歴史、壁新聞等

集団の成長に向けて参画意欲を持つため

集団への所属感や帰属意識をもたせる

任せる

視覚・イメージ化(絵や図で集団の様子を表現しシンボル化したもの)→ 旗、キャラクター、シンボル、スタンプ、歌詞、力こぶ、表情絵等

集団の現在地や位置づけを共有するため

他者を意識しできることを考えさせる

改善に向けた

提案

数字化・ポイント制(目標達成状況を数字やポイントで表現したもの)→ シール集め、ポイント表示、イチメーター、カウントダウン表示、ビー玉貯金等

 

 Aの「居場所確保」のポイントは、「一人残らず、継続的に」です。子どもたちに「この学級は居心地がいい。温かい雰囲気が好き。」というようなイメージが継続的に持てるような「見える化」の工夫、例えば「全員の名前があちこちに表示してある」だとか「子どもたちの作品に教師からの手書きのコメントが入っている」「PCで作成した掲示物とともに、子ども自身が関わっている手書きの掲示物が多くある」ということはもちろんのこと、それをポートフォリオ(日々の出来事を時系列に集積したもの)し、とにかく始めたら一日も休まず続けてみることです。続けていくことで意味づけが子どもたちにも浸透していきますし、何より子どもたち自身が居場所を確保し、安心して学校生活に向かえるようになります。

 自転車

 Bの「参画意欲」のポイントは、「任せる」です。ここに教師が介入しすぎると、せっかくの参画意欲がしぼんでしまいます。学級の雰囲気や目指す方向を言葉や絵で表すためのアイデアを広く求め、実現まで徹底して「任せる」ことです。また、実現にあたっては、実行委員を募って子どもたちの主体性に委ねるというようなひと工夫も効果的です。実行委員会方式は、初めは勝手がわからずうまくいかないことが多いのですが、励ましつつ我慢強く「任せ」、Aの取り組みと連動させながら、その経過を学級通信や壁新聞などで採りあげるようアドバイスしていくと、がぜん「参画意欲」は高まっていきます。要は丸投げではない、指導性を発揮した「任せ」方を工夫することが大切です。

 

 Cの「集団の現在地」のポイントは、「改善に向けた提案」です。具体的には、第一段階として、「みんなで立てた目標が達成できたら得点やポイントを入れ方法はどうだろう。」「学級旗をつくり、目標達成時には旗の掲揚をしたいなあ。」「学級にとっての記念日規定をつくり、達成の度に記念式典(記念撮影・記念給食・来賓招待等)を開いたらいい。」など、減点方式ではなく加算方式で、楽しみが分かち合える提案を、どんどん教師サイドから仕組んでいくことをお勧めします。それは、当初はこうした教師主導の道づくりであっても、実際に取り組む子ども達は、皆が喜んでくれる様子から満足感を得て、さらに集団への所属感を高めていくことにつながるからです。

 

 ただし、ここからは、チョットした作戦が必要です。例えば、実行委員をはじめ学級のおとなし目の子どもたちに向けて「旗のイラストの選考についてみんなで話し合いたいので、時間をください。」というような提案の仕方はもとより「何ができたらポイントが貯まるのかをみんなで話し合おう。」とか「最近男子と女子の仲があまり良くないように思います。話し合いたいので時間をください。」「この間みんなで話し合ったことに、まだ納得がいかないので、もう一度話し合わせてください。」というような具体的な言い方について、給食時間や休憩時間など様々な場面で意図的につぶやきながら教える(いわゆる下地づくり)と、割と短時間でチームへの移行が進んでいきます。しかも、一度こうしたルートができると、子どもたちは担任に頼ることなく主体的に活動し始めますし、とりわけ授業態度もどんどん意欲的・主体的になってくるから不思議なものです。

 

 「メーター」の有る無しは、時間が経てばたつほど、学級経営上の大きな差になって表れてくるのです。

 



質問:このページの内容は参考になりましたか?
質問:このページの内容はわかりやすかったですか?
質問:このページは見つけやすかったですか?
質問:このページはどのようにしてたどり着きましたか?
-お問い合わせ-
教育委員会 学校教育課
電話0857-20-3366
FAX0857-29-0824
メールアドレスkyo-gakkou@city.tottori.tottori.jp