ジェンダー・バイアスとは
性別による無意識の思い込みを「ジェンダー・バイアス」と呼びます。例えば、次のようなことがジェンダー・バイアスの具体例です。
- ◆「看護師」、「保育士」と聞くと女性を思い浮かべる
- ◆ 単身赴任と聞くと、「父親」を思い浮かべる
- ◆ 男性が育児や介護休暇を取っていると「奥さんは?」と、とっさに思う
内閣府の調査
今年度、内閣府が実施した性別による無意識の思い込みに関する調査(※)によると、「男性は仕事をして家計を支えるべきだ」、「女性には女性らしい感性があるものだ」、「女性は感情的になりやすい」といった性別役割(性別による無意識の思い込み)に対する考えについて「そう思う」、「どちらかといえばそう思う」の合計が男女ともに上位を占めました(図1)。
この性別役割について、「直接言われた」あるいは、「言動や態度から感じた」経験については、男性は「デートや食事のお金は男性が負担すべきだ」、女性は「家事・育児は女性がするべきだ」が最も多い結果となりました。
また、全ての調査項目の平均値では、性別役割を意識している男性が女性を上回りました。一方で、経験については、女性が男性を上回りました(図2)。このことから、内閣府では、男性は女性に比べて、性別に基づく役割を「直接言われた」、あるいは「言動や態度から感じた」経験が少なく、慣習的な役割観に自身がとらわれていることに気づいていない可能性がうかがえると分析しています。
※ 家庭やコミュニティ、職場における性別役割と、性別に基づく思い込みについて、41項目にわたり自分の考えや経験を聞いたもの
図1 性別役割に対する考え
(「そう思う」+「どちらかといえばそう思う」の合計)
男性 | 女性 | |
---|---|---|
1 男性は仕事をして家計を支えるべきだ | 48.7 | 44.9 |
2 女性には女性らしい感性があるものだ | 45.7 | 43.1 |
3 女性は感情的になりやすい | 35.3 | 37.0 |
内閣府「令和4年度性別による無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)に関する調査研究」をもとに作成
バイアスと向き合う
ジェンダー・バイアスがあること自体が問題というわけではありません。ジェンダー・バイアスは過去の経験やメディアなどの影響を受けて無意識に培われていくもので、誰でも持っているものです。大切なのは、無意識の思い込みや偏見に気づき、自分自身の言動を見直していくことです。そのことが、性別にかかわらず個性や能力を発揮できる社会の実現につながります。
図2 性別役割について意識および経験
本市の取り組み
本市では、男女共同参画の取り組みにつなげるため、「男性の生きづらさ」についてLINE アンケートを行いました。この結果は、本市公式ウェブサイトでご確認いただけます。また、男女共同参画センター「輝なんせ鳥取」では、「男女共同参画ってなんだろう?」「家事シェアセミナー」など、ジェンダー平等に関するさまざまな講座を行っています。お気軽にご参加ください。
アンケート結果輝なんせ鳥取令和4年度講座