令和4年度 第4回気高地域振興会議登録日:
日 時 令和4年10月14日(金)午前8時30分から午後5時00分
場 所 波多交流センター(島根県雲南市掛合町波多459‐1)
〔出席委員〕
河根裕二、久野 壯、地原 伸、田中敦志、近藤可菜、松井千晶
以上6名(順不同敬称略)
〔欠席委員〕
塩田則夫、片山敬子、渡辺雅子、鈴木陽子、宇津原あけみ、澤口和也
以上6名(順不同敬称略)
〔事務局〕
中原 登支所長、久野 明男副支所長兼地域振興課課長、
武田 美由紀地域振興課課長補佐
山本 正信事務員(産業建設課)、中島 基晴主事(本課:地域振興課)
〔波多コミュニティ協議会〕
木村 守登会長
田原 善明副会長兼事務局長
藤原 美幸主事
― 往路 ―
視察研修(バス車内)での会議
◎会議次第
1 開会
2 あいさつ
3 議題
(1) 気高地域の小学校統合について
(2) 気高、鹿野地域の公共交通への取組について
(3) 浜村温泉館のサウンディング型市場調査の実施について
4 その他
5 閉会
◎議事概要
1 開会
2 あいさつ
3 議題
(1)気高地域の小学校統合について
【事務局】配布資料に基づき、進捗状況について報告。
【委員】用地は未だに決まっておらず進め方が遅い。早く決めてほしい。
【事務局】今後も、進捗状況はお伝えしていきますのでご理解をお願いします。
(2)気高、鹿野地域の公共交通への取組みについて
【事務局】配布資料に基づき、乗合交通「きらり号」の実証実験の経過について報告。
【委員】利用者の意見を聞くのもよいが、利用したいが、躊躇されている方などの意見を聞いてみてはどうか。
【事務局】意見ありがとうございます。
【委員】「料金の見直しの検討」とあるがどのようなことか。
【事務局】実証実験の検証中であり、料金体系の見直しなどは、具体的な所までは踏み込んでおりません。
(3)浜村温泉館のサウンディング型市場調査の実施について
【事務局】配布資料に基づき、調査に対する意見募集について説明。
特に意見なし
4 その他
なし
視察研修(視察先)
◎視察研修概要
気高地域において、中山間地域小さな拠点づくり支援事業を進めるにあたり、先
進的に取り組んでいる島根県雲南市波多地区を視察し、様々な分野の取組に活か
すため視察研修を行った。
1.波多コミュニテイ協議会
所在地 島根県雲南市掛合町波多地区
波多地区は島根県雲南市の南西部に位置し、人口は300人弱で人口減少が進み、高齢化率50%を超え、過疎指定されている。
地域の賑わいが失われないよう、雲南市から指定管理業務を受託された「波多交流センター」を拠点に廃校になった小学校を活用し、波多コミュニティ協議会(地域自主組織)として広域的な地縁組織に編成され、「波多マーケット」による買い物支援、「たすけ愛号」による自治会輸送、「波多温泉 満壽の湯」の運営など様々な分野の取組がされている。
・はたマーケット
平成26年3月に地区にあった個人商店が閉店し、住民が日常の買い物に不便を感じる中、地区で何かできることはないかと検討を進めてこられ、「はたマーケット」を開設。
資金面では、「公益財団法人ふるさと島根定住財団」からの補助金と、地元出身者 他、からの寄付金でオープンした。
とても、故郷愛が深い地区。
店の入り口近くには、イートインスペースが設けられ地域住民の集いの場になっている。主な来店者は、移動手段を持たない方で、外出支援や、見守り活動にもつなげている。
販売業務は、交流センターの職員が行っている
売り場面積 約50平方メートル
取扱品目 800品目程度
利用者 1日平均30人
販売価格 大手スーパー並みの価格
・たすけ愛号
移動手段のない高齢者や、一人暮らしの方から、気軽に頼める交通機関があれば嬉しいとの要望で、波多コミュニティ協議会が平成21年度から「たすけ愛号」の運行を始め、現在無料送迎の運行を行っている。
車を所有するために協議会は認可地縁団体を取得し、出身者に寄付を募り平成31年に福祉車両を購入した。
運転は、主に交流センターの職員が行っている。
・波多温泉 満壽の湯
市から指定管理を受けて温泉を運営。
施設内には、波多マーケットから食材を購入して食事を提供する食堂がある。
・その他
防災面では波多独自の要支援者ファイル、防災マップ、くらしの安心カードの作成など、防災体制を強化し整備され、住民の意識も高まってきている。
質疑応答
【委員】各地区公民館の体制をどのように開拓し現在の事業に繋げたのか。
私たちの地区には「まちづくり協議会」があるが、人材が重複したり、これからどう展開していくべきかいろいろな課題がある。鳥取市でも「小さな拠点」に取り組みを始めており、どのようにして、地域を活性化していくのか検討している状況。コミュニテイ協議会の中に公民館の役割を担う、指示する方がおられて事業をされているのか。
【協議会】「公民館を無くすわけではなく、公民館の仕事も一緒にやりましょう」と公民館職員を個人的に説得した。組織が雇用し、稼ぐ、収入を得る、そういったことも併せて仕事することで、事業展開ができ大きく幅を広げることができた。
【委員】「はたマーケット」に対する支援金はどのように設定したのか。
【協議会】この地域出身者50名に毎年「ふるさと通信」を送っており情報発信をしている。その中に振込用紙を入れて寄付をお願いしたり、波多地区内の住民に声掛けをし、いただける範囲でお願いした。
【委員】人口減少に対して、移住、定住に関して何か施策をされているのか。
【協議会】空き家はたくさんあり、【1】ターンはあるが、なかなか子どもを持つような若い層の定住に結びつかないため、家賃を減額たりして工夫している。今後も空き家を使用していただくよう、引き続き【1】ターン、Uターンを推進していくしかないと思う。
【委員】たすけ愛号について、受付はすべて事務局で行っているのか。
【協議会】予約をしていただき、すぐに対応できるよう職員が動いている。
職員不足の時は、役員に出勤してもらっている。以前、運転手ボランティアを募集して登録していたが、お願いしてもなかなか対応できないのが現実でそのカバーは職員がしていた。
【委員】無料でよくやっておられると思う。運転するのに資格などはあるのか。
【協議会】講習が自動車学校である。運転するだけではなく、利用は高齢者が多いので福祉の観点から自宅玄関を入るまで見届けることを実践している。
賃金の面では、福祉関係の予算を充てたり、ふるさと基金等でまかなっている。また、「はたマーケット」内のレジの横に「助け合い募金箱」を設置し、年間7万円から8万円くらいあり、ガソリン代を賄っている。
委員の感想
〇私たちの地域でも、小学校の統合による廃校舎の活用や共助交通の課題など同じようなテーマでの検討が必要となってくる。そういう意味でも、今回の研修視察は有意義であった。
その上で、地区公民館の在り方については、大胆な発想で地域のコミュニティ活動が十分に機能していくよう制度変革していくことが求められていると感じた。
〇センターの職員が様々な担当を行いながら運営を行っていることは素晴らしいことであるが、給料等に反映されていない業務もあると思われ、長続きするのか疑問。現在の職員の意欲とやる気で行われているが、次の人に交替しても続けていけるかどうかである。
〇高齢化の流れは変えられないが、住んでいる人の意識を、地元にしっかり向けてもらうことと、地域の問題の共有と、その問題を解決するため、課題を明確にし、その解決策をスピード感を持って実行する仕組みづくりが地域の衰退を防ぐ、という考え方ができればもうしばらくは活気のある状態を維持できるのではないかと感じた研修であった。
〇使わなくなったプールの活用、釣り堀ができる体験とか雪も多いと伺ったので、階段の斜面を利用してスキー、ソリを楽しむなど、いいところがたくさんある波多地区だったので工夫すれば外部から集まってくるのではないかと思う。
〇地域全体が組織化し、総力の結果として、地域づくりのビジョン、災害対策が作成され、大雨等に対する安否確認など防災管理がしっかり成されていると感じた。
まとめ
気高町も人口減少や、高齢化、空き家の問題、小学校の統合による廃校の活用など、数年後には波多地区のような状況になると予想した場合、様々な課題がでてくると思われる。
地域住民も現状を知り将来意識を強く持ち、行政等も身近でかかわりながら、一丸となって現状を維持していかなければならないと感じた。
以上
このページに関するお問い合わせ先
電話番号:0857-30-8672
FAX番号:0857-82-1067