鳥取市

青谷町の地勢・沿革登録日:

●地勢

 鳥取市の最も西側に位置する青谷(あおや)町は、面積68.2平方kmで、山地、溶岩台地が多くを占め、勝部川と日置川が、二つの谷と河口に青谷平野を形成して、北の日本海に流れ注いでいます。海岸線には、日本海に突出した溶岩台地の長尾鼻(ながおばな)などの岩礁海岸、その間に井手(いで)ヶ浜など鳴り砂の浜、そして砂丘が広がっています。

 

●沿革

 青谷町に人が住み始めたのは、土器や石皿(いしざら)、石斧(いしおの)などの出土から縄文時代と推測されています。続く弥生時代の主な遺跡としては、平成10年、青谷羽合道路建設に伴う発掘調査で発見された弥生時代の集落跡「国史跡青谷上寺地(かみじち)遺跡」があります。この遺跡からは、日本海沿岸地域との交流や漁労、農耕、衣食住などの遺物が驚くほどのよい保存状態で出土し、護岸工事跡や祭り場跡などの遺構を含め、「地下の弥生博物館」と称されています。こうしたことから、青谷は、2,000年前の弥生時代には海をとおした交流の拠点として栄えていたことがわかります。

 

 古代から中世、近世にかけては、青谷は因幡国(いなばのくに)(現在の鳥取県東部)の気多(けた)郡(ごおり)に属し、日置(ひおき)郷(ごう)と勝部(かちべ)郷(ごう)に分かれていました。都と最短で結ぶ「古代山陰道」が整えられ、その遺構が出土しています。青谷には、因幡国内の主要駅「柏尾(かしお)駅」(「相屋(あいや)」の誤りとする説)が設置されており、中世末には鹿野城主亀井(かめい)茲矩(これのり)が領地として治め、用水路と水田の整備を進めるとともに、青谷港(芦崎(あしざき)湊(みなと))は、亀井公による「朱印船貿易」の本拠地長崎と結ぶ重要な港でした。江戸から明治時代にかけては、青谷は、廻船(かいせん)が行きかい廻船問屋が建ち並ぶ港町としてにぎわいました。青谷の廻船問屋が船主であった廻船の中には、北前船(きたまえぶね)と呼ばれた大型船もあり、商品を売り買いしながら日本海航路(西廻り航路)を行き来しました。中でも、青谷木綿は大阪で、青谷産のイタヤ貝干身は長崎で盛んに取り引きされました(*1)。なお、青谷は、江戸時代に宿駅(しゅくえき)(飛脚(ひきゃく)の中継所)が置かれ、山陰道(伯耆(ほうき)往来(おうらい))の宿場町としてもにぎわいました。また、特産の因州和紙は、鳥取藩の御用紙として保護奨励され、日置の地で盛んに生産されました。

 

 明治4(1871)年の廃藩置県により鳥取県が誕生しました。明治10(1877)年に最初の合併が行われ、その後数度の改変を経て、明治21(1888)年の町村制の公布に伴い、青谷村(現在の青谷地区)が誕生し、大正3(1914)年に町政を施行し青谷町となりました。

 

 昭和28(1953)年に、青谷町、日置谷(ひおきだに)村、勝部村、中郷(ちゅうごう)村が合併し、さらに昭和30年には日置村を編入して現在の青谷町が誕生しました。当時は12,367人2,361世帯の規模でした。

 

 以後、昭和33(1958)年、中学校統合。昭和36(1961)年、商工会設立、農業協同組合統合。昭和40(1965)年、町営住宅第一号完成。昭和50(1975)年、因州和紙が国の伝統工芸品の指定。同年、大阪府池田市が町内に池田市少年自然の家を建てたのを機に、池田市との交流が始まり、平成元(1989)年姉妹都市提携。交流活動としては、池田市民カーニバル、池田市農業祭への参加など。平成3(1991)年池田市と交流している中国蘇州(そしゅう)市の紹介で隣接する中国太倉(たいそう)市との交流を開始し、平成7(1995)年友好都市調印。交流活動としては、県立青谷高等学校で日・中・韓高校生国際シンポジウム開催。太倉市訪日代表団、青谷町国際交流青少年使節団派遣など。平成5(1993)年、あおや郷土館と新庁舎のオープン。平成10(1998)年、青谷ようこそ館、かちべ伝承館オープン。平成13(2001)年、青谷上寺地遺跡展示館オープン。平成14(2002)年、あおや和紙工房オープン。

そして、平成16(2004)年11月、鳥取県東部9市町村(鳥取市、国府町、福部村、河原町、用瀬町、佐治村、気高町、鹿野町、青谷町)が合併し、鳥取市となりました。

 

*1)青谷は、賀露とともに鳥取市として日本遺産「北前船寄港地・船主集落」に認定(2018年)されています。

 

このページに関するお問い合わせ先

青谷町総合支所 地域振興課
電話番号:0857-30-8692
FAX番号:0857-85-1049

ぜひアンケートにご協力ください

Q1. このページの内容は参考になりましたか?
Q2. このページの内容はわかりやすかったですか?
Q3. このページは見つけやすかったですか?
Q4. このページはどのようにしてたどり着きましたか?