アトラス彗星 C/2019 Y4 (ATLAS) 中心部の崩壊登録日:
2020年5月末、太陽に大接近して、目で見えるくらい明るくなることが期待されていた「アトラス彗星 C/2019 Y4 (ATLAS)」が、3月末に中心部が崩壊し消滅に向かっているようです。
彗星(すいせい)は、主に氷でできた天体で、太陽の熱にあぶられると溶けて、尾を引いたりします。アトラス彗星は1844年に現れた彗星と軌道がよく似ていることが指摘されており、その彗星が分裂したものではないかと考えられていました。太陽に最初に近づく彗星は、予想より明るくならない傾向にありますが、今回の彗星は少なくとも1回は太陽に近づいていますので、より期待が高まっていたように思います。
鳥取市さじアストロパークにある103cm反射望遠鏡でも、この彗星を継続して撮影してきました。下の画像は、3月17日、4月10日、4月14日に撮影した彗星の中心部を、コンピュータで3倍に拡大して並べたものです。3月17日にはしっかりと光り輝いていた中心部が、4月10日には全体的に拡散した感じで細長くなり、4月14日は先端に光り輝く部分が現れていることが確認できます。おそらく、4月14日の現象は、中心核が崩壊したことで、内部からフレッシュな氷が現れ、それが活発な活動を始めたものと思われます。これから、どのように変化するが楽しみです。(なお、4月14日の画像の真ん中に見られる、バラバラとしたかたまりは複数枚の画像をコンポジットした時の星のノイズです)
いずれにしましても、アトラス彗星は消滅に向かって、だんだんと消えていくものと思います。鳥取市さじアストロパークでは継続して、この彗星の観測をしていく予定です。
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