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天文セミナー第239回(2017年6月)「名付け親の楽しみ。」 第24回 遺徳

天文セミナー 第240回

『名付け親の楽しみ。』



第24回 岡山観測所近傍

第24回 遺徳

No.68
(15672)Sato-Norio=佐藤範雄=1977 EX7 発見日:1977 Mar.12

No.51
(11254)Konkohekisui=金光碧水=1977DL2 発見日:1977 Feb.18

No.52
(11255)Fujiiekio=藤井永喜雄=1977DC4 発見日:1977 Feb.18

No.63
(14795)Syouyou=坪内逍遥=1977 EE7 発見日:1977 Mar.12

No.64
(14820)Aizuyaichi=会津八一=1982 VF4 発見日:1982 Nov.14

 岡山県西部にある宗教団体が金光教です。古代からの神道ではありませんが、いわゆる新興宗教ではありません。この宗教団体を母体とする学校法人が金光学園で、創設は明治27年(1894年)です。この学校の創立に関わり、多くの人々の育成に尽くした先人は枚挙にいとまがありません。ここに、命名した3人の先人は、佐藤範雄、金光碧水(鑑太郎)、藤井永喜雄の順に繋がります。佐藤は学校創設時の初代校長、金光は金光教4代教主、藤井は2人の流れを汲み、岡山天体観測所の誘致・建設に尽力したアマチュア天文家でした。金光教は、創設期から天地の恵みを旨とした宗教団体で、第二次世界大戦後期に先進的な発想の下に私立図書館を備えていました。この図書館の館長が金光。広く宇宙の声を聞くべきだ、と図書館の屋上に天文台を設置するという構想を持っていました。この金光館長の下に司書として働いていたのが藤井。新天体観測所の建設されるとの構想が知られると、地元での活動を展開。地元の有力者は殆ど金光学園の出身者。この有力者を訪ね、誘致運動を推し進めたのです。表には中々出ない陰の功労者。星になって貰いました。きっと夜空から岡山観測所を見守ってくれていることでしょう。

 さて、最終章に入りました。私は、青年時代から父の書棚にある書籍を引き出しては読み耽り、中でも坪内逍遙の訳したシェイクスピアの戯曲37編。最も親しんだものでした。同時に、会津八一の短歌に触れたのもこの時代。しかも、ご両人は共に父の恩師。

 定年を迎えると、その日から書き始めたのが「シェイクスピア星物語」。坪内逍遙の訳が小田島雄志訳へと繋がり、私の忘れ得ぬ著作となりました。

 長々と、小惑星の名前、その名付け親の楽しみを書いてきました。最後に、

◎シェイクスピアの戯曲、「恋の骨折り損」第一幕第一場 ナヴァール王宮の庭園の場。

○ビーロンの台詞、
 「地上にあって天の光の名付け親となるもの達にしても、
 つまり、星の一つ一つに名前を与える学者達にしても、
 星明かりのお陰を受けることでは、星の名前など知らず、
 ただ夜を歩くだけの凡人達とかわりはないはず。」(小田島雄志訳)

 星に名前を付けるなど、自己満足の極みでしょう。長い独白、お読み頂いたことを感謝しながら恥の上塗りにならぬうちに、退場致しましょう。

 -香西 洋樹(完)-


2017年6月の星空

(ここをクリックすると大きな画像になります)
2017年6月の星空です

 木星が南の空に輝いています。今の頃、木星が一番星ですので、最も明るい星を探しましょう。木星のあたりには「春の大三角」があります。「スピカ」と「アルクトゥルス」は1等星ですが、「デネボラ」は2等星です。正三角形の形になるように探します。
 南東の低空には「土星」が昇ってきました。木星ほどではありませんが、こちらも明るい星です。土星の右側の「アンタレス」と合わせて見つけましょう。




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