鳥取市保健所管内におけるE型肝炎の発生
ID:1598765683038
提供年月日:2020年8月28日
担当課:健康こども部 鳥取市保健所 保健医療課
担当者:大塚、加賀田
外線番号:0857-30-8531
内線番号:
8月27日、鳥取市内の医療機関から鳥取市保健所へE型肝炎の発生届出がありましたのでお知らせします。
なお、令和2年の本症の県内発生は1例目です。
1 患者の状況
項目 |
内容 |
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患者 |
70歳代(男性) |
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住所地 |
鳥取市 |
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経過 |
8月16日 全身倦怠感。 8月17日 医療機関(1)受診。その後発熱。 8月18日 医療機関(1)再診。 8月19日 全身倦怠感、発熱が続き、肝機能異常がみられ、医療機関(2)へ紹介、入院治療。 8月27日 検査結果判明し、E型肝炎と診断。発生届提出。 |
2 今後の対応
鳥取市保健所において、感染源や他の有症者の有無等について調査を行うとともに、感染拡大防止を徹底する。
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<参考事項>
1 E型肝炎の発生状況 (単位:人)
区分 | 平成27年 | 平成28年 | 平成29年 | 平成30年 | 令和元年 | 令和2年 |
全国 | 212 | 356 | 303 | 442 | 450 | 291 |
鳥取県 | 1 | 5 | 2 | 2 | 2 | 1 |
※令和2年8月27日現在。ただし全国の件数は8月16日現在。
2 E型肝炎について
- 本症は、E型肝炎ウイルスによる急性ウイルス性肝炎です。
- 海外の途上国では主に生水を介した水系感染ですが、我が国では汚染された食品や動物の臓器や肉の生食による経口感染が指摘されています。
- ヒトからヒトへの感染は、くしゃみなどによる飛沫感染や接触による感染は報告されていませんが、輸血による感染例が報告されています。
- 潜伏期間は平均6週間(2~9週間)で、症状はA型肝炎と類似しています。発熱、悪心・腹痛等の消化器症状、肝腫大、肝機能の悪化(黄疸等)が現れ、大半の症例では、安静臥床により治癒しますが、まれに劇症化するケースもあります。とくに、妊婦が妊娠晩期に感染すると劇症化しやすいとの報告があります。また、高齢者ほど重症化しやすいとされています。
- 治療方法は、現在のところ急性期の対症療法しかなく、劇症化した場合は、血漿交換、肝移植などの特殊治療が必要となります。
- 予防には、手洗い、飲食物の加熱が重要です。