太陽系外から来た彗星をとらえた登録日:
太陽系外から来たと話題の彗星、「ボリソフ彗星(2I/Borisov)」を、鳥取市さじアストロパークでは継続して観測しています。
彗星はおもに氷でできた天体で、太陽のまわりをまわる太陽系の天体です。理論的には太陽系外からも彗星や小惑星などの小天体がやってくることが予想されていましたが、これまでの数百年間の観測から、そのような天体は見つかっていませんでした。2017年、初めて太陽系外から来たと思われる天体が見つかり「オウムアムア」と名付けられました。今回の彗星は2例目となります。
この彗星は2019年8月30日、ロシアのボリソフさんによって発見され、その後の観測から、太陽系外から来たことがわかり、2019年9月24日、国際天文学連合小惑星センターにより、太陽系外から来た2番目の天体として、「2I/Borisov」と命名されました。
9月は月明かりの影響で、良い画像をとらえることができませんでしたが、10月9日早朝は月明かりがなく、103cm反射望遠鏡に天体専用デジタルカメラを付けて、撮影することができました。観測の結果、明るさは17.2等(V等級)、尾が位置角311度の方向(北西)に、2.5分伸びていることが確認できました。その後、10月31日にも撮影できました。
この彗星は2019年12月8日(世界時)に、太陽にもっとも近づき(およそ3億km)、また太陽系外へと去っていきます。もっとも明るくなっても15等級で、目で見える最も暗い星6等星の3800分の1の明るさにしかなりませんので、家庭用の望遠鏡では全く見えませんが、アマチュア天文家が持っているような望遠鏡にデジタルカメラを付けて撮影すれば、その姿をとらえることができます。
これからしばらく観測可能ですので、鳥取市さじアストロパークの103cm反射望遠鏡(愛称:キラット望遠鏡)で定期的に観測する予定です。
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