重症熱性血小板減少症候群(SFTS)症例の発生について
ID:1678957176771
提供年月日:2023年3月16日
担当課:鳥取市保健所 保健医療課
担当者:谷口、永松
外線番号:0857-30-8531
内線番号:6039
令和5年3月16日、重症熱性血小板減少症候群(SFTS:Severe Fever with Thrombocytopenia Syndrome)の発生届出が
ありましたのでお知らせします。なお、令和5年の本症の県内発生は1例目です。
項 目 |
内 容 |
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患 者 |
80代 女性 |
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住所地 |
鳥取市 |
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経 過 |
3月6日 食欲不振 3月8日 発熱、食欲不振、体動困難でA病院へ救急搬送され、入院。 白血球減少、血小板減少、肝機能異常等を認める。 3月15日 治療継続のため、B病院へ転院。 3月16日 県衛生環境研究所で遺伝子検査を実施し、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)陽性。 現在、患者は入院中。快方に向かっている。 |
山林での作業、農作業及びレクリエーションで野山や畑等に出かけるときは、マダニに刺されないよう次のことに注意してください。
○ 肌を出来るだけ出さないよう長袖、長ズボン、手袋等をしましょう。
○ 肌が出る部分や服の上からダニ忌避剤(ディート剤)を噴霧しましょう。
○ 服は、ダニの付着が目立つ、白い色にしましょう。
○ 地面に直接寝転んだり、腰を下ろしたりしないよう敷物をしきましょう。
○ 服にダニが付着している可能性があるので、車や自宅に入る前に服をはたき、帰った後はすぐ入浴し、体を良く洗い、新しい服に
着替えましょう。
○ 野山などに出かけられた後、体にマダニに刺されたと疑われる刺し口がみられ、発熱等の症状が出た場合は、速やかに医療機関を
受診してください。
<参考>重症熱性血小板減少症候群について
1 発生状況
平成23年に中国で初めて特定された、SFTSウイルスに感染することにより引き起こされる病気で、ウイルスを保有しているマダニに咬まれることで感染します。
ウイルス自体は以前から国内に存在していたと考えられますが、平成25年1月に山口県で国内初の感染事例が確認されて以降、毎年60~90名前後の患者が報告されています(平成25年3月には感染症法上の四類感染症に指定)。
令和5年では2月26日現在、全国で5名の患者が報告されています。
なお、県内では令和2年6月8日に初めてSFTS症例が確認されています。
2 感染経路
多くの場合、ウイルスを保有しているマダニに咬まれることにより感染しますが、稀に血液等の患者体液との接触により人から人へ
の感染や発症した犬や猫から人へ感染する事例が報告されています。
3 症状
マダニに咬まれてから6日から2週間程度の潜伏期間を経て、主に発熱、消化器症状(食欲低下、嘔気、嘔吐、下痢、腹痛)が出現し、
時に頭痛、筋肉痛、神経症状(意識障害、けいれん、昏睡)、リンパ節腫脹、呼吸器症状(咳など)、出血症状(紫斑、下血)を起こします。
4 対処方法
治療は対症療法しかなく、有効な薬剤やワクチンはありません。