とっとり市報 HTML版
2020.11 No.1123

特集 令和元年度決算
新たな時代をリードし
確かな未来を創造する鳥取市へ

令和元年度決算が9月定例市議会で認定されました。一般会計・特別会計で総額約28億円の黒字決算となり、健全な財政運営を行うことができました。その概要について一般会計を中心にお知らせします。

  • 本庁舎行財政改革課
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中核市としてさらに前進

新元号への移行、市制施行130周年の節目となった令和元年度は、新本庁舎整備、新可燃物処理施設整備などの重要施策を着実に進めるとともに、防災・減災対策、人口減少の克服に向けた地方創生の推進や医療・保健・福祉・子育て支援、さらには中核市として連携中枢都市圏域全体の将来に向けた事業を積極的に展開するなど、市民生活の向上を図りました。

全ての会計で黒字決算

歳入面では、市税については前年度に引き続き雇用環境の改善が進んだことに加え、企業の設備投資が好調であったことなどから1億3596万円の増収となりました。地方交付税についても増収となりましたが、これは臨時財政対策債の振り替え(6.4億円)によるもので、実質的な交付税は、合併算定替の縮減の影響などにより減収となりました。また、市有施設の耐震対策や小中義務教育学校へのエアコン整備、雇用創出など重要施策に積極的に取り組みながらも、市債発行は有利なものを厳選し、これまで計画的に積み増ししてきた基金も活用するなど将来を見据えた財政運営に努めました。これらの結果、一般会計および15の特別会計の歳入総額は対前年度2.3%増の1448億3263万円となりました。

歳出面では、令和元年11月の新本庁舎全面開庁をはじめ、防災ラジオ整備事業に着手、産後うつなどの防止のため健康診査費用の助成、スマート農業の推進、即戦力となる人材確保へ向けた日本語学校の運営支援など、「ひとづくり」「まちづくり」「しごとづくり」のそれぞれの分野で、市民のみなさんの暮らしを支える取り組みを積極的に行いました。

これらの結果、歳出総額は対前年度2.8%増の1417億1061万円となりました。翌年度への繰越事業費を除いた収支総額は、28億8176万円の黒字となり、個々の会計を見ても、全て黒字となっています。

総括表(一般会計・特別会計)
区分 歳入 前年度比
伸び率(%)
歳出 前年度比
伸び率(%)
一般会計 1042億7182万円 3.5 1021億8094万円 4.0
特別会計 405億6081万円 ▲ 0.4 395億2967万円 ▲ 0.2
特別会計
内訳
土地区画整理費 1億1221万円 ▲ 52.5 1億0138万円 ▲ 54.0
公設地方卸売市場事業費 4104万円 2.1 3276万円 ▲ 1.1
国民健康保険費 185億0816万円 ▲ 1.1 182億3510万円 0.3
高齢者・障害者住宅
整備資金貸付事業費
77万円 ▲ 2.5 59万円 ▲ 11.9
住宅新築資金等
貸付事業費
7893万円 126.5 5796万円 76.5
土地取得費 36万円 16.1 34万円 9.7
墓苑事業費 2775万円 ▲ 26.5 2228万円 ▲ 38.6
介護保険費 194億8468万円 1.1 188億2370万円 0.4
財産区管理事業費 1253万円 ▲ 1.3 310万円 ▲ 11.4
温泉事業費 5667万円 4.5 5147万円 ▲ 0.3
観光施設運営事業費 812万円 ▲ 36.5 812万円 ▲ 36.5
介護老人保健施設
事業費
8181万円 0.0 8181万円 0.0
後期高齢者医療費 20億7461万円 2.0 20億7183万円 2.0
電気事業費 2898万円 ▲ 4.4 2848万円 ▲ 3.0
母子父子寡婦福祉
資金貸付事業費
4419万円 54.9 1078万円 ▲ 13.9
合計 1448億3263万円 2.3 1417億1061万円 2.8

【グラフ(1)】一般会計における市債残高と実質公債費比率(※) の推移

※ 実質公債費比率…地方公共団体の借入金(地方債)の返済額(公債費)の大きさを、その地方公共団体の財政規模に対する割合で表したもの。早期に健全化が必要な数値は25%超。

【グラフ(2)】将来負担比率の推移

〜 令和元年度に実施した主な重点施策 〜

▶次世代の鳥取市を担う“ひとづくり”

  • 小中義務教育学校へのエアコン設置
  • 産後うつなどの防止に向け健康診査費用を助成

▶誰もが活躍できる“しごとづくり”

  • スマート農業の推進
  • 即戦力となる人材確保へ向け日本語学校の運営を支援

▶賑わいにあふれ安心して暮らせる“まちづくり”

  • 新本庁舎の整備、総合支所の耐震化
  • 防災ラジオの整備事業に着手

健全財政の堅持

中長期的な展望に立ち、計画的に市が直面する諸課題の解決を図るとともに、「麒麟のまち」圏域の自治体と連携を深めながら、一体的な発展の実現に向けて取り組みました。

一般会計における市債の残高は増額となりましたが、「実質公債費比率(※)」は国の基準を大きく下回っており、引き続き、市の実質的な負担が少ない市債を厳選し活用するとともに、新たな市債の発行を抑制するなど、健全な財政運営に努めていきます。【グラフ(1)】

特別会計や水道、病院、下水道などの会計の負債を合算して求める「将来負担比率」も、国が示す基準を大幅に下回っており本市の財政の健全性は堅持されています。【グラフ(2)】

令和2年度以降は、新型コロナウイルス感染症の影響により、市税の減収や対策費用の増加など厳しい財政運営が見込まれますが、引き続き安定した行政サービスを提供できる市政運営に努めてまいります。