とっとり市報 HTML版
2021.06 No.1130
シリーズ@じんけんVol.438

人権尊重都市鳥取市の実現をめざして~生活困窮者支援に向けたパーソナルサポートセンターの取り組み~

問い合わせ本庁舎人権推進課TEL0857-30-8071FAX0857-20-3945
問い合わせ中央人権福祉センター(パーソナルサポート担当)TEL0857-20-4888FAX0857-20-8067

派遣労働者をはじめとする非正規雇用者や離職者が置かれている雇用環境は、その時々の経済情勢に大きく左右されます。今回の新型コロナウイルスの感染拡大により、安心して働き、生活する権利が脅かされる現状は正規雇用者も含めて一層深刻なものとなっています。

「働けるはず」だったのに

通常なら働けるはずだった人たちが、コロナ禍による経済環境の悪化で、非常に厳しい困窮状態に追い込まれています。

収入面の問題に起因して、そこから派生するさまざまな相談が、本市の生活困窮者への包括的支援機関である「パーソナルサポートセンター」に数多く寄せられています。

学生の困窮も

コロナ禍は、学費や生活費をアルバイトで賄っている学生の生活にも、暗い影を落としています。こうした学生は、就労時間の短縮や親族からの仕送り額の減少などにより、生活が成り立たなくなってしまう例があります。

また、海外からの留学生も経済的に困窮し、母国に帰国することができないばかりか、日本人の学生と同様、生活の維持が困難となるケースもあります。

生活困窮状態とは

生活困窮状態は、経済的な困窮だけでなく、就労、心身、地域との関係性、その他の事情から最低限度の生活の維持ができなくなるおそれがある状態をいいます。それは、決して特別なことではなく、誰もがそのような状況に陥る可能性があるのです。

特に、現在のようなコロナ禍の中では、収入減による債務の未返済、公共料金や家賃の滞納、地域や職場、家族との人間関係など、あらゆる困りごとを抱えている人がいるのが現実です。

社会的に孤立しないように

生活困窮は、社会参加の機会や人と人とのつながりに影響をおよぼし、社会的な孤立を引き起こします。そうなると、困ったときにセーフティーネットにつないでくれる人がおらず、事態が深刻化する傾向にあります。

社会的孤立の深刻さを表す数字の一つに、自殺者数の増加があげられます。令和2年度は、リーマンショック直後の平成21年以降11年ぶりに増加に転じ、前年比750人増の2万919人となっています(厚労省速報値)。

厚労省自殺対策推進室では「特に下半期は経済問題が要因とみられる自殺が目立つ」との分析を示しています。

こうした状況の中、国も「孤独・孤立対策担当室」を新設して、コロナ禍の影響を受ける非正規労働者や、孤独に悩む人への緊急支援策を講じています。

一人で悩まず、ご相談ください

前述の「パーソナルサポートセンター」は、本市の中央人権福祉センター(幸町151)内にあります。生活困窮などに関する相談窓口を担っていますが、相談内容によっては、必要に応じて関係部署や関係機関などにつないでいます。

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相談は、センター内の個別ブース内でプライバシーに配慮しながら対応しています。

※中央人権福祉センターでは、カウンセラーや弁護士による人権・生活相談も行っています(予約制)。詳しくは相談ページをご覧ください。