大手門の特長と見どころ
令和元年11月より復元工事に着手した、鳥取城の大手門にあたる「中ノ御門表門」が、3月に竣工します。
鳥取城大手門は、桝形石垣の出入口いっぱいに門を構え、左右の土塀を門の屋根と同じ高さまで立ち上げるのが特長です。
石垣出入口の幅いっぱいに門を構えることから、大手門には長さ10メートルを超えるケヤキを使用しています。ケヤキの長大材は江戸時代でも入手が困難であったといわれることから、鳥取藩の格式がいかに高かったかがうかがえます。
また、鳥取藩の家紋といえば「揚羽蝶紋」が有名ですが、大手門の屋根には、「葵紋」の瓦がのっています。「葵紋」といえば江戸幕府を開いた徳川家康の家紋であり、その使用は厳しく制限されていました。しかしながら、鳥取藩主池田光仲が徳川家康のひ孫にあたることから、鳥取藩は江戸幕府から厚遇され、外様大名では唯一「葵紋瓦」の使用が許されていました。
鳥取城を地域の誇りに
元和7(1621)年に創建された大手門は、今年で400周年を迎えます。10年に及ぶ発掘調査の成果とともに、工匠たちによる伝統技術を駆使することで、現代によみがえります。
全幅10.2メートル、全高5.0メートル。屋根には出土瓦に基づき精巧に復元された「葵紋瓦」が軒を連ね、全国12番目の石高を誇った鳥取藩の栄華を未来に伝えます。
大手門竣工式のお知らせ
竣工記念式典を上記日程で開催し、大手門のくぐり初めなどを行います。式典以降は大手門周辺を常時開放とします。式典当日は、鳥取城復元の機運を高めようと、市民団体が主催する「鳥取三十二万石お城まつり」が行われ、大手門の竣工を盛り上げます。