2020 新春座談会
ときめき 魅力あふれる鳥取市
新年あけましておめでとうございます。
今年の新春座談会は、鳥取市内、そして麒麟のまち圏域を舞台に地域を元気にする活動をしている4人をゲストに迎え、昨年栄町にオープンしたビアバー「Beer Bonds AKARI（ビアボンズアカリ）」を会場に、それぞれの活動を紹介していただきながら、鳥取市がさらに活力と魅力あふれるまちへと成長していく方策について、澤澤義彦市長と語っていただきました。
0857-30-8008
0857-20-3040
自身の取り組みについて
自慢のクラフトビールは種類も豊富！
お客様や他の出店者とつながる場所に
海外のメディアが民宿体験に来られました
自然保護と快適な利用ため国立公園を整備
鹿児嶋
10年ほど前に私の地元鹿野町で、まちづくりで何か役に立とうと、同世代の人達を集めて「あかり本願衆」という団体を立ち上げ、イベント運営や婚活事業などの活動をしていました。いろいろな活動をする中で、「あかり本願衆」の核となる事業がしたいとの話があり、私が個人的にビールがすごく好きなこともあり、クラフトビールづくりに取り組もうと仲間と始めました。気高町の日光生姜を使ったビールを地元のイベントで出してみたところ評判がよく、商品化の目途が立ち2017年にクラフトビールの会社を立ち上げました。当時からゆくゆくは出店したいという思いがありましたが、任意団体から始めた会社ですので金銭的に難しい部分がありました。そんなとき、鳥取市のまちづくりファンドのことを知り、これで資金的なことがクリアできるのではと思い応募したところ、1号案件に認定していただき、出店することができました。
市長
これまで鹿野町でいろいろな取り組みをしておられたとのことですが、まちづくりファンドを活用いただき、中心市街地にも素晴らしいお店をオープンされました。リノベーションにより中心市街地に賑わいが創出される素晴らしい取り組みだと思います。引き続き鳥取市として、これから起業する人を支援する制度を続け、鹿児嶋さんに続き行動を起こす人が出てきていただくことを期待しています。
渡世
山陰三ッ星マーケットは「ときめき」というワードがコンセプトになっています。発端は2017年に鳥取市が開催した「すごい！鳥取市ワーホリ！」というプロジェクトのワークショップに参加したことです。そこで、どうしたら鳥取市に移住してもらえるかという話し合いをしたのですが、家族で移住を考える場合に重要なのは女性目線の思考ではないかと考え、女性がときめくようなツアーとして「ときめきマルシェ」を考案しました。その後、ワークショップのメンバーで、鳥取大丸屋上の利活用の活動をしている「まるにわ」代表者の意見も聞きながら、実際にやってみようと山陰三ッ星マーケットが立ち上がりました。活動を始めて2年がたちましたが、現在は170店舗ほど集まり、そのエリアは鳥取全域と島根、そして但馬の広範囲に広がっています。店舗を持たず、子育てをしながら物作りをし、それを披露する場所として出店される店舗もあります。対面販売ですのでファンづくりができて、出店者同士の仲間づくりにも効果が出ているようです。
市長
山陰三ッ星マーケットは中心市街地の賑わいの創出に大きく貢献いただいていると思います。鳥取市だけではなく、非常に広域で多くのみなさんが参加している、大変素晴らしい活動だと思います。今後も多くの人に駅前エリアを活用いただき、賑わいが創出されればと思います。
鳥谷
きっかけは今から10年ほど前に、用瀬町屋住にある大きな空き家を何かに活用できないかとご紹介いただいたことです。私は美容師なので、ヘアショーを開いてみたところ、あまり宣伝していないのに当日100人を超えるお客様が来られてとても驚きました。空き家の持つエネルギーなのか分かりませんが、何か私も引き付けられるものがあり、この活動を始めました。最初は創作活動を披露する場として使えないかと考え、陶芸家や写真家などのギャラリーとして活用したり、演奏や講演活動をする場所として活用するなど、とにかくいろいろな人に集まっていただきました。そんな中で、古くて懐かしい感じのするこの家に泊まることができたらと思い立ち、お風呂やキッチンなどを直して、昨年5月にようやく民宿としてオープンさせることができました。6月には外国のユーチューバーやブロガーなど、インフルエンサーといわれる人々が来てくださり、その発信力のおかげで情報誌や新聞、インターネットで見たという外国のお客様が多く来られるようになりました。外国の人には着物を着て梨狩りやネギ掘り体験などをしてもらい喜んでいただいています。
市長
近年外国からの観光客が増えてきています。時を経た日本建築、民家の素晴らしさが現在大きく評価されてきていると思いますが、外国人のお客様に日本の文化や魅力を知っていただく一つのツールになっていくと思います。
源関
私は山陰海岸国立公園の現場の管理官として働いています。仕事は、国立公園の景観や生息する動植物を守っていくことや、自然の魅力を子どもたちに伝えていくためのふれあい事業などをしています。山陰海岸国立公園は鳥取市から京都府京丹後市までと幅広く、私は鳥取砂丘、浦富海岸、兵庫県新温泉町の但馬御火浦までを管轄しています。鳥取市に来て最初の仕事は、2018年にオープンした鳥取砂丘ビジターセンターの整備でした。ビジターセンターがオープンしたのは利用者が少なくなっていく時期でしたが、昨年春、夏と利用者の多いシーズンを迎え、来てくださったお客様が展示やスタッフのガイドなどをとても楽しんで見たり聞いたりしてくださっているのを見て、この施設を整備して本当に良かったなと思いました。現在は砂丘の西側エリアをどう活用していくかということを関係する人々と話し合っています。東側にビジターセンターができたことを契機に西側も活性化させていくための具体的な話が出てきたところですが、地域の人々と協力しながら、これをしっかり実現していくのが行政としての仕事だと思っています。
市長
鳥取砂丘ビジターセンターは砂丘の成り立ちや、自然、魅力を分かりやすく紹介する素晴らしい施設で、オープン以来本当に多くの人にお越しいただいています。また、砂丘の西側には東側と違った魅力がたくさんあると思いますが、まだ十分に生かしきれていない状況にあります。今後みなさんと砂丘西側の資源を掘り起こし、魅力発信に取り組んでいきたいと思います。
鳥取市を盛り上げ魅力を発信していくためには？
渡世
私は自分で味わい感じた魅力的な店舗を三ッ星マーケットに出店してもらっていますが、まちを歩けばこんなお店があったのかと、こういう物作りをしている人がいるのかと本当にたくさんの発見があります。私は、そういった人たちが自分の思いを形にしたものを発信するフィールドを用意して、継続していけたらなと思っています。
鹿児嶋
私のような取り組みをやってみたいと思う人が一人でも増えるように、発信し続けなければと思いますし、鳥取市にも、まちづくりファンドのような、新たな事業に手が出しやすくなる施策をたくさん作っていただけたらいいのではないかと思います。
鳥谷
私たちの取り組みが一つの成功事例となるようしっかり続けていかなければならないと思いますし、参考になるような場所があれば出向いて行って、一緒に何か取り組めたらと思っています。また、用瀬の森にはクロモジというとてもいい香りがする木があったり、中山間地域には使われていない農地がたくさんあると思うのですが、そういった地域資源をどんどん活用できる仕組みができたらなと思っています。
源関
以前浦富海岸で「おそうじカヌー」というカヌーで遊びながら浜をきれいにするイベントを行ったことがありました。今は環境省の事業ではなく、地元の人々が活動を引き継いでくださり、この地域にはすごく熱い思いを持った人が多いなと感じています。自分たちの地域の魅力を知り、それを誇りに思えると地域が輝くと思っていますが、そういった熱い思いの輪が広がっていくことで地域が活性化していくのではないかなという気がします。
2020年にかける思い
鹿児嶋
これからも地元のいい素材を使ってクオリティーの高いビールを作っていきたいと思いますし、今後は自分たちなりに外向けにアピールしていくことを考えています。
渡世
今年は、食べ残しや野菜の余り切りなどで発生するフードロスを、デザインによって生まれ変わらせたりするようなイベントをやってみたいと思っています。
鳥谷
民宿事業をさらに充実させて、国内外からもっと鳥取市南部エリアに来てもらえるような取り組みをしていきたいと思います。
源関
鳥取砂丘ビジターセンターが地域に愛され、より多くのお客様に楽しんでもらえる施設にしたいのと、砂丘西側エリアの活用についてもしっかりと前に進めていきたいと思っています。
市長
みなさんから大変素晴らしいお話をいただき、私も何かパワーをいただいたように感じました。地域の素晴らしい可能性を最大限生かしながら、みなさんで力を合わせて進んでいこうと、思いを新たにさせていただきました。ありがとうございました。
座談会の模様は、いなばぴょんぴょんネット（12ch）で放送します。
- ▶日時：
- 1月1日（水・祝）～4日（土）6:00～、12:00～、21:00～ほか、デジタル放送の電子番組表をご覧ください。