とっとり市報 HTML版
2021.07 No.1131

【特集】未来を担う子どもたちのために鳥取市立学校適正規模・適正配置基本方針を策定しました

全国的に少子化が進み、小規模の学校が増えてきています。このたび、本市の 20年後の姿を見据えた学校のあり方について、地域で検討していくための基本方針を策定しました。

問い合わせ本庁舎校区審議室 TEL0857-30-8405 FAX0857-20-3952

進む学校の小規模化

本市の児童生徒数は右肩下がりで減少を続けています。平成18年度からの10年間の減少率は10.3%であるのに対して、平成28年度からの10年間の減少率は12.6%と推計され、今後さらに減少幅が大きくなることが予想されます。児童生徒数が減少し、学校が小規模化すると、「班活動やグループ活動に制約が生じる」「集団の中で自己主張したり、自己抑制をしたりする経験を積みにくい」といった課題があります。しかし一方で、「一人一人に目が届きやすく、きめ細かな指導が行いやすい」「少人数で小回りが利くため、体験的な活動が充実させやすい」という強みも持っています。

本市では学校の規模が小さくてもその強みを生かした魅力ある学校づくりが行われていますが、今後はさらに小規模の学校が増えることが考えられます。

鳥取市立小・中・義務教育学校の児童生徒数推計
グラフ

適正規模・適正配置

学校は地域にとってさまざまな交流の拠点であり、緊急時の避難所でもある重要な存在です。しかし、その役割の維持を重視するために学校が小規模化し、子どもたちが受ける教育の形態や、友達の数に学校差が生じてはいけません。

また、学校の配置によって、通学距離が長かったり、大きな河川を挟んで校区が設定されるなど、緊急時や悪天候時の危機管理に課題が生じることがないよう、適正な配置が必要です。

児童生徒数が減少していく中でこれらのことを考慮し、適正規模・適正配置となるために、その地域の実態に応じた学校の規模・配置を検討することが重要です。

地域で学校のあり方の検討を進めていくための方針

広い面積を有する本市では、地域ごとに交通事情、自治組織の形態、人口減少の度合いなどがさまざまです。それぞれの地域の実態に応じた学校の規模・配置を実現するためには、保護者や住民の思いに配慮しながら、地域住民による議論を推進することが必要です。

本市は今年3月に「鳥取市立学校適正規模・適正配置基本方針」を策定しました。この基本方針では、児童生徒数が減少しても教育の水準が公平に維持されることを最優先に考え、本市としての適正規模・適正配置の目安を示しています。

今後はこの基本方針をもとに、地域住民による検討組織を立ち上げて議論を行っていただき、その議論を尊重して、教育委員会で学校のあり方を決定していきます。

鳥取市立学校適正規模・適正配置配置基本方針の概要

基本的な考え方

  • 教育の機会均等や水準の維持・向上の視点を最優先します。
  • おおむね20年後の姿を想定し、全ての地域で検討組織を立ち上げていただきます。
  • 今後の学校のあり方については地域での責任ある議論を重視します。

適正規模の基準(1校あたりの学級数)

小学校:12~18学級 中学校:9~18学級 義務教育学校:9~27学級

適正配置の基準(通学距離・時間について)

小学校4㎞以内、中学校6㎞以内を目安とし、交通手段を確保するなどして概ね1時間以内とします。

5つのブロックに分けて議論

地域での議論を開始するにあたって、ある程度の区分けが必要なことや、エリアにより人口の減少の度合いが違うことなどから、本市を5つにブロック分けしています。これにより、ある程度生活圏が同じである校区で集まって議論を進めていただくことができます。

5つのブロックと20年後の学校数の目安

地域ブロックごとの学校数は2040年の児童生徒数の推計をもとに、小学校12学級以上、中学校・義務教育学校9学級以上の規模を有する学校がいくつ必要か算出したものです。

人口推計は社会状況の変化により変動するため定期的に見直します。

※ 学校数の赤文字は、その数の学校を設置した場合、適正規模を満たさないことを意味します。

※ 学校数には義務教育学校の数を含みます。

北ブロック

西中・北中(川東)中ノ郷中・福部未来学園校区

児童生徒数5~25%減

小学校5~7
中学校4

東ブロック

東中・南中・桜ヶ丘中・国府中校区

児童生徒数8~22%減

小学校9~10
中学校4

西1ブロック

湖東中・高草中・北中(川西)・湖南学園・江山学園校区

児童生徒数9~30%減

小学校5~6
中学校4

西2ブロック

湖気高中・青谷中・鹿野学園校区

児童生徒数21~45%減

小学校1~3
中学校1~3

南ブロック

河原中・千代南中校区

児童生徒数25~34%減

小学校1~2
中学校1~2

Q&A

20年後の学校数が示されていますが、20年後までに必ずこの数になるという意味ですか。

今回示している学校数は、20年後の児童生徒数の推計をもとに、どの程度の学校数が必要になるかを割り出した目安であり、これからの議論の材料にしていただくものです。

学校適正配置の取り組みはいつまでを期限としていますか。

学校のあり方は、保護者や地域のみなさんと十分な合意形成を図っていく必要があります。そのため、地域との合意形成が図られるまで協議を続けることとし、期限を設けることは考えていません。

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地域と学校が連携した実践的な取り組みを踏まえながら、これからの学校のあり方を語り合う特別番組を、鳥取市公式動画チャンネル(YouTube)で公開しています。

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