とっとり市報 HTML版
2021.04 No.1128

人権尊重都市鳥取市の実現をめざして〜地域で寄り添いともに生きる「市民後見人って?」〜Vol.437

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【市民後見人制度について】

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高齢化の進展や、障がいがある人の地域生活への移行などを背景に、高齢者や障がいのある人を狙った悪質商法の被害などが今後増加し、成年後見制度のニーズが高まることが考えられます。本年3月に策定した「第8期鳥取市介護保険事業計画・高齢者福祉計画」の中でも権利擁護の推進は重要施策の一つとして掲げています。

 今回は、高齢者や障がいのある人の権利を守る成年後見制度や、新しい担い手として注目されている市民後見人について紹介します。

成年後見制度とは?

成年後見制度は、知的障がい、精神障がい、認知症などにより判断能力が不十分な人の財産管理をしたり、日常生活でのさまざまな契約を支援するなど、本人の権利を守る制度です。その役割を担う人を後見人(成年後見人など)といい、親族または弁護士などの専門職である第三者の中から、家庭裁判所が適任者を選任します。
近年、専門職の後見人の選任が増加していることから、今後、専門職後見人の不足が懸念されます。そこで、専門職以外の身近な「市民」という立場で後見人の活動を行う市民後見人の役割が期待されています。

市民後見人とは?

市民後見人は、専門職の後見人と同じように判断能力が十分でない人の金銭管理やさまざまな契約行為を行いますが、本人に身近な地域に住む人が、市民の目線で、本人の意思を丁寧に把握し、地域に密着した活動を行うことが期待されています。
被後見人は生活するうえでさまざまな困難を抱えています。また、誰にも相談できずに困っていることも少なくありません。市民後見人は本人と密接にかかわることができるので、生活上の困りごとに寄り添い本人の意思をできるだけ丁寧にくみ取って、継続的に支援していくことができます。このような活動は、 本人の権利や利益を守るという重大な役割を担うため責任を伴いますが、本人の人生の伴走者として寄り添える喜びや、本人が安心して暮らせる地域づくりを担う一員として活躍できる楽しさには、大きなやりがいがあります。

市民後見人になるには?

市民後見人になるには、7月頃に開催される「鳥取市市民後見人養成講座」を受講して基礎知識を習得した後、「鳥取市権利擁護支援センターかけはし」や「とっとり東部権利擁護支援センター」で補助員などとして活動しながら実践を学びます。
その後、希望者が「市民後見人登録名簿」に登録され、市民後見人が相応しい案件には本市から家庭裁判所に市民後見人として推薦を行います。これまで7人の市民後見人が選任されており、後見人1人あたり1人~2人を担当しています。

活動後は報酬の請求ができますし、さまざまなトラブルを避けるために市民後見人専用の保険(自己負担)にも加入していただいています。

また、市民後見人として選任された後も「鳥取市権利擁護支援センターかけはし」、「とっとり東部権利擁護支援センター」からのサポートや市民後見人どうしで悩みを話し合ったり、困ったことを相談できる体制も整えています。市民後見人に少しでも興味のある人、地域に貢献したいという思いのある人はぜひお問い合わせください。また成年後見制度に関する相談も受けています。

〜市民後見人の声〜

後見人の仕事は大変なことも多いですが、ありがとうと言ってもらえると自分まで嬉しい気持ちになりますし、被後見人の人が笑顔になってくれると、この仕事にやりがいを感じます。興味のある人は一緒にやってみませんか?