とっとり市報 HTML版
2020.7 No.1119

特集 大雨から命を守るために
〜ポイントは情報収集と適切な避難行動〜

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平成30 年7月豪雨で増水した千代川(用瀬町)(写真提供:鳥取河川国道事務所)

自分は大丈夫だと思っていませんか?

今年も大雨が心配な季節がやってきました。一昨年の「平成30年7月豪雨」では鳥取県東部を襲った記録的豪雨で、平年同月の2倍の降水量をわずか5日余りで記録しています。その結果、各地で家屋などの浸水被害、土砂崩れなどが発生し、市内全域に避難指示(緊急)が発令されました。

人は災害時に、「自分の家は、まだ大丈夫」、「まだ誰も逃げていないから安心」というような心理に陥ります。これを「正常性バイアス」といい、この心理的な現象は、災害時の逃げ遅れの原因の一つと指摘されています。

避難は、自分自身の決断と実行にかかっています。この心理的な罠にはまらないよう気をつけ、情報を収集し命を守る最善の行動をとってください。

この機会にご家族でも災害への備え、心構えについて話し合ってみませんか。

平成30年7月7日 鳥取河川国道事務所撮影 千代川(鳥取市古海地内)

情報を収集しましょう

例年、7月から10月にかけては、日本に接近・上陸する台風が多くなります。最近特に大雨、洪水、暴風、高潮などにより、全国各地で人命が脅おびやかされるような自然災害が発生しています。

本市が発信する防災情報は、ケーブルテレビやFMラジオ、防災行政無線、本市公式ホームページでお伝えするほか、お持ちの携帯電話に、あんしんトリピーメールでお届けしています。

また本市では、災害時にFM鳥取の電波を利用し、本市から発信する緊急情報を受信して自動起動する鳥取市防災ラジオも販売しています。詳しくは、本市公式ホームページをご覧ください。

防災ラジオについて

避難情報に注意してください

本市が気象情報などをもとに、災害発生の危険性が高まったと総合的に判断した場合は、避難情報を発令します。避難情報は、住民が危険性を直観的に理解できるようにするため、5段階の「警戒レベル」を付して発令します。

警戒レベル1・2では、災害への心構えを高めるとともに、避難に備えて避難経路や持ち物を確認しておきましょう。警戒レベル3では高齢者や避難に時間を要する人、警戒レベル4では全ての人が危険な場所から速やかに避難してください。警戒レベル5はすでに災害が発生している状況ですので、命を守るための最善の行動をとってください。

日頃から気象情報に注意を払うとともに、避難情報が持つ意味を正しく理解し、災害時に適切な避難行動がとれるようにしましょう。

水害からの避難の考え方

水害時は、危険が迫る前の早めの避難が何より重要です。土砂災害のおそれがある場所に住んでいたり、子どもや高齢者、避難行動要支援者が家族にいる場合は、特に早めの避難を心がけてください。

ただし、危険な状況下での避難はできるだけ避け、安全確保を第一に考えましょう。夜間など、足元が見えない時の無理な避難はかえって危険な場合があるため、危険が切迫しているときは、離れたところにある指定された避難場所への移動(水平避難)だけでなく、自宅の2階以上や近くの高い場所への移動(垂直避難)も考えましょう。

災害が迫ったとき、置かれた状況は一人一人違います。それぞれが自ら判断し適切な避難行動を取らなければなりません。

総合防災マップをご活用ください

本市発行の防災マップでは、住んでいる地域の河川が氾濫した場合の浸水の深さや、土砂災害の危険区域などの情報を掲載しています。

また、防災情報の収集や持出品、備蓄品などに関する情報のほか、避難行動についても詳しく紹介しています。特に、ひとり暮らしの高齢者や障がいのある人など、災害情報の入手や自ら避難することが困難な人を地域で支え合う「避難行動要支援者支援制度」、日常生活全般に特別な配慮が必要な人に安心して避難していただくための福祉避難所に関する情報など、一人でも多くの命が救われるために必要な情報をまとめています。

この防災マップを活用して、避難場所までの安全な経路や、非常持出品などについて、日頃から家族や地域で話しあっておきましょう。

新型コロナウイルス感染症を踏まえた避難のポイント

1. 密集を避けるため、在宅避難や知人・親戚宅への避難を検討
防災マップなどでお住いの地域のリスクをご確認ください。避難所での密集を避けるため、自宅での安全確保が可能な人は在宅避難しましょう。自宅が危険な場合、安全な親戚・知人宅に避難することも考えておきましょう。
2. 健康状態の把握
規則正しい生活を送るとともに、普段からご自身やご家族の健康状態の把握に努めましょう。新型コロナウイルスの感染を疑う症状のある場合は、東部地区発熱・帰国者・接触者相談センターに早めに相談しましょう。
3. 非常食だけでなく体温計、マスクなどを持って避難
市の備蓄品にも限りがあります。避難をする際は自分に必要なものは自分で持参しましょう。また、感染症予防のためマスクや体温計なども持参品に加えて準備しましょう。
4. 基本的な感染症対策の順守
避難所で過ごす際は、マスクの着用、こまめな⼿洗い、咳エチケット、他の人との距離を離すなどの基本的な感染症対策を守りましょう。
5. 体調が悪い場合の避難方法
避難所内での感染拡大を防止するため、発熱・咳など体調の悪い人が避難所へ避難する場合は、到着時に体調不良であることを必ず申告してください。また、別室や区画したエリアで過ごすなど、他の避難者との接触に注意していただくことをお願いします。
新型コロナウイルス感染防止に配慮した避難所レイアウトイメージ