もっとよく知ろう!「ジェネリック医薬品」更新日:
近年、医療の高度化や急速な高齢化に伴い、家計に占める医療費の割合や医療保険財政の負担は年々大きくなっています。鳥取市国民健康保険においても、下のグラフのように医療費は増加の傾向にあります。
「医療費」は、加入している皆さん(被保険者)からいただく「保険料」で支えられていますので、このまま医療費が増え続けると、保険料額を上げる必要があり、家計への負担が今以上に増えることになります。
そこで、注目されているのが「後発医薬品(通称:ジェネリック医薬品)」です。
今では、ジェネリック医薬品を選ばれる方が徐々に増えていて、鳥取市国民健康保険では、被保険者が使用するお薬の82.8%(令和5年9月)がジェネリック医薬品です。
では、どうしてジェネリック医薬品が注目されているのか、ジェネリック医薬品が家計の負担とどう関係するのか、わかりやすくご紹介してきます。
- ジェネリック医薬品はどんなお薬?
- 先発医薬品と後発医薬品(ジェネリック医薬品)の違いは?
- ジェネリック医薬品は安全なの?安心して飲めるの?
- ジェネリック医薬品を使用するにはどうしたらよい?
- ジェネリック医薬品が身体にあわない場合は?
- ジェネリック医薬品を希望していることを自分から言いづらいです…
ジェネリック医薬品ってどんなお薬なんですか?
「ジェネリック」という言葉はテレビCMで聞いたことあるけど…
皆さんが病気やケガをされたときに使用されるお薬は、大きく2つに分けられます。
1つは、薬局やドラッグストアなどでいつでも購入できる「一般用医薬品」で、もう1つは、病院で医師に処方してもらい薬局などで受け取る「医療用医薬品」です。(医療用医薬品は「処方せん」が必要です。)
さらに医療用医薬品については、『先発医薬品』と、今回ご紹介する「後発医薬品」別名『ジェネリック医薬品』とに分類されます。
まめ知識 (「ジェネリック医薬品」という名前の由来)
先発医薬品の商品名は、薬効、覚えやすさなどをイメージ化したものが多いのに対して、後発医薬品は、薬の有効成分名を使って名前が付けられ、近年ルール化されています。
この有効成分には元々化合物名がついていますが、長く、わかりにくいなど実用的ではないことから、使いやすくするために「一般名Generic name」というものが付けられています。後発医薬品は、有効成分名すなわち一般名を使用して名前を付けられていること、また、欧米では、商品名でなく一般名で処方することが多いことから「ジェネリック医薬品」と呼ばれています。
ジェネリックとは「一般的な」を意味する英語に由来しています。
じゃあ、先発医薬品と後発医薬品(ジェネリック医薬品)はどのような違いがあるの?
この世で最初に開発され誕生したお薬を「先発医薬品(総称)」と呼んでいます。先発医薬品というお薬は、研究から製造に至る道のりがとても険しくて、一般的に約15年から20年もの期間と、数百億円という膨大な費用がかかると言われています。その分、お薬の金額は高くなりますし、開発費用などの回収のため、先発医薬品にはおおよそ20年から25年の特許期間が認められています。
一方で、先発医薬品の特許期間が切れた後に、そのお薬の特許情報や技術をもとにして他の医薬品メーカーが製造するお薬を「後発医薬品(通称:ジェネリック医薬品)」と呼んでいます。ジェネリック医薬品は、約3年から5年の期間で完成し、開発費用は1億円程度に抑えられるため、その分お薬代が安くなります。ジェネリック医薬品の価格は、先発医薬品と比較して通常3割から7割程度安くなると言われています。
お薬代が安くなるのは嬉しいけどでも、ジェネリック医薬品は安全なの?安心なの?
ご安心ください。
ジェネリック医薬品も先発医薬品と同じく、国の審査機関(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)により「品質」「有効性」「安全性」などの厳格な審査が実施され、さまざまな基準をクリアして、最終的に国(厚生労働大臣)によって承認されています。
つまり、先発医薬品と同じレベルであることが証明されたお薬ということになります。ジェネリック医薬品は先発医薬品と同様に徹底された製造・品質管理が行われているため安全なのです。
また、ジェネリック医薬品は、先発医薬品と同じ有効成分が含まれているので、同等の効き目があります。味や色を付けるための添加剤や、薬の形などは必ずしも同じという訳ではありませんが、ジェネリック医薬品は、最新の技術により、錠剤タイプのお薬は大きさを極力小さくし、苦味のあるお薬はフルーツ味等をつけて飲みやすくし、また、口の中でとけるタイプの錠剤にするなど、先発医薬品と比べて飲みやすさや使用感が向上しているものもありますので、より安心して使用していただけると思います。
今度病院でお薬を処方してもらうことがあれば「ジェネリック医薬品」を使用してみたいけど、どうしたらいいの?
病院での診察後に処方せんを受け取ると、薬局に行かれると思います。その際に、薬局の薬剤師へジェネリック医薬品に変更可能かどうかを相談してください(診察の際に、医師に相談いただいても結構です)。薬剤師は、処方せんを見てジェネリック医薬品の使用が可能であるかどうかを確認した上で、お薬についての説明をします。
最終的には患者さんが納得した上でジェネリック医薬品を使用していただきます。
なお、先発医薬品の特許が切れていない場合、ジェネリック医薬品は開発・製造されていません。つまりは、全てのお薬にジェネリック医薬品が存在するというわけではありません。また、医師がジェネリック医薬品を使わない方がよいと判断する場合もあります。
なるほど!
医師や薬剤師のチェックの上でジェネリック医薬品を使うことができるのですね!
はい。いきなりジェネリック医薬品に変更するのは不安があるという方は、短期間お試しで利用することもできます。万が一、ジェネリック医薬品がお身体にあわない場合は、「処方されたお薬」と「お薬手帳」を持って、お薬を受け取られた薬局もしくはかかりつけの薬局にご相談ください。
また、ジェネリック医薬品を希望していることを言い忘れたり、自分からお医者さんや薬剤師さんに言いづらいという方もいらっしゃると思います。
このような場合、ジェネリック医薬品を希望する際の手続きを簡単にするため、病院や薬局の窓口で「ジェネリック医薬品希望カード」や「保険証ケースタイプの希望カード」を提示することで意思表示する方法があります。(保険証の空いているスペースやお薬手帳にシールを貼る方法もあります。)
この希望カードなどは、国民健康保険等の各医療保険者の窓口等で無料配布を行っていますし、インターネットで無料ダウンロードすることもできます。鳥取市役所でも本庁舎1階総合情報スペースに希望カード等を配架しています。
ジェネリック医薬品等に関するリンク集
- 厚生労働省(後発医薬品(ジェネリック医薬品)の使用促進について)
- 厚生労働省( ジェネリック医薬品への疑問に答えます ~ジェネリック医薬品Q&A~)
- 一般社団法人鳥取県薬剤師会
- 日本ジェネリック医薬品学会(ジェネリック医薬品の検索などができます。)
- 日本ジェネリック製薬協会(かんたん差額計算などができます。)
- くすりの適正使用協議会(くすりの使い方、くすりの検索などがあります。)
このページに関するお問い合わせ先
電話番号:0857-30-8227
FAX番号:0857-20-3906