個人住民税(市・県民税)に関する税制改正情報(令和3年度適用分 以降)更新日:
- 控除期間13年間の住宅ローン控除の特例(2)
- セルフメディケーション税制の見直し
- 国や地方公共自治体の実施する子育てに係る助成等の非課税措置
- 特定配当等及び特定株式等譲渡所得金額に関する申告手続きの簡素化
- 退職所得課税の適正化
令和7年度からの適用分
令和7年度個人住民税の特別税額控除(定額減税)
令和7年度の個人住民税においては、令和6年の納税義務者本人の合計所得金額が1,000万円を超えて、1,805万円以下であり、かつ控除対象配偶者を除く同一生計配偶者(国外居住者を除く)を有する納税義務者に対して特別税額控除(定額減税)を実施します。
令和7年度個人住民税の定額減税額は1万円です。ただし、定額減税額が個人住民税所得割額を超える場合は、個人住民税所得割額が限度額となります。
定額減税の詳細は令和6年度個人市民税・県民税の定額減税について をご確認ください。
住宅ローン控除の拡充・延長
借入限度額について、19歳未満の子を有する世帯または夫婦のいずれかが40歳未満の世帯(以下子育て世帯等と記載します)が令和6年・7年に入居する場合には、令和4年・5年に入居した時の住宅ローン控除の限度額が維持されます。
認定住宅等の新築等をして令和6年中に居住の用に供した場合の借入限度額 |
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住宅の区分 | 改正前 | 改正後 |
認定長期優良住宅・認定低炭素住宅 | 4,500万円 | 5,000万円 |
ZEH水準省エネ住宅 | 3,500万円 | 4,500万円 |
省エネ基準適合住宅 | 3,000万円 | 4,000万円 |
また、合計所得金額1,000万円以下の方に限り、新築住宅の床面積要件を40平方メートル以上に緩和する措置について建築確認の期限が令和7年12月31日まで延長されます。
ただ、令和6年1月以降に建築確認を受けた新築住宅のうち、省エネ基準に適合しない住宅は住宅ローン控除を受けられません。
詳しくは 国土交通省公式ホームページ(外部サイト) をご確認ください。
令和6年度からの適用分
上場株式等の配当所得等に係る課税方式の統一
令和6年度以降の住民税の課税から、特定配当等及び特定株式等譲渡所得金額に係る所得の課税方式を、所得税と一致させることとなりました。
これにより、従来までの「所得税では分離課税もしくは総合課税」⇒「住民税では申告不要」といったような異なる課税方式を選択することができなくなります。
所得税で特定配当等及び特定株式等譲渡所得金額に係る所得を確定申告すると、これらの所得は住民税でも所得に算入されることとなりますので、これにより扶養控除や配偶者控除などの適用、非課税判定、国民健康保険料や後期高齢者医療保険料、介護保険料などの算定に影響が出たり、各種行政サービスなどに影響が出たりする場合がありますのでご注意ください。
森林環境税の創設
森林整備等に必要な地方財源を安定的に確保する観点から、森林環境税及び森林環境譲与税が創設されました。
森林環境税は、令和6年度より市民税・県民税(個人住民税)の均等割の枠組みを用いて、国税として1人年額1,000円を市区町村が賦課徴収することとされております。
なお、平成26年度より、東日本大震災を教訓とする地域の防災・減災のための税制措置として、均等割額に1人年額1,000円が課税されていますが、こちらは令和5年度で終了します。
国外居住親族に係る扶養控除等の見直し
令和6年度の住民税から、年齢30歳以上70歳未満の国外居住親族について、次のいずれにも該当しない場合は扶養控除等の適用および非課税限度額の適用対象から除外されます。
・留学により非居住者になった人
・障害者
・扶養控除等を申告する納税義務者からその年における生活費又は教育費に充てるための支払を38万円以上受けている人
≪参考≫国税庁ホームページ:国外居住親族に係る扶養控除等の適用について
令和5年度からの適用分
住宅ローン控除の特例の延長等
住宅ローン控除の適用期間が4年延長となります。(令和7年12月31日までに入居したものが対象)
主な改正点は、
・2050年カーボンニュートラルの実現に向けた措置等
省エネ性能等の高い認定住宅等につき、新築住宅等・既存住宅ともに借入限度額が上乗せされます。
あわせて、令和6年以降に建築確認を受けた新築住宅につき、省エネ基準への適合が要件化されます。
・会計検査院の指摘への対応と当面の経済状況を踏まえた措置等
控除率が0.7%となり、新築住宅等につき控除期間を13年へと上乗せされます。(改正前:控除率1%)
住宅ローン控除の適用対象者の所得要件が合計所得2,000万円以下となります。(改正前:3,000万円以下)
合計所得金額1,000万円以下の者について、令和5年以前に建築確認を受けた新築住宅の床面積要件が40平方メートル以上に緩和されます。
・所得税で控除しきれない額については、所得税の課税総所得金額等の5%(最高9.75万円)の範囲内で個人住民税から控除されます。
➡詳細については財務省HPをご参照ください。
財務省HP:https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/income/b05.htm
住民税の非課税判定における未成年者の年齢引き下げ
賦課期日(1月1日)時点で未成年者である者については、前年中の合計所得金額が135万円以下の場合、住民税が課税されませんが、成年年齢の引き下げに伴い、令和5年度から18歳または19歳の方は住民税の課税・非課税判定における未成年者にはあたらないこととなりました。
18歳以上の方は、前年中の合計所得金額が41万5千円を超えると課税となります。
(扶養人数等の要件により、非課税となる合計所得金額が変わる場合があります。)
令和4年度からの適用分
控除期間13年間の住宅ローン控除の特例(2)
住宅ローン控除の期間が13年(通常10年)となる特例が追加され、適用を受けることのできる契約及び入居要件が新たに決定されました。具体的には、新築の場合は令和2年10月1日~令和3年9月30日に契約、建売・中古・増改築等の場合は令和2年12月1日~令和3年11月30日に契約かつ、いずれの場合も令和3年1月1日~令和4年12月31日までに入居した場合が対象となります。
ただし、以下の要件を満たす必要があります。
(1) 消費税率10%が適用される住宅ローン控除であること。
(2) 床面積が50平方メートル以上であること。または、床面積が40平方メートル以上50平方メートル未満であるときは、その年分の合計所得金額が1,000万円以下であること。
(3) その他現行の住宅ローン控除の要件を満たしていること。
(参考リンク)
セルフメディケーション税制の見直し
セルフメディケーション税制の対象となる医薬品をより効果的なものに重点化し、手続きの簡素化を図った上で、適用期限を5年延長されました。
※詳しくは厚生労働省ホームページ「セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)について」をご覧ください。
国や地方公共自治体の実施する子育てに係る助成等の非課税措置
子育て支援の観点から、保育を主とする国や地方自治体からの子育てに係る助成等が非課税となります。
〈対象〉
子育てに係る施設・サービスの利用料に対する助成で、国・地方自治体が実施するもののうち、次のもの
1.ベビーシッターの利用料に対する助成
2.認可外保育施設などの利用料に対する助成
3.一時預かり・病児保育などの子を預ける施設の利用料に対する助成
※上記の助成と一体として行われる助成についても対象となります。
(例:生活援助・家事支援、保育施設などの副食費・交通費など)
特定配当等及び特定株式等譲渡所得金額に関する申告手続きの簡素化
確定申告の際に申告した特定配当等及び特定株式等譲渡所得金額に係る所得を市・県民税において、全額申告不要とする場合、原則として確定申告書の提出のみで手続きできるように、確定申告書に2表「住民税・事業税に関する事項」に選択欄が追加されることになりました。
退職所得課税の適正化
令和4年1月1日以後に支払う退職金に係る市民税・県民税において、勤続年数5年以下の法人役員等以外の者が受ける退職所得が300万円を超える場合、300万円を超えた部分について1/2課税が適用されなくなりました。
具体的な計算は、「退職所得にかかる住民税特別徴収について」のページをご覧ください。
令和3年度からの適用分
控除期間13年間の住宅ローン控除の特例(1)
住宅ローン控除の期間が13年(通常10年)となる特例が追加され、適用を受けることのできる契約及び入居要件が新たに決定されました。具体的には、新築の場合は令和元年10月1日~令和2年9月30日に契約、建売・中古・増改築等の場合は令和元年10月1日~令和2年11月30日に契約かつ、いずれの場合も令和3年1月1日~令和3年12月31日までに入居した場合が対象となります。
未婚のひとり親に対する税制上の措置及び寡婦(寡夫)控除の見直し
これまでの寡婦控除の条件の見直しがされ、新たにひとり親控除が新設されます。婚姻歴や性別にかかわらず、生計を一にする子(総所得金額等が48万以下)を有し、かつ本人の合計所得金額が500万円以下の単身者について、所得控除額30万円を適用します。配偶者と死別した扶養親族のいない単身の女性、配偶者と死別、または離別した子以外の扶養親族を有する単身の女性のうち、本人の合計所得金額が500万円以下の人は引き続き控除額26万の寡婦控除を受けることができます。
※ひとり親控除、寡婦控除のいずれについても、住民票の続柄に「夫(見届)」「妻(未届)」の記載がある人は対象外とします。
所得控除の見直し
【給与所得控除】 給与収入から所得金額を算出するために差し引かれる「所得控除」
・控除額が一律10万円引き下げられます。
・控除の上限額が適用される給与収入金額が、850万円に引き下げられます。
・控除適用の上限額が、195万円となります。
見直し後の給与所得金額、又は算出計算は下表のとおりです。
(※所得金額の欄に金額表示がないところは、収入金額を計算式に当てはめて算出ください。)
給与等の収入金額 〔A〕 |
給与所得算出計算 | 給与所得の金額 |
~ 550,999円 | 0円 | |
551,000円~1,618,999円 | 〔A〕-550,000円 | 円 |
1,619,000円~1,619,999円 | 1,069,000円 | |
1,620,000円~1621,999円 | 1,070,000円 | |
1,622,000円~1,623,999円 | 1,072,000円 | |
1,624,000円~1,627,999円 | 1,074,000円 | |
1,628,000円~1,799,999円 |
〔A〕÷4=〔B〕※千円未満切捨て 〔B〕×2.4+100,000円 |
円 |
1,800,000円~3,599,999円 |
〔A〕÷4=〔B〕※千円未満切捨て 〔B〕×2.8-80,000円 |
円 |
3,600,000円~6,599,999円 |
〔A〕÷4=〔B〕※千円未満切捨て 〔B〕×3.2-440,000円 |
円 |
6,600,000円~8,499,999円 | 〔A〕×0.9-1,100,000円 | 円 |
8,500,000円~ | 〔A〕-1,950,000円 | 円 |
【公的年金所得控除】 公的年金等収入から公的年金等に係る雑所得金額を算出するために差し引かれる「所得控除」
・控除額が一律10万円引き下げられます。
・公的年金等の収入金額が、1,000万円を超える場合、195万5千円の控除上限額が設定されます。
・公的年金等の雑所得以外の所得に係る合計所得金額が、1,000万円を超え2,000万円以下の場合は一律に10万円を、2,000万円を超える場合は一律20万円を上記の見直し後の控除額から引き下げられます。
見直し後の公的年金等に係る雑所得金額、又は算出計算は下表のとおりです。
(※所得金額の欄に金額表示がないところは、収入金額を計算式に当てはめて算出ください。)
年齢 |
公的年金等の収入金額 〔A〕 |
公的年金等の雑所得算出計算 |
公的年金等の 雑所得の金額 |
65歳 未満の方 |
~ 600,000円 | 0円 | |
600,001円~ 1,300,000円 | 〔A〕-600,000円 | 円 | |
1,300,001円~ 4,100,000円 | 〔A〕×0.75-275,000円 | 円 | |
4,100,001円~ 7,700,000円 | 〔A〕×0.85-685,000円 | 円 | |
7,700,001円~10,000,000円 | 〔A〕×0.95-1,455,000円 | 円 | |
10,000,001円~ | 〔A〕-1,955,000円 | 円 | |
65歳 以上の方 |
~ 1,100,000円 | 0円 | |
1,100,001円~ 3,300,000円 | 〔A〕-1,100,000円 | 円 | |
3,300,001円~ 4,100,000円 | 〔A〕×0.75-275,000円 | 円 | |
4,100,001円~ 7,700,000円 | 〔A〕×0.85-685,000円 | 円 | |
7,700,001円~10,000,000円 | 〔A〕×0.95-1,455,000円 | 円 | |
10,000,001円~ | 〔A〕-1,955,000円 | 円 |
※令和3年度の適用年齢
65歳未満の方・・・昭和31年1月2日以降に生まれた方
65歳以上の方・・・昭和31年1月1日以前に生まれた方
【基礎控除】
・控除額が10万円引き上げられます。
・合計所得金額が2,400万円を超える場合、金額に応じて控除額が減少します。
・合計所得員額が2,500万円を超える場合、控除が適用されません。
見直し後の基礎控除金額は下表のとおりです。
合計所得金額 | 基礎控除額 |
~24,000,000円 | 430,000円 |
24,000,001円~24,500,000円 | 290,000円 |
24,500,001円~25,000,000円 | 150,000円 |
25,000,001円~ | 適用なし |
【所得金額調整控除の創設】
(1)子ども・特別障害者等を有する者等の所得金額調整控除
給与等の収入金額が850万円を超え、次のア~ウのいずれかに該当する場合、給与等の収入金額(給与等の収入金額が1,000万円を超える場合は、1,000万円)から850万円を控除した金額の10%に相当する金額が給与所得の金額から控除されます。
ア.本人が特別障害者に該当する
イ.23歳未満の扶養親族を有する
ウ.特別障害者である同一生計配偶者または扶養親族を有する
(2)給与所得と年金所得の双方を有する者に対する所得金額調整控除
給与所得控除後の給与所得の金額(10万円を超える場合は10万円)及び公的年金等控除後の公的年金等雑所得の金額(10万円を超える場合は10万円)の合計額が10万円を超える場合、合計額から10万円を控除した残額が給与所得の金額から控除されます。
※(1)の所得金額調整控除の適用がある場合には、その適用後の金額
税額控除の見直し
【調整控除】
・合計所得金額が2,500万円を超える場合は、調整控除が適用されません。
※合計所得金額が2,500万円以下の場合は、現行どおり。
その他見直し
【同一生計配偶者および扶養親族の控除等の適用】
・対象者(同一生計配偶者・被扶養者)の合計所得金額要件が48万円以下に変更されます。
【配偶者特別控除の適用】
・配偶者の合計所得金額要件が48万円超133万円以下に変更されます。
【勤労学生控除の適用】
・合計所得金額要件が75万円以下に変更されます。
【障害者、ひとり親・寡婦、未成年者の非課税措置】
・合計所得金額要件が135万円以下に変更されます。
【均等割の非課税基準】
・10万円引き上げられます。(※同一生計配偶者、被扶養者がいない場合:41万5千円)
新型コロナウイルス感染症に伴う住民税の特例措置
中止等されたイベントに係る入場料等の払戻請求権を放棄した者への寄付金控除
新型コロナウイルス感染症の影響により、中止等(中止・延期・規模縮小)された文化芸術・スポーツイベント(※1)について、チケットの払戻しを受けないことを選択された方は、その金額分を「寄付」とみなし、寄付金の合計額で2,000円を超えた金額の100分の6を個人市民税から、100分の4を個人県民税から控除します。(※2)
【寄付金控除までの流れ】
1 主催者からの申請に基づき、文化庁・スポーツ庁が対象イベントを指定したもののうち、さらに市長が本市としての対象イベントを指定。
本市としての対象イベントは、文化庁・スポーツ庁が指定したもの全てとなります。対象イベント
2 参加者が対象イベントの主催者に払戻しを受けないことを連絡。主催者から指定行事証明書と払戻請求権放棄証明書を受けとる。
3 確定申告又は市・県民税の申告の際に、上記2点の証明書とともに申告する。
※1 令和2年2月1日から令和3年1月31日までに日本国内で開催される予定であったものであり、不特定かつ多数の者を対象とするものとします。
※2 本特例を用いた寄付金控除の対象額は20万円を上限とします。市・県民税からの税額控除のほかに、確定申告を行うことで所得税からの
控除を受けることもできます。
住宅借入金等特別税額控除の弾力化
新型コロナウイルス感染症の影響による住宅建設の遅延等への対応として、令和2年12月31日までに入居ができなかった場合でも、次に掲げる要件を満たす場合、控除期間が13年に延長された住宅借入金等特別控除を適用することができます。
1 新型コロナウイルス感染症の影響によって新築住宅、建売住宅、中古住宅又は増改築等を行った住宅への入居が遅れたこと。
2 一定の期日(※)までに、新築、建売住宅・中古住宅の取得、増改築等に係る契約を行っていること。
3 令和3年12月31日までの間に2の住宅に入居していること。
※新築の場合:令和2年9月30日まで、建売住宅・中古住宅の取得、増改築等の場合:令和2年11月30日まで
このページに関するお問い合わせ先
電話番号:0857-30-8147
FAX番号:0857-20-3921