とっとり市報 HTML版
2021.10 No.1134
シリーズ@じんけんVol.440

人権尊重都市鳥取市の実現をめざしてヘイトスピーチをなくすために
~ヘイトスピーチ解消法施行から5年~

問い合わせ本庁舎人権推進課TEL0857-30-8071FAX0857-20-3945

ヘイトスピーチ解消法(本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律(以後「解消法」という))の施行から5年が経過しました。この機会に、ヘイトスピーチの問題について考えてみませんか。

「ヘイトスピーチ解消法」とは?

特定の人種や民族などを理由に個人や集団に対し行う不当な差別的言動、「ヘイトスピーチ」。

平成25年ごろから、ヘイトスピーチを伴う街宣活動(デモ)が大都市園を中心に繰り返し行われ、大きな社会問題となっていました。

このような社会状況を踏まえ、平成28年6月3日に解消法が施行されました。

解消法では、ヘイトスピーチについて、日本国外(本邦外)の「特定の国や地域の出身者であることや、その子孫であることのみを理由に、日本社会から追い出そうとするなどの一方的な内容の言動をいう」としたうえで、「不当な差別的言動は許されない」と明言しています。

このように、解消法において、不当な差別的言動は許さないことを国が法律として宣言したことに重要な意義があります。

ヘイトスピーチをめぐる状況

解消法施行から5年が経過したいま、ヘイトスピーチをめぐる状況はどのように変化しているのでしょうか。

解消法施行により、国では、法務省を中心にヘイトスピーチを解消するための啓発活動が進められ、地方公共団体でも啓発活動や条例の制定など、その地域の実情に応じた取り組みが行われています。こうした取り組みにより、以前のような露骨な街宣活動(デモ)は減少してきました。しかし、SNSなどにおける心ない投稿は後を絶たず、問題が潜在化し、深刻化しています。

ヘイトスピーチは差別です

自分ではどうすることもできない国籍や出身地などの属性を理由に向けられるヘイトスピーチ。「遠くの地で起こっていること」、「インターネット上で起こっていること」と自ら、この問題から遠ざかってはいませんか。ヘイトスピーチが行われている現場に恐怖を感じ、近づくことができない、また、インターネット上で差別的な情報を目の当たりにして不安や嫌悪感を抱くなど、ヘイトスピーチは日常生活にも深刻な影響を及ぼし、いま私たちの暮らすこの社会で起こっている問題なのです。

差別のない地域づくりを

ヘイトスピーチは地域社会で暮らす大切な隣人を傷つける許されることのない差別行為です。人種、国籍、民族、さらには信条や年齢、性別、障がいの有無などにも関わらず、誰もが安心して暮らせる社会をつくるため、みんなで一緒に考えていきましょう。

ポスターイメージ
法務省でもヘイトスピーチの解消に向けた啓発ポスターを作成するなど取り組んでいます。