特集 麒麟のまちの幸せを祈り～日本遺産認定から１年～

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日本遺産とは、文化庁が平成27年に創設した制度で、地域の歴史的な魅力や特色を通じて日本の文化や伝統を語る「ストーリー」を認定するものです。ストーリーを語るうえで欠かせない有形・無形のさまざまな文化財群を、地域が総合的に整備・活用し、国内外へ発信していくことで、地域の活性化を図ることを目的としています。令和元年５月、麒麟のまち圏域（鳥取市・岩美町・若桜町・智頭町・八頭町・兵庫県香美町・新温泉町）のストーリー「日本海の風が生んだ絶景と秘境～ 幸 せを呼ぶ霊獣・麒麟が舞う大地『因幡・ 但馬』」が日本遺産に認定されました。 同年６月、鳥取市は他の６町ととも に、日本遺産「麒麟のまち」推進協議 会（ 会長： 朝あ さ野の 泰や すま さ 昌 ）を設立。国から の支援のもと、麒麟獅子舞をはじめ、 認定ストーリーを構成する 31 の文化 財などの魅力を国内外への発信や次世 代への継承に向けた取り組みを進めて います。

認定ストーリー

日本海から吹きつける季節風が 創り上げた日本最大級の鳥取砂丘。 目に見えぬ風の姿がさざ波模様の 風紋に映し出され、海岸を進むと 風が起こす荒波に削り出された 奇きが ん 岩 が連なる。鳥取砂丘の砂を生 み出す中国山地へと急流を辿たどると、 風がもたらす豪雪に育まれた杉林 を背に豪邸が佇む。さらに源流へ と分け入ると岩窟の中に古堂が姿 を現す。 これらは日本海の風が生んだ絶 景と秘境である。 人々は、厳しい風の季節での無 事とそれを乗り越えた感謝を胸に、 古来より幸せを呼ぶ麒麟獅子を舞 い続け、麒麟に出会う旅人にも幸 せを分け与えている。

魅力発信の取り組み

日本遺産認定後、認定ストー リーや麒麟獅子舞の魅力を麒麟 のまち圏域内外に向けPＲするた め、リーフレットやポスターによ る情報発信、認定ストーリーの魅 力を紹介する番組の制作・テレビ 放映、ダイジェスト版映像（ 多言 語対応）のPＲ映像としての活用 など、映像での魅力発信にも力を 入れています。 このほか、ＶＲ（ 仮想現実）の 技術を活用し、専用ゴーグルによ り、麒麟のまち圏域の絶景・秘境 を舞台に舞う麒麟獅子を間近で見 ることのできる映像を制作するな ど、その魅力を多くの人に体感し てもらうための新たな取り組みも 行っています。

人材育成と普及啓発

地元住民に日本遺産や認定ストーリーの構成文化財について知識を深めてもらうため、圏域の住民をはじめ、ボランティアガイド団体や麒麟獅子舞保存会などを対象に「麒麟のまち日本遺産塾」を開催することで、将来に向けての人材育成を行っています。

また、市役所本庁舎への麒麟獅子の展示や、麒麟獅子のオリジナルグッズ作成など、地元住民に日本遺産を意識してもらうための普及啓発活動にも取り組んでいます。今後は麒麟獅子舞に関心のある人などを中心とした「応援サポーター」の養成や観光施設などでの麒麟獅子舞の演舞、麒麟のまち圏域の絶景や秘境を巡る「デジタルスタンプラリー」やインバウンド向けのＰＲ活動などに取り組むことにより、圏域の地域活性化につなげていきます。

日本遺産「麒麟のまち」 ウェブサイト開設!! 〜PR 動画やVR 動画もあるよ〜

日本遺産「麒麟のまち」ホームページが開 設されました。日本遺産の認定を受けたス トーリーや構成文化財の紹介、PR 映像や VR 動画なども視聴でき、麒麟のまち圏域 の魅力を国内外に情報発信する内容となっ ています。英語、韓国語、中国語（簡体・ 繁体）版もありますので、ぜひご活用くだ さい。今後もコンテンツの充実を進めてい く予定です。