とっとり市報 HTML版
2022.1 No.1137

特集2022新春座談会「とっとりの輝く女性大集合!」

新年あけましておめでとうございます。

今年の新春座談会は、市内でさまざまな分野で活躍する4人の女性をゲストに迎え、自身の活動に対する思いや、誰もが生き生きと輝いていくためのまちづくりなどをテーマに語っていただきました。

本庁舎広報室(33番窓口) TEL0857-30-8008 FAX0857-20-3040
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石原 泉美(いしはらいずみ)さん

お店の経営やフリーランスで活躍する女性たちが集まるイベント「キラリ★さきがけ塾」を行う「鳥取の女性を応援する実行委員会」実行委員長。

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中井(なかい) みずほさん

子育て中のお母さんたちが交流するイベントを開催したり、情報発信を行って子育てをサポートする団体「Tottori Mama's(トットリママズ)」代表。

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伊吹 春香(いぶきはるか)さん

3年前に会社員からイラストレーターに転身。鳥取特産の果物のパッケージデザインや高速バスのラッピングデザインなどを手がける。

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山本 暁子(やまもとあきこ)さん

大阪からUターンし、有害鳥獣駆除などを行うハンターとして活動しながら、プログラミングなどの在宅ワークを行っている。

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深澤 義彦(ふかざわよしひこ)市長
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司会
田中 奏子(たなかかなこ)さん

みなさんの活動について

【石原さん・中井さんの活動】

石原

キラリ★さきがけ塾は、女性が社会で活躍するために、さまざまな人がつながり、情報交換ができる場を作りたいと思い平成29年に始めたイベントです。自分の好きなことに取り組んでいる人や、フリーランスで仕事をしている人などが出店し、訪れた人に「私もこういうことがしたい」と思ってもらえる場になればと思い活動しています。

出店者は、ものづくりや農業をしている人、私のように癒やしの仕事をしている人などさまざまです。普段交流することがない人たちの仕事を見たり、話を聞くことができ、私たち出店者自身も楽しんでいます。

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出店イベントは対話と交流のきっかけに(キラリ★さきがけ塾)

中井

Tottori Mama's(トットリママズ)は平成26年に立ち上げました。当時、児童虐待のニュースを見て、子どもを持つ親としてとても心を痛め、こういう事件がどうして起きてしまうのかと考えました。私1人が声を上げても、本当に小さな声でしかないと感じ、まずは子育て中のお母さんたちが気軽に集まれるコミュニティを作ろうと思い立ったのがきっかけでした。

子育て中はどうしてもストレスや、社会とのつながりが薄れて孤立感を感じてしまうこともあります。ハイハイレースや産後トレーニング、リトミックなど、親子で一緒に楽しめるイベントを開催して、交流の場を作ってサポートしています。

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親子で楽しくハロウィンイベント(Tottori Mama's)

田中

お2人とも女性の活躍の場を提供したり、応援したりする取り組みをされていますね。

石原

中井さんが言われたように、子育てや親の介護などで孤独を感じたり、楽しみを我慢してしまうということをよく聞きます。キラリ★さきがけ塾も、そんな人たちが、自分の好きなことをしてつながりが持てる場になればと思っています。

また、学びの場も作りたいという思いから、講師を招いて女性が社会で活躍することをテーマにした講演会や、座談会なども行っています。

中井

子育て中はどうしても自分のやりたいことや好きなことを我慢してしまいがちです。お母さんたちは、自身がやりたいことを見つけて企画運営していますが、イベントを通して少しでも心が軽くなればと思いますし、そんな経験がきっかけで、例えば地域の中で自分の思いを発しやすくなればと思っています。

市長

お二人とも人とのつながりを大切にしていると感じました。

本市は女性活躍を推進し、性別に関係なく自己実現ができる市をめざしており、昨年「第4次男女共同参画かがやきプラン」を策定してさまざまな取り組みを進めています。

子育てについても、不安を感じたり、社会から孤立することがないよう、結婚・妊娠・出産・子育てを一貫して支援していく取り組みを進めており、特に最近は産後ケアに力を入れています。

【伊吹さん・山本さんの活動】

ポスター写真

田中

こちらのポスターは、鳥取特産の20世紀梨を女の子が手にしたかわいらしいデザインですね。

伊吹

20世紀梨は明治に発見されたものなので、レトロ、和風をテーマに描かせていただきました。

田中

キラリ★さきがけ塾のポスターも手がけていらっしゃいますよね。

伊吹

声をかけていただき良い経験をさせていただきました。また、私自身もキラリ★さきがけ塾に参加して、自分の好きなことを楽しんでいる人がこんなにいるんだなと、とても刺激になりました。私が絵を描くことを仕事にするきっかけの一つになったと思っています。

田中

昨年から鳥取市ともコラボされて、観光情報を発信するSNS「tottoco official(トットコオフィシャル)」のキャラクターも手がけられるなど、本当にすてきなイラストで鳥取市の魅力を発信されていますよね。

伊吹

私自身鳥取市が大好きで、県外から友人が来たときに、楽しみながら各地を案内するんですが、絵を描くときも「鳥取市ってこんなにいいところだよ」という、自分のふるさとを自慢するような気持ちで描いてます。

市長

伊吹さんの作品をあちこちで拝見しています。このポスターも、20世紀梨の歴史を感じさせるすばらしい作品だと思いますし、麒麟獅子などの作品もユーモラスでかわいらしいです。本市の魅力を発信していただいていることに感謝しています。

山本

4年前に、祖父母の家がある鳥取市の中山間地域に引っ越してきました。地域の行事でイノシシ肉を食べる機会があり、とてもおいしかったんです。その時に「イノシシ肉を食べたいなら猟師になったらどうか」と地域の人に言われて、それがきっかけで狩猟免許を取りました。

今、狩猟免許取得者が増えている一方で、農家さんのなかには有害鳥獣による被害で廃業寸前に追い込まれている人がいます。今後はそこのマッチングができるような活動ができればと思っています。

また、今は在宅ワークでウェブデザインやプログラミング、オンラインでの家庭教師をしています。以前はあまり世間に浸透していなかった働き方ですが、コロナ禍以降は広く認知され、今後このようなスタイルの人も増えていくのではないかと思っています。

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雪山で狩猟中の山本さん
昨年はイノシシと鹿を100頭以上捕獲

市長

本市は「住みたい田舎ベストランキング(宝島社「田舎暮らしの本」)」で9年連続ベストテンに入っており、移住定住に適した地域として評価されています。リモートワークやワーケーションにも適した場所だと思っていますので、今後さらにPRしていきたいと思います。

また、有害鳥獣についてですが、近年は農作物への被害が増えており、令和2年度は被害額が3千万円を超えています。農業者が農業を続けてく意欲を減退させることにもつながる深刻な課題です。狩猟者の高齢化が進む中、これからも狩猟者を増やしていきたいと思っており、具体的な支援策の検討を進めていきます。

やりたいことで活躍していくには?

山本

みなさんの活動を聞いて、多くの人の力を引き上げたり、自分も引き上げられたりという相乗効果を生み出していると思いました。私はこれから有害鳥獣駆除の分野で、新たな活動を始めたいと思っていますが、みなさんは初めの一歩をどのように踏み出されましたか。

中井

私の場合は計画的に動き始めたというよりは、周りに心配をされながら、自分の中にある「これをやりたい」という強い思いと勢いで進めていきました。

伊吹

私も、子どもの頃から絵を仕事にしたいという強い思いがあって、その一心で会社員を辞めてこの仕事を始めました。自分の中の「これをしたい」という思いを大事にする、それを自分が受け入れてあげることが大切かなと思います。また、キラリ★さきがけ塾に参加して、実際に自分の得意分野で活躍される人と出会い、一歩踏み出す勇気をいただいたのも大きかったです。

田中

想いの強い人がいて、そんな人たちがつながる場があることがきっかけになるんですね。鳥取市はいろいろなコミュニティがつながりやすいまちだと思いますが、今日の座談会でもまた新たなつながりが生まれそうですね。

山本

鳥取市にはものづくりをしている人がたくさんいらっしゃると思うので、例えば、私がとった鴨の羽などでものを作れる人とつながれたら面白いと思います。

石原

今日の座談会がきっかけで、「私の周りでものづくりをしている人と猟師さんがつながってできることがないかな」と頭の中でさっそく考えています。こうやってストーリーがつながっていくことが本当にすてきだと思います。

伊吹

猪の皮なんかも何かしらのグッズを作ったり再利用できたらいいですよね。人がつながってアイデアを出し合えば、新しい、ここにしかない商品ができるかもしれません。

中井

親子で参加できる、ジビエを使った料理教室のイベントをするのも楽しそうですね。

市長

さまざまな分野で活躍している人がこうしてつながっていき、新しい価値が生み出されることで、このまちがさらに楽しくにぎやかになっていくと思います。

今年の抱負

石原

キラリ★さきがけ塾は毎年、訪れた人や出店した人から大きな反響をいただいています。今の状況でもできる形で続けて、みなさんが集ったり新しいことを始められる場を作っていきたいと思います。

中井

みなさんのお話を聞いて、つながりを作ることがとても大切なことだと感じました。今年は、「お母さんたちのコミュニティ」という枠をさらに広げて、地域や地元企業と一緒に、子育てを応援できるような形を作っていきたいと思います。

伊吹

自分の中にある「創作を楽しみたい」という純粋な気持ちを持って絵を描きたいと思っています。もちろん仕事として真剣に創作に取り組むんですが、自分の中の土台になっている気持ちをもう一度思い返して、大切にしたいと思います。

山本

こうして信念を持ってさまざまな活動をしている人に会えて、とても勇気づけられました。みんなでつながり、お互いを高めあうような活動をしている人たちがこんなにもいるんだなと感じ、私もその一部になれるように活動をしていきたいと思います。

市長

昨年、新型コロナウイルス感染症からの復興再生プランを策定し、市民のみなさんと明るい未来を切り開いていくためのスタートを切りました。今年はそれをさらに具体的に進めていく年です。今日みなさんの話を聞いて、そのための力をいただきました。ありがとうございました。

※座談会の内容は要約しています

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会場:AuTuTu Plama(アウトゥトゥプラマ)
座談会はいなばぴょんぴょんネット(12ch)で放送します
日時:1月1日(土・祝)~4日(火)12:00 ~、15:00 ~、18:00 ~ほか