平成17年度鳥取市政懇話会 第1回「産業振興部会」 議事録

日時:平成17年5月17日(火)午後3時〜5時30分

場所:市役所駅南庁舎第1会議室

出席者

1.開会

2.部会長あいさつ

○委員 この間のこの懇話会の全体会で一応これまでの意見は報告して、今度は事務局で味付けしてもらったり肉付けしてもらったり、いろいろ知恵比べでいい冊子ができると思うが、これからはやっぱりこの委員会でも知恵比べの知恵を、お互いに本音を出していきたい。
神武景気とかいざなぎ景気とか、オイルショックとかドルショックとかいろいろくぐりながら、自主自立で企業はやってきた。そういうときは、行政に対してはどうのこうのはあまり必要ないと思っていたが、今完全にグローバル化して、産業というものが海外にシフトし、忙しいところと暇なところと完全に二極化して変化が産業界でもある。
教育のほうでも、例えば理数科離れというか子どもがモノづくりというか理数系に興味を持たない。日本の産業というものはどうなっていくのか?やはり産業が必要だということで、県の予算も教育の方から、子どもにもっと自主自立させ、理数系の子どもをつくるとか、そういうことが発端になっている。それから中小企業向けにしても今日はやっぱり自立支援とかモノづくり創業塾とか、予算の内容見ても商工労働部には色々な予算があって、産業を育成することによって、雇用と税収入を図っていかないと鳥取県はもたない。この部会の農林漁業、商工業が活発に動いて、雇用が安定し、それからそれを消費するために、商店とか飲み屋とかあちこちに出て、金を落していい循環のスタイルができたらいい。
今日は日本が狂う前の、以前のバブルの前とかもうひとつ前とかの辺から、のびのび発言してもらい、最新の現状は今こうだ、4、5年先になったらこういう方向になりそうだ、みたいなことを皆さんに発言してもらい、これから3回部会があるスタートとして、どういう問題点があるかディスカッションのきっかけができればと思う。

3.議事(概要)

○委員 知事が最近数字を良く出す。バランスが崩れているという感じがする。県でも3,900億円の中で、税収入は480億円で、交付税は1,200億円くらい。税収入に対して借金の返済金は640億円で税収入より返済金が多い。そういうこともあり、やっぱり狂ってきている。今まで、それぞれの地方で税収入が減りながらも地方交付税がもらえていたが、毎年15〜18%毎年カットされている。鳥取なんかは交付税の比率が高いから、それでアンバランスが生じている。基金も崩したりして、これから崩したものを増やす計画をたてる必要があるし、増やそうと思ったら税収入が増えないとだめ。

○委員 産業動向は右肩下がりであり、こういう下がり方に対してどこかで歯止めをかける必要がある。歯止めとは、雇用と税収入は産業が受け持っているものだから、産業が活発になることをやること。中小企業は今仕事がなくて大変。本社の出先という感じで、権限もなく、従って鳥取の工場がもうひとつ活発化してこない。新製品の開発とかそういう部署がいわゆる本社機能となっている。従来、鳥取は三洋電機を頂点に金型工場、メッキ工場、組立ライン工場とか下請け工場があった。それが事業所数が減ってきて、従業員の数も減ってきているので、なんとかこの辺で歯止めをということが産業の現状。

○委員 そういう経過から理数系クラスの強化などは鳥取でも3、4年前から教育委員会が取り組んでいる。色々な実験をしたり、モノづくりのプロジェクトチームをつくるなど、理数系の生徒を育成しなければ、日本のモノづくりは、東南アジアよりワンステップ、ツーステップ上のレベルの商品開発、製品開発をしなければ、日本は生き残りができないのではないか。環境大学でも生徒を育成している。環境だけのテーマではなくてプロジェクトチームとかロボットを作って、鳥取大学でも環境大学でもモノづくりの関係を積極的にやっていこうという動きが出始めた。今時代は、大学のシーズいわゆる技術力を、民間のニーズと組み合わせて製品化していこうという動き。それを鳥取県、市で応援していこうと産学官連携で軌道に乗せていこうという動きがある。ただし、こういう動きは他県も同じで日本全国やっている。製品開発と企業家をどう育成していくかということを争っているような時代が今であり、8次総でどういう知恵を出していくのかということが、大きなテーマ。

○委員 鳥取市は合併によって大きな田舎になってきた。やはり農林漁業がこれからは前面に出るような地域性というものもある。産業が一体となる必要があり、一体というのは、いわば農業の一次産業も1.5次産業、2次産業が2.5次産業として、ものづくりからマーケティングまで付加価値をつけて消費者に渡すことが大切。

○委員 鳥取で仕事がなかったら姫鳥線で播磨あたりから仕事をいただいてきたらなんとかなるということで、鳥取の商工会議所も姫路の商工会議所も以前から交流を図って、相互に仕事を引っ張ってこようとしている。

○委員 これから部会をどうしていくか。100人委員会の我々の部会関連が31項目、それから7次総の事業計画が104あるので、我々の目で新しい視点で見直して提言するような形があればいい。

○委員 鳥取大丸も昭和24年に鳥取大丸になったが、当時は靴も服も大丸でそろえて、最後は食堂でおいしいランチを食べるという古き良き時代があった。地方のデパートとしては珍しく配当も継続できていたが、近年は低迷気味。分析すれば理由は色々ある。大型店が出てきたとか、駅前の汽車、バスが当時の1/3になったとか、県庁も市役所も当時は歩いて、汽車、バスで30年代、40年代は通勤していたとか、若桜街道も栄え、駅前の立地は最高だったということで異業種いろいろなものが安く手にはいったとか。リストラ的経費節減では、合理化に限界がある、内部で積極的に節減しろといっている。私の孫に「おじいちゃんはいいとこにおったたで」と誇れる店にしてほしい。

○委員 総合計画の必要性について、知事は総合計画の策定には違和感があるという表現をつかっている。夢とか誇りとかあまり意味がない。箱モノのメニューになりやすいとか。そうすると県と市の役割分担も連携といった面で言うと、うまくいくのかという感じする。8次総関連でも県との突き合わせは重要になってくると思うし、竹内市長はそれについて異論を言っているようですが、市民はどう受け取るか。

○委員 財政再建の問題は、数字上は企業でいえば債務超過。我々の感覚からもそう感じるが、市の幹部も議員もある意味倒産状態であることの認識をどう受け止めているか。市民から、民間からみれば感覚のずれがあるのではないか。孫の代まで借金を押し付ける、これは国も同じ。これについて、我々の感覚、目先と違いがある。県民市民もあんまり自分たちのことを要求しすぎないということも大事だが、議員も自分たちの票のためにということを、一時棚上げするくらいの勇気がないと、財政再建というものは、大なたがふるえない。職員給与の引き下げでも4.2%カットがことさら記事に出るような、市民感覚からみたら税収と支出の関係で見れば当たり前のことを、ことさらさらいわれること事態が民と官と感覚の大きなずれ。

○委員 西部の企業誘致の土地が塩漬けになっているというのがあって、市が大変な苦労をしている、金利負担でも大変だということで、ああいう手の企業誘致はもう限界がある。そういう土地は早く処分して、どんな企業に来てもらうかはトップがどれだけ動くかにかかってくる。

○委員 経済消費者動向調査があって、4割が県外で買い物した。その中で鳥取市を中心として関西方面で買い物する客が非常に目立つということが気になる。デザイン、魅力が消費者側からみてどうかと問われていることだと思う。鳥取はこれ、売って下さい、売ってやるだし、散髪屋に行ってもこっちからありがとうっていってもむこうは言わないし、別に次に来てもらわんでもいいみたいな感じ。こういうことが根底にある。流通のやり方も、量販だけでなく、インターネットなど流通形態もかわってきているわけですが、お店を見る限りにおいてはあまり魅力を感じないのかなという感じは受けた。

○委員 農業分野を工業的視点で捉えるということ。無農薬、経済性、後継者の問題等考えていくと、やはり、工業的なものは必要。レタス栽培について2010年までに野菜だけで60億円、農協だけで200億円になるように今事業を立ちあげている。農業という面で考えると200億はそれなりの大きな規模。鳥取市の知的障害者のいわゆるサラダほうれん草の話が出ていた。生で食べたこともなくて食べたら意外と食感があっておいしい。少しでも障害者の雇用促進という面では何かお手伝いすることはないかなという視点を持っている。全国には相当、富山、石川、岐阜、熊本、沖縄、島根の奥出雲もやっている。競争は厳しくなり、採算性では苦労なさっている状況であるが、障害者の雇用も含めて、農業の育成、後継者の問題も含めてやはり色々な切り口でやっていかないといけない。工業的視点で言えばまず生計が成り立つ、それにより後継者がつながっていくという形の視点で言いますと、今までのように行政が仮にいわゆる補助してという視点だけではなかなか、逆に体力を弱めていることになっていないか。そこを育てるという意味で知恵を出せたらいい。

○委員 産官学連携の話は、だいぶ大学と民間の垣根がうまくいって、交流が進んでくると思われる、もう少しこれからやれることがある。あまり過度に期待するのではなくて、それぞれがやる役割をしっかり根気強く取り組むことが大事。行政もそういうことについてしっかりとフォローしていくことが大切。先回、匠クラブの技術の伝承の話が話題になり、30年、40年選手、団塊の世代の少し前の世代が対象だが、特に生産技術とか技能スペシャリストがそのまま消えるのはもったいないなということで、人材登録しながら企業の要望とこちらの希望が合致するところには就職させる。鳥取で50人くらいの登録だが、7、8人がすでに働いている。地域の中で大変お世話になって育てていただいた企業として地域に少しでもお返ししていきたい。

○委員 先回、大きな切り口や視点から議論して、まとめられた形で全体会に持っていった。その過程で一回は分科会でということで、そういう過程を踏んだ。今日の時点も次の時点もそうだが、今度何を議論するかというときには、ある程度切り口や視点が見えてきてそれを裏づけをして整理するところまでは、ある程度専門的なものがまとめていかないと第三者の意見はなかなかもらいにくい。今後は、市役所の方々と分科会の中で真剣に議論し合いまとめてもらう。それがバランスを欠いているのかどうか、など色々な角度の方々から見てもらうことも必要。結局、今問われていることは、結局最初の頃の話とまた戻ってしまう。

○委員 産業といいながら産業が右肩下がりだとか衰退のようなことを問題とするわけだが、その前に人間という問題の方がだめになってしまわないか、というのが今農業でかかえている課題。地域政策と産業政策を大きく二つに分けて考えるが、産業政策は日本の食糧自給率と供給力という面。この大きな流れの中で、産業という角度で政策を打って出るため全国共通の課題であるが、地域政策は、生活であり健康でありというような視点から見た食であり、農である。トータルで捉えた中での地域でできることは、自給率ではなく自給力であり、風土と生活と結びついているという点から自動的に土地も利用したり、その中に良さというものを発見したりということになる。そういうものをどう組み立てるか。特に農協は、事業体であると同時に運動体であり、運動体というのは教育をふくんでいる。そのことは行政も一緒。教育の運動であり、意識変革、改革、そういう面で行き詰まってくるのは結局人の問題になり、今、農協から見る目からすると、家庭が崩れたということと、同時に集落が崩れていること。この問題を全然支えずに、産業論として農業を語っていても意味がない。根底のものはなんなのかというようなものをしっかりと見据えておかないと、議論にならない。

○委員 教育の方にも我々の産業部会で議論したことが教育委員会の方に提言に結びついていって、こういう視点から教育を頼むと、いうようなことに繋がってこないとだめ。最後はモノづくりであったり金もうけというのは、当然の手段として必要だが、行き詰めてみるとやはり人間であったりコミュニティであったり、そういうことに行き着く。

○委員 鳥取市に本社を置いているテレビ局の立場で話すと、当社は広告収入で飯を食っている。売り上げの65%は東京支社、あと、大阪だとか広島だとか瀬戸内海の方なので、鳥取エリアに限って言えば大変少ない。その売り上げの中の65%のかなりの部分が、キー局である日本テレビからの配分。日本テレビからの配分というのはどのように決まるかというと、まず、自分のエリアの人口。どれくらいの人口をかかえているか。また、その地域からどれだけ情報発信しているか。その土地の話題だとか、こういうおもしろいネタがあるぞとか、こういう文化人がいるぞとか、そういう情報発信をどれだけやったかというのが、判定の指数になり、配分の額が決まる。

○委員 よって、基本的な部分で人口が減ったらもう駄目。それから地域からの情報発信が増えないと駄目。今非常に厳しい状況。鳥取がどうこうというわけではないが人口はマイナス。少なくとも人口減らしては駄目。地域からどんどん情報発信しなければならない。この二点というのは、産業振興部会だけに関わるものではないが、地域の生き生き度とか、活性化と深く関わってメディアの存在がある。

○委員 情報発信、文化とかソフトとかそういうものを、産業振興に結び付ける方法というものもこれから大事な道ではないか。農林業、商工業だけでなく。これからの時代の地域の在り方というのは、ニューシルバーといいますか、これから定年を迎える人たちに新たに来て欲しい、それから、都会で定年を迎えた人たちに帰ってきて欲しい、という運動というのは、今日的な地域振興の一つのテーマになる。全国各地がやっている。そういう新しいニューシルバーの世代というのは、電気通信、インターネットとかそういうツールをうまく使う新しいシルバーですから、そういうもので情報を巧みにキャッチして、どんどんアクセスして情報をとってくる。そういう、ターゲットはきちんとつかんで、これからの地域づくりに活かしていかなければ駄目。

○委員 人口がどんどんマイナスしていく中で、北海道の伊達市というところが人口が増えている。それは、定年後伊達市で過ごす人が増えてるから。北海道までいかなくても、京阪神の人なら鳥取に来て欲しい。それぐらい魅力がないところではないし、もっと売り出したらいい。そういう、こっちに目を向かせる作業も必要だろうし、定年後はふるさとでゆっくり過ごしたいと、本気でそう思っている人たちも増えてる。人口問題研究所の人口推計では20年後、全国の9割以上の市町村の人口は減るが、その一方で出生地を一度離れた人たちが地元に戻るUターン率が上昇して、2001年の調査では男性で31.8%がUターンしてくるという現実がある。少なくとも今の人口を減らさない、増やしていこうという動きは行政がリードしていってもいい。もう一方の文化、情報発信の部分でも、県は地域ルネッサンスということで、もう一度地元をしっかり見つめよう、地域の宝を発掘しようという運動をしている。これは、市もどんどんやっていただきたいし、そういうものを発信していただけたら。

○委員 西日本放送というのが高松にあるが、あそこはなんかというと「うどん」のネタをだす。でもそういうのに東京は食いついてくるし、今、讃岐うどんが全国を席巻している。食い物情報というのは非常に関心が高い。そういう中で鳥取市はカレーの取り組みをどの程度まで、どこまで真剣にやられたのか?本気でやるなら、単に観光だけの問題ではなくて、そういうブームをおこすことが地域をふり起こす手段にもなる。それが農業にも波及し、商工業の活性化にも波及してくる。だから、大きな工業団地を作って企業誘致するだけが産業振興じゃない。

○山下農林水産部長 今、第一次産業非常に苦戦をしている。国の方もあわてており、高齢化の問題、それから荒廃地の問題、いろんなとこで議論されている。人と農地の問題というのは、車の両輪。市としても、将来的には農村自体も崩壊するかもしれないという危機感から、去年の合併した時点で、担い手支援係というのを作り、なんとか集落営農に取り組んでいこうとしている。
担い手とは、中心となる人ということだが、若い人も3Kみたいな汚い仕事はなかなかついてきてくれてない。少子化の問題もあるし、高齢化も昭和初期の人もリタイアしてきて、これから加速度的に増える。そうすると、農地も耕作放棄地も増えてくる。特に田んぼは、水の問題もあり一人ではできない。そういうことからも、集落というものが、これからも継続していかなくてはならないわけで、昨今、会社が参入するとか、そういったことで耕作放棄地を減らそうということも出てきているが、水の管理、畦半といった問題もありほんとにうまく行くのかと思う。理論的には会社の参入、疑似組織で参入ということも言われているが、難しさもある。やはり、人の問題と農地の保全といったことに力をそそいでいかなくてはいうことで、市としては新規就農に対して力を入れていきたい。Iターンあたりではどこの県でも募集しており、なかなか鳥取にはきてくれてないが、勉強に来た後のアフター、本当に生活ができるか、土地の問題、家の問題、そういったことまで考えて募集しないといけない。そういったことをどういった方法でやるのがいいか、ということを大学の先生等とこれから議論していこうと、協議会を立ち上げようとしている。
農業は本当にハングリーさがない。商業の場合は生活がかかっているが、農業の場合は生活がかかっていない。それは、悪循環。農業だけで生活ができないから、結局他のところで働いてというような形でこれまで長い歴史の中できているため、農業を産業としてみていない。もうけることが非常に下手。機械にしても何百万。農家の方が外車を持っているようなもの。それは、農外所得から投入している。そういった面からやっぱり最後は集落営農。水の管理といったことも集落で守っていく。今だったら、まだ、村意識というものがあるしまだ間に合うが、そういったことで、ハングリーさがないということが特徴的。
女性の村づくりも、いろんな加工品を作っているんですけど、所詮イベントで出すだけ。シャーベットなんかも作っているが、梨の時期は忙しくてできない、というなら、他のグループと助け合ってやればいいと思うが…。女性というのはグループ意識が強いですし、そういった難しい面もあるが、もっと儲けるということをやって欲しい。売れるものをいかに作るかということ。そういった面で農家の方も考えていく時期にきていると思う。

○大西経済観光部長 梨シャーベットも製品化して、かなり高級品化している。特に東京、名古屋のある一流ホテルの呼びかけもあったり、そういう形での動きはあるが、なにせ、そういう農家の皆さんでの何人かのグループで小さい所でやっているということなので、生産が間に合わないというのが実態。そのあたりを「工」というか、企業でやることになれば、かなり採算化できる。例えば馬路村がゆずで生きてきた。鳥取は梨ということで、第2の馬路村が誕生できるかなという想いは持っている。製品に付加価値をつけていくことが必要という気持ちを持って今、向かっている。
パレットは現実的に郊外店のような賑わいはないが、免許をもっていない人が鳥取の街にバスを利用して出かける、小家族の方が食品買いに来る、という形で、高校生の入店、コーヒー部門、もち屋さん部分とか、そこそこお客さんは入っている。パン屋さんはまるっきり素人でやっているが、なかなか売れるものの生産が間に合わない。自分たちの欲がない、そういうような状況もあり、いろんな問題がまだ残っているものの、この連休期間ざっと2万7、8千人の入店を見ている。ある一日では4,000人と、これが多いか少ないかは別としてかなりにぎわったと聞いている。百貨店についても、高級百貨店と一般的な庶民的な百貨店というように変わってくると思う。
総合計画の必要性と知事が総合計画を作らないという件は、市の場合は法律でくくられたものがあるはずであり、整合性という部分では、総合計画の中で実施計画というのは随時立てていくという方法をとるので、県とは擦りあわせしながらできる。それから財政再建の問題で、債務超過の件で議員も併せての認識についてでは、民間の債務と行政の債務は、起債制度という点で違いがあり、一般的に、補助金を一回で出し切れないから借金をしてこれを後年度債で返していくという方法で、下水事業等でもある。全体的に借金借金でやってきたため、国もこういう格好になっているのだが、まだそういう意識が抜けきらない。しかし、例えば仮に借金しないで鳥取市はやめようということになると、下水はいつまでもできずに、よその都市はどんどんできることになり、行政としては、必要な事業は進めなければならず、その辺りの借金に対する感覚のずれが民間と行政との違いでないか。
企業誘致のありかたは頭を痛めている。今造成したところは売りたいが、四苦八苦している。民間の住宅用地のように売れて儲かるような形であれば、民間が企業誘致用地を造成するが、そういうわけにはいかない。行政がどうしてもやって抱えてしまっている。鳥取市の河原にバイパスができたところのあたりに、工場用地を持っている。これなど、団塊の世代のニュータウンとか、新しいものができないかと、市民の楽しみのグランドゴルフ場したほうがいいのではないかとか、皆さんの知恵をいただくような形で考えていければと思う。
産学官連携室を立ち上げ、1年2年鳥取大学であるとか環境大学とかに補助金を出しながら、新しいものをつくり、研究された成果品で少しでも儲けていただければ、という形で、この連携をしている。最近では、観光と産学、観光とそれから医学、それから動物そういうようなものを含めた話も入ってきている。商業、農業にしましてもやはり文化。我々は団塊の世代で非常に貧乏な世代で、今の時代とは違う。農業にしても先輩のノウハウ、先輩の力が重要だった。市民はマスコミに影響されることもある。先日、自動車税の切符の問題で、納税組合の廃止論がでていた。そういう組合もひとつの文化であり、今こういう隣近所が希薄になっている状況であり、田舎の村と村でも付き合いがなくなってきている。納税組合制度を利用し、今日は集金日だ、みんなが集まろう、おい元気だったか?という声をかけていくこともひとつの文化だろう。鳥取市独自の現状にあった制度を市政懇話会で皆さんに提言いただくこともあってもいい。

○山川スタッフ 先回まとめさせていただいた意見というのは、市の幹部を通じて今全ての関係各課に降りている。そして、各課が総合計画の中の基本計画というものの記述を書くにあたってそれぞれ今検討していただいている。

○委員 その中でそういうまとめられたものがこちらにフィードバックされ、それをもう一回見て、専門的な意見で、例えば教育委員会にこういうことにして欲しいというのは入るのか?

○大西経済観光部長 この市政懇話会がすべてではないが、皆さん方からいただいた意見をはじめ、各種の運動団体、商工会議所などいろんな形から意見を頂いている。今、基本計画ワーキングでどういう風に整理して載せるのか投げかけている。例えば、小中学校で教える、見学させるというものがあり、それは教育分野か、産業分野か調整は必要だが、意見はすべて参考にしている。これから発言も担当課には流れる。

○山下農林水産部長 フィードバックしてまた議論というのは、工程的に、全体の流れの中では無理。

○委員 人間にはいろんな持ち味があるが、性格、その中で長所はひとつか二つしかない。短所をわずらってどうしようかというより、長所をとにかく伸ばして、だれにも負けない突出したものにしようというのが大切と思う。商売も、大手と同じ所で戦っては絶対に勝てないので、大手ができないものをやっていくっていう考え。今鳥取も観光、産業振興も全国的に同じで、どこの県も持っている悩み。その中で、鳥取だけが生きていく長所をまず見つけること。うちの会社も低迷の中でトンネルの中に入ったが、最近我が社で作っている商品がおもしろい結果を出したので、小さな希望を持った。夢とか希望は裏づけがないといけないわけで、裏づけのないのにただ全国的に夢だ希望だ、夢ある文化とか言っていても仕方ない。そういう中で、この県民性と環境、自然、健康であるとか、そういう中でこれはというものがあるという気がする。先日松山城だとか岐阜城を見てきまして、お城がちゃんと残っている。なぜ鳥取はないのか。明治維新の頃の県民性で、あの頃の状況の中でほんとにリーダーシップを取れる人がいなかったんじゃないか。今、鳥取はその時のような気がする。変わろうとしているときに、普通のことを考えていく、誰でもが持っている特徴を伸ばそうとしている。

○委員 店にアピールが足らない。商品がモノを言ってくれるわけではない。積極性がない。若桜街道でもアピールがない。もっと目立つ、鳥取の人は目立たないことが美徳のように言われているが、美しい目立ち方、美しいというのは決して形がいいというのではなく、例えば農業している方が都会の人のいでたちをして、例えばふきを説明したり、ウドを説明したりしてもそれは、説得力がない。やはり、農家の方の雰囲気であるとか、作業着であるとか、着て説明する。それがそっくり商店街でもいえるし、産業でも言える。これは絶対誰にも負けない。これは鳥取県一。そういうものを探し出す。磨く。磨くためには行政と私たちとで一緒になって、磨くための作業をしなければならない。

○委員 消費者としての立場でいうと、ほとんど鳥取のお店を利用してない。7時に閉まるし。ほとんどのものを通信販売で買っている。本もCDもお酒も、化粧品も、お菓子からパンからうどんから、雑貨もほとんど通販に頼っている。パソコンでやれば、2日ぐらいで届く。それで、地元でなにを買っているかと考えれば、ガソリン、米、大根とか野菜、生の魚、あと子どものお医者さんのお金とか薬、塾のお金くらい。通販を利用している人っていうのは、なにをもってこれを欲しいというかというと、やはり情報。その商品にくっついている情報で、すでに家にあって、必要がなくても欲しいと思ってしまうと買ってしまう。うんちくを買っている。

○委員 梨シャーベットの話というのは、大量生産するのではなく、貴重品、数量限定で情報発信すると高くても欲しいと思う人は絶対いる。最近サントリーが1本100万円のウィスキーを発売して、あっという間に売り切れた。やっぱり情報にお金を出してる。ビジネスのソフト化、情報化はどんどん進んでいるので、店を構えて、あるいはモノを作って、さあ買ってという時代ではない。いかにおいしいと思わせるかというテクニックも必要になってくる。おばあさんが道端で農閑期に現金収入を得るためにへらでアイスをすくってアイスクリーム屋をしている。ババヘラアイスという名前をつけて本を書いた人がいる。発信の仕方が大事。

○委員 人を減らしてはいけないという話があった。以前、これからリタイアする人をターゲットにするというようなアイデアをだしたが、リタイアする人もいいが、これから子育てをする人ですね、鳥取県が日本で一番子育てしやすい環境を持っているのを政策的に、戦略的に労働支援施策でつくっていくべき。例えば、お子さんを育てている方が一番求めている施策の一つには在宅勤務制度の充実とか、フレックスタイム制度の充実とかいろいろあるが、鳥取はもっとそれを進めていく。そういうことに取り組む企業をもっと支えるという積極的な労働施策を推し進めていけば、優秀な人材も戻ったり、鳥大の卒業生なんかもここは、次世代を育てるのにいい環境だから、ここに留まって職を見つけようという人も出てくるかもしれない。

○委員 地域の方が、梨のジャムとか作っている。そういうのを販売していくと、目玉商品で割合よく売れるとか、そういうのに力をいれていったらと以前から思っていた。今も鳥取砂丘と鳥取空港の売店置いているが、手づくりの商品をうまく売っていけたら思っている。味噌とかも4倍くらい普通の味噌より値段が高くなるが、限定でそんなやつでもやってみたらいい。鳥取県は、20世紀というのは有名なので、それに関連した商品を開発して、売り込んでいけたらいい。

○委員 儲かる農業しないとやっぱり後継者ができない。なかなか米だけでは食べていけない。どういう格好でやっていけばいいか、これから考えることだと思うが、地域がみんなで盛り上げていかないと、個人では本当に難しい。

○委員 集落営農に関して、大学の農学部の学生を、市の職員として集落の中でリーダーシップとっていく人材として派遣することはどうか?

○山下農林水産部長 鳥取大学の卒業生もらっきょうに入っている。ただ、一番難しいのはいかに集落に溶け込んでいけるかが一番のかぎ。新しく新規就農できても、受け皿をきちんとしないと続かない。

○委員 いろんなアイデア、商品のアイデアも出ているが、それをビジネスにいかに結び付けるかということが一番のポイントで、みんなが悩んでいること。数字からみても、実際には農業の基盤がもう崩れてしまっている。しかし、生産基盤というものが崩れたかというと、そこには文化もあり人間の生活があるので、産業としての基盤そのものだというとらえ方ができないという要素が集落にはある。今一番かかえている問題は、担い手をどう養成するか、育成するかいうこと。担い手としてなりうる、耕作する土地を持っている耕作戸数は8%。第1種専業農家は7%。JA湖南支店では、わずか担い手は3人しかいない。担い手としてもこういう状況。

○委員 農家の25%はいうなれば自営的な農業。その中で耕作面積の80%は水田。その水田の40%は米が売れないから減反ということになっているので、まさに米づくりは、水田と集落の共同作業で成り立つがその基盤が全部壊れている。集落の特長も様々であるため、鳥取では集落営農が適している。そのリーダーになるのはJA。それをサポートするのが行政。50歳以上のJA職員は、金融共済、営農、各家庭の相談などあらゆることができ、農村集落のリーダーシップが取れる。複数の集落を掛け持ちすることで採算をとればいい。有限責任事業組合という法が通る。有限会社と任意組合を一緒にした性格のもので、ベンチャーなどに向く仕組み。この新しい仕組みを活用し、鳥取型の何か作れないだろうかという感じはしている。

○委員 売る商品、消費の行動も変わり、通販のウェートも増えた。生協のようなシステムもある。Webの発達で、いろんなものが変わった。消費の状況に対して流通の形態も変わった。だから、集落営農作って産業を興して、それをどういう風に商品開発を乗せるか、販売をどうするかということがこれからの一番大きな研究課題。市場も変わった。今までは、品物を市場に持っていき、そこで競って、そこではじめて値段が決めていたが、その原則がだんだんつぶれてきた。また、安全で安心なことが絶対。市場から出すものは信頼のおける商品を出さなければということ。手数料も自由化される。市場の競争が活発化し、合併などで集約されていく。Webを中心としてグループ化するし、そういうスタイルになるから、そういう世の中の流れのなかで、第1次産業をどういう風に位置づけてやるかということが、これからの8次総の中にしっかりと組み込んでもらわなくてはいけない。

○委員 花の世界でも、一週間に三回、一番最終は夜の11時。インターネットに全部花の商品が入る。それを、最後、お客さんの注文を受けて最後は11時に値段を決めて商談を終える。翌朝、品物が9時には市場にはいる。それを各花屋さんもWebでとっている。しかし、本来地元から出た花は地元の花屋さんで売って、商いが成り立つもの。商い額のピークは15億、今は2億5千万しか集まってない。さらに、今は地と仕入れと逆転している。梨の花もWebにのせたら、実とセットで進物用に使えるし、地元で作っている味噌だとかもWebにのせるなどすれば、アイデア次第で売れるのでは。お米でも、産直ブランドをどうつくるか、などの知恵はあるが、誰かがそれをWebにのせてやればいい。

○石谷副市長 農林業、なかなか決定打がなく、行政は行政なりに、JAさんはJAさんなりにやってきているが、なんか決定打がなくて困っている状況。平成17年度の農業振興についてもいろいろ議論してきたが、当初予算も皆さんに自慢できる中身でもなく、どうすれば鳥取の農業振興策として効果的なのか、いい知恵がないというのが実態。

○大西経済観光部長 梨シャーベットの件は、工場を建てて大量生産しようというのではなく、実際製造するところを見るとこんなボウルを持ってね、その中で、スプーンでいれているという実態。加工場自体もきちんと整備された物ではありませんし、実験的に作って、販路ができたら製造するという感じ。地元の行政関係のホテルであっても施設であってもいいが、そういう所から売り出していって、第2の馬路村になって欲しい。そうすると商業ベースにのってJAさんの力ででも、きちんとした工場が建てられて、それだけで梨の加工場という物ができるのかなと、行政も支援して、農と商をつなげられるのかなという思い。

○委員 最初からそして今日までで集落営農という問題が出て、どこかの時点でこの会の、具体的な部分に関与していくということではなく、職員から聞かせてもらったり、意見がいえるような場が欲しい。一つは土地なんですが、それと同時に一つは経営。要は、集落が全部受けるといっても条件が整ってなく、今集落がしなければいけないのは、農地を地縁的に全部まとめて組織的に出し手になるということ。村ぐるみで集落ぐるみで農地をまとめて出し手になる状況をつくる。そこに、村の中でやったろうかという人がいればそれでいいし、なかったら外からの担い手が入って啓発して、我々はそれを地域連携型の集落営農といっているが、自分で成り立たたないようであれば、農地をまとめて使って下さい、という条件をどうするかということ。集落である意味ではビジョンでしょうし、ある意味では組織化。

○委員 そういう村の話しあいをどういう風にもっていくかというのは、行政の責任でもあるし、責務でもあるし、支援策でもある。同時に、農協がやられることというのは、担い手にかわってというのはあると思うが、もうひとつは、作業として支援していくこと。経営までをまるごとというのは、今のJAではできる仕組みになってない。

○委員 食の教育の問題に関して、今、食の教育、食育というかたちで進んでいるが、国民運動だ、責務だということになり、一人歩きして、行きつくところはバラバラなところに行く恐れがある。それは、イベントで終わろうとしている、一過性で終わろうとしているということ。極端な言い方をすればやらせであり、人数と回数で評価しようとしている。そういう面から、食の教育、食育というもの、本当に子どものために何ができるか、何をするべきかということを、学校給食のサイドからも家庭からも、みんなで真剣にここは組み立てておかないといけない。

○委員 これは家庭の方がむしろ責任をもって、学校に対してはこうである、とお互いの連携プレイでやれるような食の教育の組立て、そういうことを総合計画の中にもなんか全部請け負ってどこかでやりますとか言ってしまうと、偏った責任感になってしまいますので、そこのところ気をつけてほしい。

○山下農林水産部長 集落営農について、個人的にはある程度感じているものの、実際のところ農家の方にあまり危機感がない。今、役所としてどういう入り方をしようか悩んでいるが、とりあえず、旧市のJA各支店ごとに入っていくこととしている。啓発が大切。10年後どうなるかというのは、感覚的には、確かに高齢化、老齢化はわかるが、具体的にこの田んぼをどうするのかといった議論を重ねて、そこから、危機感を感じてもらうことをしないと、机上の話になる。そのためにも、複数のリーダーが必要。一番そこがポイントである。大型機械を誰か若い人でもオペレーターになってもらって、そのかわり、井手掃除はみんなでやろうとか、まだ、村に村意識が残っているから、今のうちはまだ大丈夫なので、今からの準備が大切と思う。10年くらいはかかるが。
食の教育は家庭が基本だ。これだけ外食産業が盛んな今日では、まず、家庭からやる問題。農業というのは身近に感じてもらうことが先決。イベントとかもあるが、本当に農業を身近に子供たちが感じるというのは田植えをしたりすること。自給率の問題も同じ。自給率を上げるのは難しい。これだけ生産量が下がっていって、自給率が上がるわけがない。そこで国が考えてきだしたのは、昔の日本型の食事をしようということ。例えば卵の自給率は10%。飼料、えさも計算の中に入るため。肉なんかも10%ない。昭和30年くらいは米と肉と油だとかは55、6%、割合も米が半分以上だったのが、割合が肉だとか調味料、油とかに増えていったため、自給率が70%くらいだったのが下がってきた。だから、昔のようにしていけば、自給率が上がると国が言ってる。

○山川スタッフこの部会は、年3回ということで今年度あと2回予定させていただいている。次回は8月で考えている。このように机の上で顔を突き合わせて議論していただくのもあるが、先回の部会でもどこか、マイクロしたてて、視察でもという話もあり、また、各委員さん方に相談させていただきながら、また、最終的に部会長と相談としながら決めさせていただく。

○委員 みなさん、お疲れ様でした。

―終了―

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