日本国内で観測された最も暗い彗星の新記録！登録日： 2022年8月5日

　鳥取市さじアストロパークでは、このたび「22.1等」さらには「22.5等」という日本国内で観測された最も暗い彗星の記録を更新する観測をおこないましたので、ご報告します。

　とらえた彗星はポンス・ブルックス彗星という天体で、これは太陽のまわりを71年の周期でまわっている彗星です。この彗星は1954年の最終観測以来、2024年4月に太陽に近づきますが、いち早く2020年6月にはアメリカのローウェル・ディスカバリー望遠鏡（口径4.3m）で、22.7～24.0等という微かな明るさで検出されました。（参照　Minor Planet Center, 2020, MPEC 2020-M114）

　鳥取市さじアストロパークでも、この彗星を世界で2番目にとらえた天文台になるべく観測をおこない、2020年8月から2022年2月にかけて
11回の観測をおこないましたが、いずれも捕らえることができませんでした。

　しかしながら、ついに2022年4月25日早朝と5月2日早朝にこの彗星をとらえることに成功しました。その明るさは、22.1等と22.5等で、日本国内でとらえられた彗星として、もっとも暗い記録となりました。（参照　Minor Planet Center, 2022, MPEC 2022-J42）

　それらをまとめた報告（以下のリンク資料 pdfファイル）を、7月10日(日)に開催された「第50回彗星会議」でおこないました。

報告『22等級でとらえた「ポンス・ブルックス彗星（12P）」』