急速に変化する社会を担っていく子どもたち
携帯電話やインターネットなどのICTの発展により、私たちの身の回りは急速に便利さを増しています。そんな中、学校教育には、Society5.0(※1)社会を見据え、子どもたちがICTを活用しながら、主体的に考え、協働していく力を育むことが求められています。
次世代を担う子どもたちが社会に適応し、よりよい社会を創り出していけるように、本市では、教育へのICTの効果的な活用を進める「鳥取市GIGA(※2)スクール構想」の実現に取り組んでいます。
- ※1:Society5.0
- …国が提唱する、めざすべき未来社会の構想。AIや自動走行車など、サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステム化により、経済発展と社会的課題の解決を両立する人間中心の社会。
- ※2:GIGA
- …Global and Innovation Gateway for All の略
鳥取市GIGAスクール構想のねらい
今回の学習指導要領では、学習の基盤となる能力の一つとして「コンピュータなどの情報手段を適切に用いて情報を収集・判断・表現・処理・創造し、受け手の状況などを踏まえて発信・伝達できる能力」とされる「情報活用能力」があります。
これを踏まえて鳥取市GIGAスクール構想では、各学校で通信ネットワークを整備し、情報端末を配布したうえで、情報手段の基本的な操作を学んだり、プログラミングを体験しながら論理的思考を身に着けるための学習を行い、情報活用能力を育成します。
各教科でタブレット端末を活用することで、一人一人の反応を踏まえたきめ細やかな授業を行うことができます。個別学習の場面では、児童生徒が自ら疑問や課題について調べたり、習熟度合いに応じた指導が可能になったりと、学習内容のより確実な定着につながります。協働学習の場面では、一人一人の意見や考えを即時に共有して発表や意見交換ができるようになることで、児童生徒の思考力、判断力、表現力を伸ばします。
このように鳥取市GIGAスクール構想は、児童生徒が率先して学習に取り組み、対話を通じた深い学びを実現するとともに、自発的な活動をより充実させるため、整備した端末をはじめとするICT機器などを、日常的かつ効果的に活用していくものです。
新たな学びの創造
鳥取市GIGAスクール構想の取り組みとして、昨年度、学校の通信ネットワーク(校内無線LAN)を整備するとともに、各学校の子どもたちに一人一台のタブレット端末を配布しました。各学校では、タブレット端末使用開始から半年余りで、すでにさまざまな場面に活用しています。
入学したばかりの児童も、カメラ機能を活用した動植物の観察や、eラーニング教材(タブレットドリル)で自主学習などを行っています。また、児童生徒一人一人に配付されたアカウントを活用し、オンラインでの健康観察やアンケート、小テストなどを行っています。タブレット端末で行ったアンケートや小テストの結果は自動集計されるため、教職員の業務負担軽減にもつながっています。
今後も調査活動や話し合い活動などのさまざまな学習に端末を活用し、児童生徒の学びを充実させていくと同時に、ICTを活用した授業改善に関する教職員研修をオンラインやオンデマンドで実施するなど、教職員の指導力向上を図ります。
本市は、今後さらに学校でのICT活用の幅を広げ、実践事例を学校間で共有することで、児童生徒と教職員による新たな学びの創造を実現していきます。