Tottori City News Letter   
とっとり市報2007年10月1日
    

特集 姫路・岡山・鳥取 3都市連携 
三都城下町のまちづくり 〜3市長鼎談〜

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右から 高谷 茂男 岡山市長、竹内  功 鳥取市長、石見 利勝 姫路市長
司会 山陽新聞社論説委員 金森 満廣氏

 姫路・岡山・鳥取の3市が圏域を越えた新たな都市連携を目指そうと設立した「姫路・岡山・鳥取城下町物語推進協議会」の記念行事が、8月18日(土)に岡山県立美術館で行われました。記念講演や3市長による鼎談が行われたほか、3市の経済団体や観光団体、自治会、婦人会などにより活発な交流が図られました。


HOTトライアングル
「HOT」は姫路(Himeji)の「H」、岡山(Okayama)の『O』、鳥取(Tottori)の『T』の頭文字から引用。姫路、岡山、鳥取の3都市を結ぶ三角形(トライアングル)が熱い(hot)絆で結ばれ、3市に訪れたみなさんが「ホット」くつろぎ、楽しんでいただける都市を3市一体となってめざす。そんな期待を込めてこの愛称が生まれました。

姫路・岡山・鳥取 城下町物語推進協議会
(愛称:HOTトライアングル)
 この協議会は、江戸時代の池田家の国替えなどにより歴史的な結びつきが強い3都市が、2009年の鳥取自動車道の開通など良好な交通アクセスを活かして圏域を越えた連携・交流を推進することで、各都市の更なる発展を目指そうと、本年2月に発足しました。

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3都市の市民が交流を深めました
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3都市のイベントキャラクターも勢ぞろい


3市長鼎談
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竹内鳥取市長
司会 まずは、平成の大合併を終えて、これからのまちづくりについてお聞きします。 石見姫路市長 人口53万人の姫路市は、世界文化遺産の姫路城があるということで、歴史・文化のまちと言われることが多いのですが、本当は工業都市なのです。播磨(はりま)という地域の製造品出荷額は約5兆円で、全国の全政令市よりも多い。横浜、東京よりも多い。そういう意味では、ものづくりの地域なのです。これからは、美しい潤いのあるまちにする必要があります。姫路城を活用して、市民のみなさんとともに生活を楽しむことができる美しいまちを創(つく)っていきます。幸い合併によって、きれいな山や美しい海、渓流が加わりました。「工業都市・姫路」に「歴史・文化・観光」の潤いをどう加えていくかということが、これからのまちづくりの非常に大事な柱になります。

竹内鳥取市長 今年の2月にスタートした3都市連携。早速、岡山市でこのような記念行事が開催されたことは、大変喜ばしく、大きな意義があります。歴史に学びつつ、3都市が深く連携して、それぞれの都市が相補いつつ発展していきたいと思います。
  鳥取市は、平成16年11月に8つの町村と合併し、人口20万の特例市になりました。合併により、3都市の距離は物理的に縮まりましたが、今後、鳥取自動車道が開通することによって、時間的にもますます縮まります。この無料の高速道路を活かして、「活力があり、そして夢があり誇りの持てる20万都市」をどんどん前進させていきたいと考えています。

高谷岡山市長 岡山市は、合併により人口70万になり、平成21年の政令指定都市移行を目指して頑張っています。地方分権、将来の道州制を見据えて、都市間競争に負けない都市にしていきたいと思っています。岡山は、自然豊かで天災も少なく、道路網も整備された住みよいまちです。岡山に住んでみたい、住んでいる人も、住んでよかったと思えるまちを市民のみなさんと一緒に創っていきます。  3都市は、まちづくりの問題を共有し一緒に考えながら、観光に行ったり、来てもらったり、そういった感じで一緒にやっていきたいと思います。 司会 次に、3都市間の交流に何を期待しているのか、どうすれば連携が可能になるのかという点についてお話を伺います。 高谷岡山市長 単に近くだからという理由だけではなく、池田公の心を共有しながら、これから生きていく我々が一緒になって、活力のあるまちを創っていこうというのが、連携の目的だと思います。まず、市民交流を
積極的に進めていくべきです。姫路にはお城やお祭りがあり、鳥取には砂丘や温泉があります。わざわざ遠くに行かなくても、近くにいいものがたくさんあるんです。気軽に行き来できる環境をつくることが大切だと思います。

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石見姫路市長
石見姫路市長 一つ目は地産地消を進めるため、市(いち)が立つまちを創りたいと考えています。その市(いち)の輪を広げて、鳥取の梨や岡山の桃などの3都市のおいしいものも並べます。
 二つ目は未来志向型の産業を興したい。特にバイオとか無農薬農業。岡山大学と鳥取大学には農学部があるが姫路にはない。姫路に分校を誘致してもらえないかと考えています。
 三つ目は観光です。姫路城には外国人もたくさん来られます。しかし、姫路には空港がありません。岡山空港、鳥取空港との協力体制で可能性が広がると楽しみにしています。

竹内鳥取市長 池田家という共通な面だけではなく、違った面があるのが、この3都市の連携のよいところだと思います。
 鳥取には、乾燥地研究センターという、世界に誇る乾燥地研究の施設が、姫路には西播磨テクノポリスに大型放射光施設が、そして、岡山には、中国・韓国・グアムなどとの定期便を持つ国際空港があります。それぞれに違いがあってこそ、連携ができるのです。
  観光面では、まず、岡山は富川(プチョン)市、姫路は馬山(マサン)市、鳥取は清州(チョンジュ)市という、それぞれの韓国の姉妹都市に対し、姫路・岡山・鳥取をめぐるモニターツアーを呼びかけてみたらどうかと考えています。

司会 3都市を一つの観光エリアと考えて、韓国の3都市に周遊観光を呼びかけるという竹内鳥取市長の提案についてどう思われますか。

高谷岡山市長 観光PRも一緒にやれば非常に効率的だと思います。韓国の姉妹都市を中心に我々3市でぜひPRをしてみたいです。その際は、ぜひ岡山空港を利用していただきたいと思います。

石見姫路市長 これからの観光は、普通に地域の観光資産を見るのではなく、シナリオのある、ひとひねりしたものが望まれます。例えば、池田公ゆかりの3都市を巡るツアーとかが、成り立つと思います。

司会 3都市の連携強化では、行政のみならず、今後は市民あるいは民間の方の役割も大変重要になってきます。どのような役割を期待していますか。

竹内鳥取市長 私も、民間や市民の交流が、一番大切だと思います。例えば、鳥取市は、昭和47年から姫路市と姉妹都市交流を続けており、毎年20名程度の中学生がお互いの市で合宿をしています。その数は、延べ2600人にもなり、大きな成果を上げています。
  合併後の鳥取市は、市民と行政の協働とか、地域のコミュニティーの充実・強化、すなわち地域力の強化が大きなテーマです。民間や市民のみなさんが交流する中で、お互いの経験を学び合えば大きく進展するのではないとか期待しています。

石見姫路市長 行政が小さな溝を引いて、その後、民間が太くしていくという形が良い。一つはお祭り交流。3都市の市民が、相互に祭りやイベントに参加し、盛り上げていってはどうか。
 もう一つは教育交流です。教育は、見せて体験させることが大事で、鳥取砂丘を見ることによって砂漠の緑化を学び、岡山へ行って桃がどのように木になっているのかを初めて知ることができる。また、高齢者向けの文化事業などで、相互に参加できるようにするといったこともいいですね。

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高谷岡山市長
高谷岡山市長 将来的には、3都市間で産学官共同研究や企業誘致とか考えられますが、とりあえずは、遊び、楽しさ、おいしさとかを目的にして、毎月3都市が交流できるようなプランを旅行代理店に作ってもらってはどうでしょうか。四季折々で、今月は鳥取へ行こうとか、今月は姫路へ行こうとか、今月は岡山へ来てもらおうということを、いろいろな旅行会社が競争していけば、良い企画も生まれてくる。その積み重ねが、本当の意味での民間交流に繋がっていくと思います。

司会 最後に一言お願いします。

高谷岡山市長 みなさん、今日は岡山にお越しいただき、本当にありがとうございました。次回の3都市の交流会は、来年4月に全国菓子博覧会が開催される姫路市で行うことになりましたので、よろしくお願いします。

竹内鳥取市長 圏域の違う3都市ですが、それぞれの特性や都市機能を生かして連携し合えば、地域活力や市民生活の豊かさが向上すると思います。
 来年の2008年には、日本一の鳥取砂丘に「砂の美術館」がオープンします。2009年には鳥取・因幡の祭典が開催されます。ぜひ鳥取に見に来てください。

石見姫路市長 近畿の最西部である姫路と中国の最東部である岡山と鳥取が、トライアングル連携したことは、痛快な話です。これをロマンあふれる物語にしていきたいですね。 司会 今日の鼎談(ていだん)で、歴史的な条件と地理的な条件をうまく生かして、仲良くやっていこうという、3市長の合意ができたように思います。この3都市のHOT(ホット)トライアングルが、文字どおり熱い関係になることを期待しています。


●池田家が結ぶ城下町三都
  3市の歴史的な結びつきは深く、江戸時代の池田家の国替え等により、家臣、商人など多くの人々の移動や交流が幅広く行われてきました。


池田家年表(抜粋)

慶長5年 (1600年)
池田輝政が関ヶ原合戦の後、播磨国52万石を与えられ姫路城に入る。池田輝政の弟である池田長吉が鳥取6万石の城主となる。

慶長18年 (1613年)
池田輝政死去により池田利隆が姫路藩39万石を相続する。

元和1年 (1615年)
池田忠雄が淡路6万石から岡山に転封され岡山31万5千石の藩主となる。

元和3年 (1617年)
池田光政が姫路から鳥取に転封され鳥取32万石の藩主となる。

寛永9年 (1632年)
池田光政は、鳥取から岡山に転封され岡山31万5千石の藩主となり、池田光仲が岡山から鳥取に転封され鳥取32万石の藩主となる。

姫路市
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世界文化遺産「姫路城」
 姫路市は、兵庫県の南西部に位置し、広大な播磨平野を中心に、北は中国山地、南は瀬戸内海の島々にかけて広がる播磨の中核都市。古くから交通の要衝として発展し、播磨地方の政治・経済・文化の中心地として栄えてきました。
 世界遺産・姫路城や書写山円教寺など数多くの歴史的遺産をはじめ、日本三大けんか祭りの一つとされる「灘のけんか祭り」など市内の各地域に伝わる祭り、地場産業など個性あふれる多彩な地域資源が今も多く残っています。
 市制施行は1889年4月で、1996年4月に中核市に移行しました。2006年3月には、周辺4町と合併し、人口53万人、面積534平方kmの新しい姫路市が誕生。播磨の中核都市にふさわしいまちづくりを進めています。 石見姫路市長


岡山市
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特別名勝「岡山後楽園」
 岡山市は、県南部に位置し、旭川・吉井川を有する水資源に恵まれた平野に発展。古代より吉備文化発祥の地として栄え、市西部には全国4番目の大きさを誇る造山古墳、桃太郎伝説にまつわる多くの史跡が残っています。江戸時代は池田藩の城下町として栄え、1889年6月に市となり、周辺市町村の編入・合併により1974年には人口50万人に達しました。
 山陽新幹線の開通、瀬戸大橋、岡山空港、高速自動車道などの整備も進み、96年には中核市に移行。中国・四国のクロスポイントとして、拠点性は一段と高まりました。
 白桃・マスカットの産地であり、瀬戸内海では、サワラ・ママカリなどの海の幸にも恵まれています。人口70万人となった現在、政令指定都市移行を目指したまちづくりを進めています。 高谷岡山市長

■問い合わせ先  市役所本庁舎企画調整課 TEL (0857)20-3153
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