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病気にかかわる人の人権問題について

1 現状と課題

 

 医療技術の進歩や医療体制の整備が進んでいる一方、さまざまな病気に関する正しい知識と理解が十分に普及していないため、病気に対する偏見や誤解により病気にかかわる人が人権侵害を受ける現状があります。

 

 さまざまな病気について、まず治療や予防など、医学的な対応が必要となることはいうまでもありませんが、病気にかかわる人(※1)が抱える生活上の問題を人権問題として捉え、その解決に向けた取り組みが十分行われていない現状もあります。

 

 「ハンセン病(※2)」は、国による隔離政策と官民一体となって行われた「無らい県運動」により、社会全体にハンセン病が恐ろしい病気であるという誤解を与え、差別や偏見を助長してきました。

 

 ハンセン病回復者が、はじめて故郷に埋葬された事例が本市にはありますが、現在でも、社会的には根強いハンセン病への差別・偏見が存在しており、ハンセン病回復者やその家族が安心して暮らすには十分でありません。

 

 「HIV(エイチ・アイ・ブイ)(※3)」感染者やエイズ感染者等に対し、正しい知識や理解の不足から、病気そのものや患者・感染者を特別視する差別意識が存在しています。

 

 精神疾患に対して、古くからの慣習や風評、不正確な事件報道や情報等により、正しい知識等が伝わってないことから誤解や偏見を生じています。  

 

 このことから、職場や地域で患者が疎外されたり排除されることがあります。

 

 難病は、原因が分からなかったり、治療方法が未確立であるため、症状が慢性的又は進行性があるため、患者及びその家族が日常生活を送る上で、経済的負担をはじめ、さまざまな問題が生じています。

   

 また、厚生労働省が指定している難病のほかにも、若年性認知症のように、社会的に十分認識されていない病気もあり、当事者の可能な限り、社会参加を進めていくためにも、社会の一層の理解を求めていく必要があります。

 

 認知症は年齢が若くても発症することがあります。65歳未満で発症した場合を若年性認知症といいます。働き盛りの世代に発症する若年性認知症は、患者やその家族に与える影響が大きく、社会的にも問題となっています。また、認知症は高齢者が発症するものという誤解や偏見により、年齢が若いと認知症であることに結びつかず、早期発見治療の機会を逸することも少なくありません。さらに、認知症であることを周りに知られることで、不当な扱いや疎外されることを恐れて、誰にも相談できない現状もあります。

 

 さまざまな病気について、まず治療や予防など、医学的な対応が必要となることはいうまでもありませんが、全ての人々が病気に対する差別や偏見を解消し人権が尊重されるまちづくりを推進していく必要があります。

 

 また、医療においては、患者側の人権を重視し、治療側との信頼関係のもとで安心して治療を受けることができる医療が求められています。医療従事者から自分の病状について十分説明を受け、同意した上で治療を受けるインフォームド・コンセント(※4)の確立など患者の立場に立った医療を行うことが求められるとともに、病気等に関する患者や家族のプライバシーの保護が求められています。病気にかかっている人や家族の人権に十分に配慮していくことが必要です。

 

 

2 施策の推進方針

 

(1)「ハンセン病問題の解決の促進に関する法律(平成20(2008)年)」の施行を踏まえ、ハンセン病回復者が、地域社会から孤立することなく、良好かつ平穏な生活を営むことができるよう、ハンセン病の正しい知識の普及・啓発を行い、偏見や差別の解消を図るため、関係機関と連携して啓発に取り組みます。

 

(2)感染症等に関する市民への情報提供を正確かつ迅速に行うとともに、相談を受け付けます。

 

(3)精神疾患や難病を含む病気や感染症に対する正しい知識や情報の普及と啓発に努めます。

 

(4)若年性認知症については、県等関係機関と連携を取りながら、当事者が集い、情報交換等を行う活動を支援するとともに、正しい理解の普及・啓発に取り組みます。また、県等と連携し相談や支援制度等について検討を行います。

 

(5)患者や家族等が医療従事者から自分の病状について十分説明を受け、同意した上で治療を受けるインフォームド・コンセントを確立し、医療・保健・福祉などの関係機関との連携を図りながら、患者の心情を理解し、患者の立場に立った医療を推進するとともに患者や家族等の病気等に関するプライバシーの保護について、特段の配慮をするように医療・保健・福祉などの関係職員の意識啓発に努めます。

 

 

 

※1 病気にかかわる人

 「病気にかかっている人、病気にかかわっていた人、またはその家族、遺族」のほか、医療・保健関係職員など病気にかかわる業務に従事している人をいう。

 

※2 ハンセン病

  ノルウェーの医師ハンセンが発見したライ菌の感染によって起こる感染症のこと。発病することは稀だが、潜伏期は3年から20年にも及ぶことがあるため、かつては遺伝病と誤解されたこともあった。仮に発症しても現在では、治療法も確立され確実に治癒できる病気である。 

 

※3 HIV(エイチ・アイ・ブイ)

 ヒト免疫不全ウイルスのこと。一般にヒトに免疫低下を起こすウイルスとその感染による免疫不全症候群(エイズ 後天性免疫不全症候群)と合わせて使われることが多い。

 性交渉による青壮年や妊娠から子どもにも感染するとされるが、輸血や血液製剤などによる血液感染は、薬害エイズとして社会問題となった。エイズを発症すると肺炎などの感染症や悪性腫瘍を合併し死に至ることもあると言われているが、正しい知識と適切な治療により防ぐことができる。

 

※4 インフォームド・コンセント

 患者個人の権利と医師の義務をさす言葉。患者には医療上の自己の真実を知る権利があるので、医師は個々の患者が理解し納得できるように説明する義務がある。 

 

 

 

★ハンセン病については、これまでの政府の取組等を法務省のホームページで紹介しています。

法務省のホームページへリンク

 

 

 

 



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