鳥取市

令和2年度 第4回 鹿野地域振興会議  登録日:

第4回鹿野地域振興会議議事概要
(南部町・地域共生社会実現拠点「いくらの郷」、「なんぶ里山デザイン機構」視察)

 

日 時:令和2年10月9日(金) 午前8時30分~午後4時45分

場 所:地域共生社会実現拠点「いくらの郷」、お試し住宅と交流空間「えん処 米や」

 
【出席委員】

山下直司、兼平恵、砂川重雄、山本章、筒井洋平、向井健太朗、田中文子     以上7名出席(敬称略) 

【欠席委員】

高田守、小川義和、佐々木千代子、池原美穂、藤原真道(敬称略)

【事務局】

米田支所長、岡田産業建設課長、三谷市民福祉課長、小林地域振興課長補佐

 
【市民生活部地域振興課】

山名課長補佐

 
【日 程】

1 地域共生社会実現拠点「いくらの郷」

(1)開  会

(2)あいさつ
  社会福祉法人 伯耆の国  山野理事長                  
  筒井副会長   

(3) 視察研修
    ニート・引きこもりなど若者支援を通じた地域住民との地域共生社会
    実現拠点「いくらの郷」の活動について
(4)謝辞
  米田支所長           
                     
2 なんぶ里山デザイン機構
(1)開  会
(2) あいさつ
  特定非営利活動法人 なんぶ里山デザイン機構  每川理事長
  筒井副会長   
(3) 視察研修
  「移住定住・交流人口の増加」や「生涯活躍のまちづくり」に関する活動について
(4)謝辞
  米田支所長                     
5 閉 会                           
 
  
 
◎視察概要
 鹿野地域振興会議では、鳥取県南部町での(1)ニート・引きこもりなど若者支援を通じた地域住民との地域共生社会実現拠点「いくらの郷」の活動について、(2)「移住定住・交流人口の増加」や「観光振興・生涯活躍のまちづくり」に関する活動について視察研修を行った。
1.地域共生社会実現拠点「いくらの郷」
  社会福祉法人伯耆の国 山野理事長 説明
 社会復帰・就労を希望するニート・引きこもりの方が、日中活動の場として使用しその実現を目指すため、町社協・社福法人伯耆の国・社福法人祥和会が連携し、平成30年5月に入蔵集落(22戸、いりくら→地元の方は「いくら」と呼ぶ)にある古民家を改修して開設した。常勤の職員が3名いる。
 引きこもり青年などの特徴として、他人との出会いや交流が苦手で人目を避ける傾向があることから、地域の住民との農作業や木工、特産品加工を通じて対人対応能力と体力の回復を促し、社会参加・社会復帰を目指して活動している。併せて、特産品の開発と販売など地域の活性化にも資する活動となっている。
 開設以来、10人が通所し社会復帰を果たしているが、現在は通所者がいない。課題としては、本人や家族が引きこもりであることを知られたくないと考えている方が多く、通所に至るまでの説得が難しくなっている。また今後の運営について、社会福祉法人の地域貢献事業では限界があり、施策・制度の見直しが急務であること、引きこもり者は所得がないので利用料の減免や事後の分割納付制度が必要となっていることなど、取組みについて詳しく説明を受けた。
【委員】通所者は通って来られるのか、それとも宿泊するのか。
【いくらの郷】町内の方は自宅からの通いで、遠方の方は平日は「いくらの郷」に宿泊している。
【委員】大変な事業だと思うが、どのようなきっかけから取組が始まったのか。
【いくらの郷】役場職員の病休をきっかけに、前町長が取組を始めた。
【委員】どうしてこの場所を選定されたのか。
【いくらの郷】引きこもりの方は人と顔を合わせたがらないので、山間部の人口が少ない場所が適しており、発起人である前町長の地元で地域の支援が受けられる場所でもあったのでこの場所とした。
【鳥取市】現在のところ利用者がないが、新型コロナウィルスの影響があったのか。また、県外の方の通所はあるのか。
【いくらの郷】新型コロナウィルスの影響はない。何人かの対象者もあって働きかけをしているが家族が頑なになっている。
県外の方については埼玉の方が通所していた時期があり、その際は14日間活動自粛してもらった。
【委員】対象者とコミュニケーションを図りにくい中で、心を開いてもらえる対応どのようにされているのか。
【いくらの郷】相談窓口は社協が行っており、家庭訪問を通して「いくらの郷」を紹介している。最初は保護者同伴で体験してもらい段階的に時間を延ばすなど、その方の状況に寄り添って対応している。
【委員】通所者は男性が多いが、男性の方が精神的に弱いのか。また、地域の高齢者が体験作業を行うのはいいことだと思う。
【いくらの郷】どちらかというとそういった傾向はあるし、男性が家にいると目立つので情報も入ってくる。
また、地域の高齢者は若い方を動かすのが上手く、社会復帰できる要因となってる。
【委員】特産加工品は年間を通してスケジュールが決まっているのか。また、地域の方は入蔵集落の方のみか。
【いくらの郷】材料の取れる時期に併せて加工品を製作し販売している。対応している地域の方は現在のところ、入蔵集落の方のみ。
【委員】販売ルートの開拓が難しかったのではないか。道の駅などにも卸しているか。
【いくらの郷】道の駅などでは数が売れるまで時間がかかるため、社会福祉法人のネットワークを利用している。また、一般への販売は希望があれば行っている。
 
2.なんぶ里山デザイン機構
  特定非営利活動法人 なんぶ里山デザイン機構 板持事務局長、岩崎様  説明
「なんぶ里山デザイン機構」は、南部町の総合戦略策定時に設置された「100人委員会」の提案から生まれた公設民営のNPO法人で、平成28年に設立され常勤職員5名で運営を開始し、5年目を迎える。
 主な事業は、移住定住促進・職業紹介、お試し住宅の管理・運営、ふるさとの納税の受付返礼対応、及び里山での交流や体験を行う「里山デザイン大学」がある。
 移住定住促進は単なる人口増ではなく地域に活力を与えることを目標に、空き家対策と併せての事業であり、鹿野の「いんしゅう鹿野まちづくり協議会」の取組を参考にして一括借上げ制度で行っている。
 成果としては、各集落に若い人が加わり集落の活性化につながっており、地域おこし協力隊6人の活動が後押ししている。
 課題としては、仏壇の存在や相続の関係で貸出できる空き家が少ない上に、地域の要望とのマッチングが難しい。また、空き家となってから長いと修繕費が高騰し入居後の修繕要望もあり、10年間の賃貸期間での収支を考えると修繕内容は抑え気味にせざるを得ない。さらに家主からは、10年の貸出期間の短縮を求められることもある。
 工夫していることは、各地域で組織されている地域振興協議会や空家周辺住民から情報を早期に入手し、空き家期間の短い入宅を確保する。また、ありのままで貸し出して入居者で修繕してもらう手法も取り入れる。
 「なんぶ里山デザイン大学」及びお試し住宅・地域交流拠点「えん処 米や」の事業は、南部町ならではの資源人材を活かし関係人口を増やし移住定住を目指す、かつ町内の方々に改めて地域の宝を知っていただくきっかけとして、生涯活躍の町を目的に始めた。
 大学の講座である「里山暮らす」は「大人くらす」と「子育てくらす」があり、地域の方が講師となって各種の里山体験が出来る講座となっている。例年10数講座、300人以上の参加がある。また、「えん処 米や」は米屋だった旧家を改修したもので例年、お試し住宅に20年程度、交流スペースは250件・4千人程度の利用があり、想定していた以上に様々な利用方法の提案が上がり町内の交流拠点として実績を上げているが、男性の参加が少なく、どうすれば参加してもらえるかが課題となっていることなど、取組について詳しく説明を受けた。
【委員】南部町は梅の山地か。
【なんぶ里山デザイン機構(以降、「機構」】特にそういうわけではないが普通に田畑に多くある。
【委員】空家対策について、物件の現在管理数が30軒とのことだが合併前の旧2町合せての数字か。
【機構】全体での数字だが、最近は旧会見町側が希望が多い。今年は40軒程度になる予定。
【委員】鹿野では取扱いエリアが限定的で中山間地域まで広げられていない。
【機構】南部町でも若い世代は、米子市に近い方の物件に偏る傾向がある。
【委員】家主からの借上げ期間が10年間では長いとの意見があるとは、どういう理由からか。貸す方からしても長い方が良いと思うが。
【機構】高齢者の家主からすると、10年後存命しているかわからないという不安があるようだ。
宅地造成などで新規物件に移住してもらう手法もあるが、南部町では「地域を元気にする」ことを主眼に置いているので、各集落内の点在する空家に移住してもらっている。
【委員】山間地域から衰退していっていると思うが何か取組をされているか。
【機構】各地区で組織する「地域振興協議会」が活性化の取組を行っている。私どもは空き家情報を提供してもらい活用を模索しているが、前述したようになかなか入居してもらえない。
【鳥取市】地域振興協議会とはどのような組織か。公民館のようなものか。
【機構】町内7地区ごとに設置されている、公民館も包括した地区内の各代表が集まる自治組織で、運動会などの各種行事も行っている。
【委員】デザイン大学の運営費用はどうされているか。
【機構】町からの補助を基本にして、自己財源も使いながら地域還元するようにしている。
【委員】「デザイン大学」と「えん処 米や」の活動は素晴らしい。古民家の大広間が多様な使い方ができる。鹿野の空家活用にも参考にしたい。
【機構】各イベントの主催者が自由な発想で使っている。「米や」建物にも歴史があり、昔ながらの家財道具もあるため、懐かしく落ち着くとの声をいただいている。買取の話もあるが機構として資産を持ってしまうと、今後の運営に支障が出る可能性があり苦慮している。
【委員】鹿野では城跡公園の堀端にある旧メリヤス工場を、会社を立ち上げて購入し、まちづくり活動の拠点として活用している。
【機構】「えん処 米や」の近隣に温泉施設が建設中であり、まちづくりにあたってここの立地がより重要になるので、何とか残したいと考えている。
【鳥取市】空家活用について、県外からのワーケーション目的で使いたいという声はないか。
【機構】直接の問い合わせはないが、一般世帯が暮らすには広すぎる空き家を、企業やワーケーションに利用できる改修をする構想はある。東京の大学生とも関係を持っており、いろんな提案を受けている。
【鳥取市】就労支援について、ハローワークの端末機を利用していると言われたが具体的にはどのようなことをされているのか。
【機構】町と機構とハローワークで協定を結んで情報共有も含めて連携をとっている。現在はパソコンで情報をみられるが、立ち上がった当時は機構に来ていただき一緒に相談に乗っていた。
子育て世代を対象に、子どもの健診時に窓口を設けたこともある。
【鳥取市】機構のロゴマークはどのような意味があるのか。
【機構】外枠は7角形となっており7つの地域を意味し、中は南部の「N」、デザイン大学は「大」をモチーフしている。「えん処 米や」の「えん」をひらがなにしたのも縁、円など様々な意味を持たせている。
【委員】移住定住に取組んで5年目で30軒の空家管理はすごいことだ。
【機構】空家改修を鹿野の様に自分たちでしておらず、業者委託していることも
軒数を伸ばせた一因だ。移住定住の入居者に関しては、役場が先行していたが来るもの拒まずで後で問題が発生していた。機構は面接を行い、時間をかけてマッチングしている。これは鹿野から学ばせてもらった。移住後も機構スタッフの岩崎さんのような何でも話しやすい人がいることで移住者も溶け込みやすい。南部町には面白い人材が多く、スタッフも自由にやっている。
【委員】鹿野では今年、国交省の空家担い手育成事業に取組んでおり、情報収集を進めている。
【委員】今後も地域のために、お互い情報交換しながら取組ましょう。
5 閉会
 
 
 
 
 
 
 
 

 

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鹿野町総合支所 地域振興課
電話番号:0857-30-8682
FAX番号:0857-84-2598

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