○鳥取市文化芸術振興条例

平成21年3月27日

鳥取市条例第4号

四季それぞれの美しい自然に恵まれている鳥取市には、古くからの伝統に培われたすばらしい文化芸術が息づいている。

この風土を活かし、市民一人ひとりが文化芸術に親しみ、これを継承し、発展させ、又は創造し、鳥取市民として誇りの持てる地域社会を実現していく必要がある。そして、これを次の世代に引き継いでいかなければならない。

文化芸術は、人々に感動を与えるとともに、市民がいきいきと暮らすことの基盤となるものである。また、文化芸術の振興は、人と人のつながりや地域の連帯感を深め、活力ある魅力的なまちづくりを強く推し進めるものである。

ここに、本市の文化芸術の振興について、基本理念を明らかにし、文化芸術の振興に関する施策の総合的かつ効果的な推進を図るため、この条例を制定する。

(目的)

第1条 この条例は、文化芸術の振興に関し、基本理念を定め、市の責務並びに市民及び活動団体の役割を明らかにするとともに、文化芸術の振興に関する施策の総合的かつ効果的な推進を図り、もって心豊かで潤いと活力のある地域社会の実現に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 文化芸術 芸術(文学、音楽、美術、写真、演劇、舞踊その他の芸術をいう。)、伝統芸能(雅楽、能楽、文楽、歌舞伎その他の伝統的な芸能をいう。)、芸能(講談、落語、浪曲、漫談、漫才、歌唱その他の芸能(伝統芸能を除く。)をいう。)、生活文化(茶道、華道、書道その他の生活に係る文化をいう。)、国民娯楽(囲碁、将棋その他の国民的娯楽をいう。)その他これらに類するものをいう。

(2) 活動団体 市内において文化芸術に関する活動(以下「文化芸術活動」という。)を行う団体をいう。

(基本理念)

第3条 文化芸術の振興に当たっては、市民及び活動団体の自主性及び創造性が尊重されなければならない。

2 文化芸術の振興に当たっては、市民一人ひとりが文化芸術を身近なものとして感じ、これに親しみ、これを継承し、発展させ、又は創造することができるような環境の整備が図られなければならない。

3 文化芸術の振興に当たっては、地域の伝統に培われた文化芸術の保護及び発展が図られなければならない。

(市の責務)

第4条 市は、文化芸術の振興に関する施策の総合的かつ効果的な推進に努めるものとする。

2 市は、文化芸術活動を尊重し、及び支援するとともに、必要な環境の整備を図るよう努めるものとする。

3 市は、文化芸術の振興について、市民及び活動団体と協力し、及び連携を図るよう努めるものとする。

(市民及び活動団体の役割)

第5条 市民及び活動団体は、自らが文化芸術活動の担い手として、文化芸術活動を行うとともに、その活力及び創意を活かして文化芸術を振興する役割を果たすよう努めるものとする。

2 市民及び活動団体は、それぞれの多様な文化芸術活動を理解し、及び尊重するとともに、相互の活発な交流を推進する役割を果たすよう努めるものとする。

(基本方針)

第6条 市長は、文化芸術の振興に関する施策を総合的に推進するため、文化芸術の振興に関する基本的な方針(以下「基本方針」という。)を定めるものとする。

2 基本方針は、次に掲げる事項について定めるものとする。

(1) 文化芸術に対する意識の高揚に関すること。

(2) 文化芸術活動に対する支援に関すること。

(3) 文化芸術の創造、発表及び鑑賞機会の充実に関すること。

(4) 地域の伝統に培われた文化芸術の保存、継承及び活用に関すること。

(5) 文化芸術を担う人材の発掘及び育成に関すること。

(6) 文化芸術に係る交流の促進に関すること。

(7) 前各号に掲げるもののほか、文化芸術の振興に関する重要事項

3 市長は、社会情勢の変化に対応するため、必要に応じて基本方針の見直しを行うものとする。

(財政上の措置)

第7条 市長は、文化芸術を振興するために必要な財政上の措置を講ずるものとする。

(意見の反映等)

第8条 市長は、文化芸術の振興に関する施策について、市民及び活動団体の意見を十分反映し、かつ、効果的に推進するため、当該施策の策定(見直しを含む。)及び実施に当たっては、次に掲げる措置を講ずるものとする。

(1) 広く市民及び活動団体の意見を聴くこと。

(2) 文化芸術に関し専門的知識を有する者の意見を求めること。

(顕彰等)

第9条 市長は、文化芸術活動で顕著な成果を収め、又は文化芸術の振興に寄与した個人又は活動団体の顕彰に努めるものとする。

2 市長は、前項の個人又は活動団体に対し、その文化芸術活動に要する経費の一部を助成する等必要な援助を行うことができる。

(文化賞の贈呈)

第10条 市長は、前条第1項の個人又は活動団体で、その功績が特に優れたものに鳥取市文化賞(以下「文化賞」という。)を贈呈するものとする。

2 文化賞の贈呈は、賞状及び鳥取市文化章をもって行うものとする。

3 文化賞の贈呈は、毎年11月に行うものとする。

(委任)

第11条 この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。

この条例は、平成21年4月1日から施行する。

鳥取市文化芸術振興条例

平成21年3月27日 条例第4号

(平成21年4月1日施行)