★地球の大きさをはかろう−2
〜スター・ウィーク2007 統一イベント〜


 前回では、地球の大きさを初めてはかったエラトステネスの方法を紹介しました。今回は、エラトステネスの方法を参考に、実際にこの夏スター・ウィーク2006統一イベントとしておこなう「地球の大きさをはかろう」について紹介しましょう。

☆4.地球の大きさをはかろう(前回のつづき)☆

1)観察するもの
 今回は、北極星を使ってみましょう。太陽だとちょうど真南に来たときにはからないといけませんが、北極星はほとんど動きませんので実際にはかるときに楽です。

2)観察する期間(期間外の観察も受け付けます)
 8月1日(火)〜7日(月)の期間(前後1週間ぐらいはOK)、夜8時から10時ぐらいに観察しましょう。
 毎年8月1日〜7日は「スター・ウィーク〜星空に親しむ週間〜」です。全国各地の天文施設などで、いろいろな星のイベントがおこなわれます。今回のイベントは、このスター・ウィークの統一イベントとしておこないます。みなさんの近くの天文施設なども協力しているところがあると思いますので、わからないことがあったら聞いてみましょう。


3)観察装置(図3)
 星の高さをはかる道具(高度計)
を作ってみましょう。
 高度計は大きく分けて
a.目標のものに向ける部分
b.角度をはかる部分
c.固定する台(特になくてもよい)
の3つの部分でできます。










a.目標のものに向ける部分(図4)
 牛乳パックやラップの芯など、身近にあるまっすぐで長いものを使いましょう。芯などの内側をのぞくのではなく、上側(外)の面を使って向けます。また、ねらいをつけやすいように、芯などの上側に照準(出っ張り)をつけるといいでしょう。分度器ではかりますので、上と下が平行なものを使います。みなさんでいろいろ工夫 してみて下さい。
 会場によっては、手作り望遠鏡キット(口径約5cm、約4倍の屈折望遠鏡)を工作できるところもあります。

















b.角度をはかる部分(図5)
 分度器とスケールとおもりを使います。読み取るためのスケールを厚紙で作ります。紙を細長く切り、分度器の目盛りを読むための窓を開けておきます。分度器の中心に小さな穴を開けて、スケールが分度器の中心に正しく来るように固定します。画びょうのようなピンでとめるといいでしょう。スケールのもう一方には何かおもりをつけます。
窓を大きくしすぎると、かえって目盛りを読みにくいので注意しましょう。









c.固定する台
 固定する台を使わない場合は、二人一組になって一人が北極星に向けている間にもう一人がはかります。二人が協力して、うまく向いているときに角度を読みとりましょう。もし、カメラ三脚(図6)が使用できるところは、カメラ三脚に「目標のものに向ける部分」を取り付けてみましょう。参考までにカメラを取り付けるためについているネジは、1/4インチ(約6mm)のネジです。ホームセンターなどに行けば、ナットや金具などをおいてあります。また、望遠鏡を使える人では、角度をはかる部分だけ用意すればあとは望遠鏡で代用できます。自作したものと両方ではかってみましょう。
















4)観察の方法
 まず、今回観察する北極星をさがします。(図7)磁石などで北を確認して北極星を間違えないようにしましょう。ちょうど北斗七星とカシオペヤ座の両方が見えていますのでいい目印になります。北極星が見つかったら、高度計を使って見える高さをはかります。



☆5.体験の夏!☆
 私たちの身の回りには、一見「当たり前」のことがたくさんあります。しかし、昔ふしぎだったりよく分からなかったことを、だれかが 「当たり前」のことにしてくれたのです。そのひとつひとつの積み重ねが今日の便利な日常になっていると思うと、なにかふしぎな感じが しませんか?
 さあこの夏、たくさんの仲間と力を合わせて、地球の大きさをはかりましょう。

参考文献:
天動説の絵本(安野光雅、福音館書店)
アイザック・アシモフの科学と発見の年表(訳:小山慶太、輪湖博、 丸善株式会社)
天文学史(桜井邦朋、朝倉書店)
天文学辞典(鈴木敬信、地人書館)


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