鳥取市

ハンセン病問題の正しい理解に向けて登録日:

ハンセン病とは

 ハンセン病はらい菌に感染することによって起こる感染症ですが、その感染力は極めて弱いとされています。感染し発病すると、手足の末梢神経が麻痺したり、熱さや痛みといった感覚がなくなったり、治療法がない時代は体の一部が変形するといった後遺症が残ることもありました。衛生状態や栄養事情が改善したいまの日本では、感染することも発病することもほぼありません。また、早期に発見して適切に治療すれば、後遺症を残さずに治る病気です。

ハンセン病問題の歴史

 ハンセン病については、平成8(1996)年に「らい予防法」が廃止されるまで、国や地方自治体により強制隔離政策が行われ、患者、回復者の人権が著しく侵害されるとともに、その家族の方々も偏見や差別にさらされてきました。

 平成10(1998)年 入所者らによって熊本地裁に国のハンセン病政策の転換が遅れたことなどの責任を問う「らい予防法違憲国家賠償請求訴訟」が提起されました。

 平成13(2001)年 熊本地裁は国の責任を認め原告勝訴の判決が下されました。国はハンセン病問題は早期に全面解決する必要があるとし、原告の主張を受け入れ、控訴をせず、ハンセン病問題の早期解決に取り組む決意を表明しました。その後、「ハンセン病療養所入所者等に対する補償金の支給等に関する法律」が施行されました。

 平成21(2009)年4月 「ハンセン病問題の解決の促進に関する法律」が施行されました。国の隔離政策に起因してハンセン病の患者であった者等が受けた身体、財産、その他社会全般にわたる被害の回復には、未解決の問題が多く残されているとし、ハンセン病問題の解決の促進を図るため、ハンセン病元患者等の福祉の増進、名誉の回復等のための措置について規定しています。

 平成28(2016)年 ハンセン病元患者の家族が、熊本地裁に対し、隔離政策により患者だけでなく、その家族も偏見や差別の対象とされたとして損害賠償を求める裁判を起こしました。

 令和元(2019)年6月 国の謝罪と賠償を求める判決が出され、家族もまた隔離政策の被害者であるとされました。これに対し、国は「家族を対象とした新たな補償の措置を講ずることとし、患者・元患者やその家族がおかれていた境遇を踏まえた人権啓発、人権教育などの普及啓発活動の強化に取り組みます」との内閣総理大臣談話を公表するとともに控訴を断念しました。

 令和元(2019)年11月22日 「ハンセン病元患者家族に対する補償金の支給等に関する法律」が施行されました。法律に基づき、国から、対象となるハンセン病元患者のご家族に補償金が支給されます。

 ハンセン病問題はまだ終わっていません。現在も故郷に帰ることなく、肉親と再会できない元患者の方、身内にハンセン病回復者がいることを打ち明けることができない方々は多くいらっしゃいます。ハンセン病回復者やその家族の方々が安心して暮らしていけるよう、私たちは、ハンセン病について正しい知識を身につけ、理解することが大切ではないでしょうか。

 

同じ過ちを繰り返さないために

 現在、新型コロナウイルス感染症に関する誹謗中傷などの偏見や差別が全国的に起こっています。

 ハンセン病と新型コロナウイルス感染症を単純に比較できないものの、感染症に対する誤った知識や見解が偏見や差別につながるということはどちらも共通していると言えます。

 同じ過ちを繰り返さないために、私たち一人一人がハンセン病について正しい知識と理解を持つことが、これまで長く続いてきた偏見や差別をなくす第一歩です。ハンセン病問題に関心を持ち、偏見や差別をなくしていきましょう

 ハンセン病問題関連資料

ハンセン病資料集(鳥取県HP)(外部リンク)

●視聴覚教材DVD 「ハンセン病問題/家族で考えるハンセン病」 (カテゴリー「病気にかかわる人の人権に関する問題」) 

 ハンセン病問題含め人権啓発のための視聴覚教材(DVD)や書籍の貸し出しを無料で行っています。

 貸出場所は、鳥取市人権情報センター(鳥取市幸町151 人権交流プラザ内)。詳細は、下記の関連リンクからご確認ください。

 

このページに関するお問い合わせ先

人権政策局 人権推進課
電話番号:0857-30-8071
FAX番号:0857-20-3945

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